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幼馴染が女勇者なので、ひのきの棒と石で世界最強を目指すことにした。  作者: のきび
第三章 ミスティアとクロイツ ―ふたりの魔王討伐―
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ミスティアと勇者の功績 その三

 翌朝しびれはまだ残るものの動けるようにはなった。サグルは私の側にいて、寝ずに周りの警戒をしていれてくれた。


 魔族と言うものを初めて見た。私は勇者時代は魔大陸には近寄らないように言及されていた。

 勇者だけど実力がないから殺されるのを防ぐためだろう。

 だから魔族を見たことがなかった。異形とは聞いていたけどあんな全身が色々な獣のパーツで構成されたような体になるなんて。

 ガリウスに会うにはあの魔族たちを倒さなきゃいけない。

 だけど魔族を異形だなんて言えないわね、私も異形の化け物なんだから。


 でも、あの毒はまずい。体が動かないだけじゃなくて変身もできなかった。

 いつ毒を入れられたのだろう。考えられるのは食事しかない。今後は食事は自分の用意したものだけを口に入れよう。


 久々の旅で油断していた。クロイツにも食事は注意を受けていたっけ。


「ごめんねサグル、迷惑をかけたわ」


「気にしないでください、あなたを守るのは僕の喜びですから。もう大丈夫のようなので3m離れさせていただきますね」

 そう言うと席を立ち外にいこうとする。私は彼を止めもう3m離れなくて良いと良い側にいるようにお願いをした。


 久々に外に出て仲間がいない恐怖を思い出した。サグルはニグルとは違う。もう3m離れなくても良い。と言うか仲間が側にいないと怖い。ずっと仲間がいることが当たり前になっていた。一人で冒険をしていたときはどうしていたのか思い出せない。


 冒険者活動は仲間がいるといないとでは格段に安心感が違う。それに警戒や斥候、壁役がいれば全てにおいて時間短縮が出きる。

 ……仲間が必要ね。


「サグル、パーティーメンバーを増やそうと思うの」


「そうですね、二人ですと色々手が回りませんので最低でも後二人は欲しいのですが……」


「何か問題がある?」


「はい、僕達の最終目標が魔王城に行くことだと言うことです」


「あ」

 そうだ、普通の冒険者じゃ魔王城に行くようなやつとパーティーは組まない。ましてや今は勇者選考中なのだ、勝手に魔王城に行くような人間は通報されてしまう。


 それに、今の私達の強さについてこれる人間なんて早々いない。


「お気づきのように、仲間を増やすのは難しいと言わざるを得ないです」


「そうね考えが甘かったわ。あなたにも負担が増えるかもしれないけど、二人で行けそう?」

 サグルの返答次第では魔王城踏破は一度諦めた方がいいかもしれない。

 まずは勇者になって、パーティーメンバーを充実させてからの方がいいのかもしれない。


「多分、今回の失態は僕らの油断が原因だと思います」


「どう言うこと?」


「僕達は獣人ですので臭いに敏感です、毒や魔物の臭いはかぎ分けられるのに気づかなかった」

 そうだわ、普通なら魔物の臭いや、まして毒の臭いなど気がついたはずなのに気づけなかった。

 これを油断と言わずになんと言うだろう。


「そうね、あなたの言うとおりだわ」


「それに、僕たちについてこれる冒険者が早々いるとは思えません。足手まといになるだけだと思われます」


「そうね、たしかにその通りだわ」


「すみません出すぎた発言をいたしました」


「良いのよこれからも何かおかしいことを言ったら訂正してくれると助かります」


「はい かしこまりましたミスティア様」

 サグルは私に頭を下げてそう言う。


「サグル、その様付けはやめてちょうだい。それにもっと普通に話して良いからね」

 私は何を警戒してたんだろう、サグルはニグルとは違う。なら彼に辛くあたるのは間違いだわ。


「分かりましたミスティア」


「まだなんか固いけど、おいおい仲良くなりましょう」


「はい!」

 サグルは仲良くなろうと言う言葉に満面の笑みで犬のように喜ぶ。獣化してれば尻尾がフリフリと動いていることだろう。

 私はバカだな、また人を傷つけるところだった。


「あらためて、これからよろしくね」

 そう言うと、私はサグルに手を出し握手を求めた。

 私とサグルは手を強く握り固く握手をした。


 私達は商隊に別れを告げ一路ドリステン王国へと向かった。


「そう言えばサグルの装備は私の偽勇者の剣(イクスソード)と同じく魔法具なの?」


「僕のはただの剣ですね、一応レインボーコインと同じ製法で作られていますので固いですが」

 厳密に言えば私の偽勇者の剣(イクスソード)は魔法具ではない。通常の魔法具はサポート的な能力のものが多く、まれに火の玉や雷を出すものもあるがそれは魔法ではない、それらは魔法具と呼ばれ使用する為にマナや魔石は必要としない。


 魔導具はその中に別体系の魔法が使われており、魔方陣が組み込まれており生け贄として魔石を使う。用途は攻撃系からサポート等魔法具以上に幅が広い。


 私の偽勇者の剣(イクスソード)はどちらかと言えば魔導具だが現代魔法が使えると言うことで新しいタイプの魔導具になるだろう。ただ私の偽勇者の剣(イクスソード)には再生能力向上、切れ味補正などのサポートも付いているので、言うなれば魔法魔導具なのだ。


「でも魔法も少し使えますよ?」


「え、だってあなた獣人でしょ?」

 獣人はなぜか魔法が使えない魔力はあるのだが全員が全員魔法回路は持っていないのだ。


「はい、真奈美様に改造していただきましたので使えるようになりました」

 話によると私の剣と同じく体の中に魔法回路を移植したのだと言う。その魔法回路は補助系の中級魔法回路で回復系も使えると言う。


 サグルは私が精霊でもあるから、私には補助魔法をかけられないのが悔しいと言う。


「ん? もしかして洗浄魔法使える?」


「……はい、使えます」


「なら、私に遠慮しないで使って良いわよ」

 何日もお風呂に入れない旅だしね、綺麗に出きるならそれに越したことはないわ。


「いえ、自分だけ綺麗になるわけには」


「二人して臭くなっても、しょうがないでしょ」


「ミスティアは臭くなんかありません。良い(にお)いがします」


「そ、そうなの? ありがとう」


「い、いえ」

 確かに私達は異常に鼻が良いから、体臭を簡単にかぎ分けられる。それにともない(にお)いを(くさ)いと思う感情が減った。もちろん限界を越えた臭さはだめだけど。


 それから私達は二日ほど街道を南下してドリステン王国にたどり着いた。

 道中魔物などの襲撃はなかった。まあ私が威圧を放って寄せ付けなかったのだけど。

 ザコの魔物に構ってられないからね。

 とは言え、テレポーターがあるのは王都だから、ここからまだ馬でも三日はかかる。

 今日は国境の宿場の宿で休むことにした。宿場町なだけあって娼婦が多い。さっきからサグルは両腕を客引きに引っ張られて前に進めない。女性に免疫がないのか顔を真っ赤にして恥ずかしがる。ウブで良い男じゃ娼婦は逃がしてくれないわよね。


 まあ、面白いからもう少し放っておきましょう。


「待ちやがれ!」

 正面の薄暗い通路から、小柄な女性と巨漢の男が飛び出す。


「足抜けだ! そいつを捕まえてくれ」

 足抜けか、たしか娼婦などが身売り金をを清算しないで、雇い主のところから逃げだすことよね。

 足抜けをした者が捕まったらひどい仕打ちを受けると言う、そして庇ったものも同罪だという

 少女はあっという間に男立ちに取り囲まれ殴る蹴るの暴行を受ける。


 助けるべきか……。同罪か、ふん、良いわ同罪結構、ここで少女を見捨てたら私は勇者じゃない。

 私はその少女を助けるべく前に出ようとしたが、すでに一人の男が男達を叩きのめしていた。


 サグルだった……。


「てめぇ、足抜けをかばうと同罪だぞ!」


「女性が無抵抗で暴力を振るわれているのに、見捨てることなんか出きるわけがないでしょう」


「はん、これはな法律なんだよ! お前が口を出すことじゃない!」


「法律には足抜けをした者を瀕死の重症になるまで殴って良いとは書いていませんが」


「うるせぇ! これは昔からのしきたりだ、見せしめなんだよ!」


「そんなことは僕には関係ない、彼女に危害を加えることは僕が許さない」


「やめなさい!」


「なんだこのくそあまぁ! ひゃ! ミスティア!!」

 男の一人がそう叫びと皆後ろに下がる。

 なんか皆殺しのミスティアとか血塗れのミスティアとか言ってるんですけど。私そんな二つ名じゃないんだけど……。


 数年前に大軍で押し寄せてきたのを全滅させたせいか。

 カスミはあの大軍はグランヘイム周辺諸国の連合軍だと言っていた。当然この国からも出兵してたろうし私に恨みを持つ者も多いだろう。

 謝って済む問題じゃないのは分かっている。外に出てあらためて認識させられる。私は咎人(とがびと)だ。ガリウスのことをとやかく言える人間じゃなかった。

 だけど今はそれを気にしてる場合じゃない。私を恐れるなら利用させてもらおう。


「ふん、分かってるようじゃない。で? 私と殺し会うの?」

 娼婦を追っていた男達は首を横に振る。


「じゃあ消えなさい」


「だめだ、こいつを見逃せば俺たちが罰を受ける」


「じゃあ、この娘は私が身請けするわ。それなら文句はないでしょう?」


「ああ、それならかまわねぇ……無いです、でもその女はお高いですよ」


 私はアイテムバッグからグランヘイムのレインボーコインが入った皮袋を一つ投げて渡す。


 男がそれを拾い中を見ると驚き腰を抜かす。


「こんなに良いんですか?」

 皮袋の中にはRC(レインボーコイン)が100枚、現在は作っていないので貨幣価値が上がり通常の10倍で取引されていると言う。


「かまわないわ。その代わり、この男の事も見逃してもらうわよ」


「へい、問題ありやせん。じゃああっしらはこれで」


「ミスティア! この娘の身請け書をもらわないとダメだよ」

 男は舌打ちすると、そうでしたそうでしたと良い私達を娼館まで案内する。

 こいつ、お金をかすめ取ろうとしてたわね。

 そう言えば、この娘は高いような事を言っていたけど何かあるのだろうか。


「ねえ、この娘なんで高いの?」


「へぇ、実はさる貴族の御令嬢なんですがね、回復魔法が使えるんですよ。それも部位欠損を治す程にね、それが神国にばれてお家的にも身内に(けが)れがいると言うのが対面的にまずいらしくて。それでうちに売られてきたんですよ」


 穢れか、つまりは使徒の可能性がある人物。彼女が使徒の可能性はない、何故なら全ての使徒はすでにいるからだ。とんだとばっちりを受けたものね。


 私は彼女に自分の運命を重ねずにはいられない。


「ねえ、彼女はもう客はとったの?」


「いいえ、生娘ではないんですが今日からとらせる予定でした」


 間に合ったのかな?


「ねえ、あなたお名前は?」

 私は震える少女に優しく問いかけた。


「サラスティと言います助けて下さり有難うございます」

 さすが元貴族だ震えていても気丈に受け答えをする。


「すみません、どなたか存じませんが勇者マイラに連絡を取れませんでしょうか?」


「勇者マイラ? 彼女なら死んだと聞きました」


「そんな……」

 彼女の顔から血の気が引く今にも倒れそうだ。


「あなた顔色悪いわよ、大丈夫?」


「一緒にいた……一緒にいたミリアス様はご無事なんでしょうか?」

 ミリアス? うちの第三馬鹿王子と同じ名前だ。まあ、あの馬鹿王子が勇者のパーティーにいるなんてあり得ないから同名の人でしょうけど。


「ごめんなさい、私も詳しいことは知らないの」


「……そうですか」


「着きました、ここですぜ」

 その娼館は煉瓦と漆喰で作られており作りはしっかりとしており、通りに柵でかこまれたテラスがある。そこでは優雅にお茶を楽しむ娼婦が談笑していた。


 どうやら、このテラスは女性達を品定めする場所のようだ。男達が熱心に女性達を見ている。


「おう! ゴルバゾフその娘は新入りかい? 俺に味見させてくれよ」

 この店の常連と思われる男が私を指差して下卑た笑みを見せる。


「おい言葉に気を付けろ、この方はあのミスティアだぞ」


「あのミスティアと言うと、あの?」


「ああ、そうだ」


「ひゃああああぁあお許しくだせい!!」

 そう言うと男は土下座をして、頭を地面に打ち付けて謝る。

 何度も何度も打ち付けるものだから頭から血飛沫(ちしぶき)が吹き出す。


「おじさん、もう良いからやめて!」

 私は男の土下座を肩を掴み無理やり止めた。

 男はヒッと言うと口から泡を吹き気絶をした。

 ううう、本当ごめんなさい。


 男は店の娼婦達が介護をするそうなので、私達は男を残し店の中にはいった。

 店に入り奥の間にまで案内されると、そこには一人の男がいた。この男がこの娼館を取り仕切る主人で名をメルコラと言う。


「で、お前さんその娘を身請けしたいんだって?」


「はい、代金はそちらの男性に渡しました」

 そう言われた男は渋々皮袋に入ったお金をメルコラの前に差しだす。


 皮袋の中を開けたメルコラは喉をゴクリと鳴らす。

 しかしそこは娼館の主人だすぐにポーカーフェイスに戻る。


「たりんな」


「は? 十分すぎると思いますが」

 サグルが値を吊り上げようとするメルコラを威圧する。

 まだ生まれたばかりと言えど、かなり強い獣人の威圧に少したじろぐ。ポーカーフェイス台無しだ。


「足りないんだよこれじゃ。考えても見ろ、この女は部位欠損も治せる治療魔法の使い手だこれからいくら稼ぐかわからん」


「では身請けはできないと?」


「おいおい、早まるなよ俺は足りないって言ったんだぜ」


「つまり、もっと出せば売ると?」


「いや、お前さんだよ、お前さんの体を一晩ここの領主に売れ、そうすればこいつは身請けさせてやろう」

 メルコラの話ではここの領主は私のファンで、前々から私を抱きたいと夢に見ていると言う。そして領主に私を一晩差し出せば、今後のお目こぼしの利益の方がサラスティを働かせるより上だと言う。

 私の体を差し出せばこの娘は助かる。なら答えは簡単じゃない。どうせ汚れてるこの体だ、今さら汚れたところで何ともない。


「良いでしょう。その取引――」

「ダメだ!」

 サグルはそう叫ぶと獣化してメルコラの首に爪を立てる。


「ひぃぃ獣人!」

 サグルの爪がメルコラの首に食い込む。

「やめてくれ! たのむ」

 首筋に刺さった爪から、血が滴り落ちる。


「やめなさいサグル」


「やめるのはお前だミスティア!」

 サグルが珍しく荒い言葉を使う。いや初めてだこんな言葉使い。

「何をやめるのよ」


「そんな簡単に体を売るな! どうせ自分の体は汚れてるとか思っているんだろ!」

 見透かされていた。私の全身をカッと熱くなる。


「そうよ、私の体は汚れ――」

「お前は汚れてなんかいない!」


「ツッ!」

 サグルは私の言葉を(さえぎ)り、私は汚れてないと言う。そんなの詭弁だ、私は汚れきっている。


「お前のどこが汚れている」


「全部よ! 心も体も全部よ! 汚れてないところなんか一つもないわ!!」

 そうガリウスを(さげす)み、多数の男達に抱かれ調教された私に汚れてない場所なんかない。


「お前はただ民を救いたい、その一心でやったことだろう。それは気高く尊敬できる行為だ。それを汚れているなんて言うやつは俺が許さない」


「汚れてるんだよ、私は……」

 どんなに言葉を並べてもなにも変わらない、事実は事実なのだから。


「ミスティア、お前が自分を汚れてると思うならそれでも良い、だけど俺はその何倍も言ってやるよお前は綺麗だ! 汚れてなんかない!」


「だって」


「だっても糞もない。お前は綺麗だ! 世界のだれよりも美しい!」


「何を……」


「俺がお前を守る、世界中の人間がお前を汚れてると言っても、俺はそれ以上に綺麗だと言おう。だから二度と自分が汚れてるなんて思うな。ミスティアが傷つくことなんて、何もないんだから」

 そう言うとサグルの獣の目から涙がこぼれ落ちる。


「……うん、ごめんなさい」

 サグルは本気で私を心配してくれる。今はそれがとても心地良い。ありがとう。


「謝らなくて良い、ただ俺の言ったことを忘れないでくれ」


「……はい」

 こんな清々しい気分になれたのはいつ振りだろう。精霊鬼(フィリィア)に感じた感情ともまた違う。まさかサグルに心を癒されるなんて思いもしなかった。


「さあ、今度はお前の番だ! お前の命を賭けろ(ベット)しろ」

 サグルはメルコラの首に爪を更に食い込ませる。


「やめてくれぇ」

 悲鳴にも似た言葉を放ち、サグルの腕を掴み制止させようとするがその腕はびくともしない。


「あの娘は俺達のものだな?」

 その言葉を聞きメルコラは一瞬(ほう)けるが、ハッとすると、ここが生か死の分かれ目だと気づいたようだ。


「ああ、わかった、やる! 譲る。だからやめてくれ」


「金額はいくらだ?」


「あの皮袋の金だけで良い」

 その言葉を聞きサグルは更に爪を押し込む。ヒッと言う声と共に下半身から湯気が立ち上る。


「おいおい、お前の命の値段を聞いているんだぞ?」


「……わかった。ただで良いあの皮袋は返す」


「よし、じゃあ今すぐ身請け書を作れ」


「わかった」

 メルコラは首に爪を当てられたまま証書を冷や汗を滴ながら書き上げた。


「よし上等だ」

 私達は証書と皮袋を受けとると部屋を後にした。ただしサグルの脅し付きで。

「俺達は何十万と言う大軍をふたりで(・・・・)殲滅したのを忘れるなよ? 追ってなど返り討ちにするからな」



「滅相もございません、もうかかわり合いになりたくないです」

 メルコラは飛び退くと両手をブンブンと降り降参の意を示す。


「それが良い」

 完全にサグルのペースで話し合い(おどし)は終わった。

 私は足を引っ張っただけだったな。


 娼館を出て暫くするとサグルが振り返り私に頭をさげる。

 言葉使いが悪かったと、もう少しちゃんとした言葉が合ったはずだと言う。


「私はあの言葉で心うたれたよ、本気で心配してくれてるのわかったから、ありがとう。もう汚れてるなんて言わないから」

 私がそう言うとサグルはにこりと笑い額をポリポリと()いた。


 ……。




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インフィニティ・プリズン~双星の牢獄~ シリーズ
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