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貴族は嫌いだ

俺は、アルフレッド。家名はない。

母はローリック家の令嬢であったが、冒険者である父と結婚して、

貴族位を返上してしまった。


その事に、何の不満もない。


従兄のトルスタインやダイアナを見てても

貴族なんて、なりたいとも思わなかった。


父と同じように、

冒険者として魔獣を狩り、

魔獣から得た魔石を使い

趣味の魔道具作る。

そんな毎日が続くはずだった‥‥‥



ある日突然、

祖父、母、叔父に呼び出され、

同い年の従兄のトルスタインの、

スペアとしての役割を押し付けられた。


侯爵である叔父には2人の子供がいたが、

従妹のダイアナが王家に嫁ぐことが決まっていたのは知っていたが。

自分には関係ない事だと思っていた。


全く気が付かなかった。

貴族には、爵位を引き継ぐ後継者の他に

後継者にもし何かあった場合のスペアが必要だって事

自分が、そのスペアだった。って事を



叔父も若いんだし

後添いを娶って、もう一人や二人子供を作っても良いと思うし、

俺にも弟が2人もいる。

その中の誰かで、良いじゃん!!

と、反論したが、

叔父には、笑いながらB級魔獣バジリスクの前に放り投げられ。

祖父と母にはジェネラルオークルが3匹もいる洞窟の竪穴に落っことされた。


何も知らず、自由でいられるのは、

王都の学院に入学する前まで‥‥‥

だったのだ。



別に勉強が嫌いではない。

必須科目以外は、選択制で冒険者として必要な知識も

今まで自己流でやっていた魔道具つくりの基礎も学べ、研究も出来た。


必須科目のダンス、マナー


これがダメだ。

運動神経も反射神経も悪くない方だと思うので

やれば、出来る。


ただ、身体より心が拒否してしまう。


マナーも小さい頃から母から教えられていたらしい。

教えられていた。なんてかわいいもんじゃない。

食べるために必死だったから覚えた。それだけだ。

出てくる料理が魔獣の料理。

なぜスプーン、フォーク、ナイフのカテラリーの正しい使い方が必要なのだ?

スープに入っているのがオークの尻尾でも、音を立ててスープを飲んだ瞬間。

目の前から料理がなくなっている。

その日の食事は、一口飲んだスープで終わってしまった。


正式なマナーなどと知らなかったのに

学院にきて、友人からマナーを褒められ反対に驚いた。

母はさすが腐っても元侯爵令嬢だった。

本当に腐ってる。

誰が大鎌を振り回している皮鎧の冒険者を侯爵令嬢。だと思うか!!


そんな思いで4年間を過ごしたはずなのに

トルスタインは、気が付くと

先に卒業していた。

侯爵から裏技を教えてもらい、4年のところ2年で必要単位を取り

ひっそりと卒業してしまったらしい!!

そんな裏技、知ってたんなら先に教えてくれよ~

侯爵、ぜったい後添いネタの事を恨みに思っているんだぜ

すっげーイヤだ。

そのくせ、もともとトルスタインと似た背格好の俺は、

あいつに間違えられて、

男女ともに声を掛けられる‥‥‥‥


で、

人違いだ。姓もない平民だ。

というと酷い扱いを受けた。

自分が間違えたくせに!!


ありえん!!


いま考えると、

マナー、剣の訓練、魔法の使い方

トルスタインと一緒に色々と

基礎を叩き込まれてきた事に気が付く。

まるで、影武者をつくっているみたいじゃないか‥‥


いったい何時から準備されていたんだろうか??


腹黒!!怖!


貴族嫌いがどんどん、増していった。


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