表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/162

マイラは間違えない



「ドラゴンドライブ」


 黒の戦士が低い声で呟くと、体から黒色(こくしょく)陽炎(かげろう)が立ち(のぼ)る 

 更に彼は体に魔力を(まと)う、その刹那、黒い閃光がミスティアを襲いメルウスを奪い返す。


 速い、まるで嵐でもあったかのように風が吹き荒れる。

 彼はミリアスも拾うと、私の側に二人を置いた。


 黒の戦士からマナのほとばしりを感じる、この男マナを自家生成してるの?


「あなた何者です?」

 真奈美が怪訝な表情で黒の戦士を見る。


 黒の戦士はその問いには答えずに真奈美を凝視している。

「お前が使徒か?」


「使徒を知る者と言うことは神国関係者でしょうか? それにしては、六大力ノ神剣(エレメンタルデバイス)を持って無いようですが」


 真奈美がふぅ~とタメ息をつく。

「また神話を話されて、ウルティアの使徒とか言われるのも気分が悪いので自己紹介しましょう」


「私はアディリアスの使徒で7人の勇者と共にウルティアと戦った4人の使徒の一人で磯波 真奈美と申します気軽にミミってよんでね」


 どんだけミミって呼んで欲しいのよ! ドン引きだわ!


「ウルティアの使徒ではないのか?」

 だけど、黒の戦士はそんなこと意にも介さない。


「ウルティアに使徒などいませんよ」

 勇者と使徒が不文律だったせいなのか、私には使徒関連の情報があまりない。


「そうか、だが今は貴様とおしゃべりをしている暇はない」


「そうですか、ではいつも通り殺しあいましょう」

 そう言うと三度指をならす。

 魔方陣が30個現れ、そこからB(ブッティ)・オーガロードが現れた。


 私も戦わないと、剣を握り直し体勢を整える。

 しかし、攻撃体制に入る私を、彼は邪魔だと言わんばかりに制止する。


龍ノ宝物庫(トレジャーワールド)


 彼は木の棒を取り出し、空間に空いた穴に突き刺す。

 再び取り出すと木の棒は石の大剣となって現れた。


発動(アクティベイト)殲滅(せんめつ)ノ散弾」


 その言葉から呼応するかのように大量の光の矢が大剣から飛びだす。

 それはB(ブッティ)・オーガロードの肉体を貫き風穴を開ける。


「すごい、私の流星群(メテオストーム)よりも」


発動(アクティベイト)・消滅ノ一閃(いっせん)


 その斬撃で全てのB(ブッティ)・オーガロードが消滅した。


「これはお強いですね、少しあなたを研究させていただきましょう」


「ミスティア、獣化(バルチネス)20%」

「かしこまりました」


 ミスティアの体が光ると耳と尻尾が生えた。

「どうです、可愛いでしょう?」


「ああ、そうだな」

 黒の戦士も同意してる。

 戦闘中にこの二人頭がおかしい。


 ミスティアが黒の戦士に迫る。

 彼はミスティアの攻撃を危なげなく(かわ)す。


「20%ダメなようですね、では獣化バルチネス80%」

「かしこまりました」

 ミスティアの筋肉が太り、手や足が肥大化し鍵爪が現れる。

 そして眼光鋭く黒の戦士を睨む。


 姿勢を低くして、まるで獣のように唸るミスティア。

 その刹那、ミスティアは黒の戦士に飛びかかる。

 速い、だけどそれでも黒の戦士には届かない。


 黒の戦士はまだ余力を残している。

 正直底がしれない。


獣化バルチネス100%」

「がじごまりまじだ」


 ミスティアの体がバキバキ音を立てて肥大化していく。


 それは、もうミスティアと呼べるものではなく完全なる獣だった。


「ここからが本番ですよ神意(カムイ) 絶対解析(ブループリント)、リンク叡智ノ図書館(アカシックレコード)さあ、あなたの戦い見せてもらいましょう」


 ミスティアが咆哮する。

 凄い圧だ、体が痺れる。


 獣が黒の戦士に襲いかかる。

 それでも彼は避けるだけだ。


 理由は分かっている。

 けど、今は戦って欲しい。


 その思いが通じたのか彼が動いた。

 石の大剣でミスティアの爪を弾くと光の矢で四肢を撃ち抜いた。


「ぎゃわああ――!」


 ミスティアが獣がだすような悲鳴をあげる。


「ふむ、エレメンタルがマナをそれを魔力として、ふむふむ」


 真奈美が一人でぶつぶつと言ってる。

 むしろイッテる。


「もう少し調べたいので私が、お相手いたしましょう」


 彼女はパチンと一回指を叩くと服を着替えた、白色のまるで魔法少女か天使のような出で立ちで背中には羽までついている。


 五芒星の形に指を五回鳴らす5つの魔方陣が五芒星の軌跡を描く


五属性ノ螺旋(トルネード)


 五属性の魔法が黒の戦士を襲う。


「それぞれの相剋(そうこく)の反発力と相剋(そうこく)で失った力を相生(そうじょう)で回復する、無限に力を増す永久増幅魔法よ1cmでも進めば鉄をも溶かす、この魔法を喰らって死になさい」


 自慢したいんだろう、丁寧に解説いてくれた。


 黒い戦士は大剣を横に構えた。

発動(アクティベイト)・失ウ者無シ」


 大剣から光が放たれ、私たちを包み込む。


 五属性ノ螺旋(トルネード)が私達を襲う、回りが見えない。エネルギーの渦、全てを飲み込む力、こんなの今の私じゃ勝てない。


 魔法の衝撃がやむと、誰一人として失わず怪我すらなかった。


 両親やメルウスも守ってくれた、あとミリアスも。

 彼の石の大剣はかなりの部分が減っておりすでに大剣と言うよりも長剣サイズにまでなっている。


 石は彼が文言を唱えると消失した。

 私はそれを知っている。

 だけど、今は耐えよう。

 今、彼の名を叫んでは、ただの足手まといだ。


「ふう、少しショックですね、今のは私の最大の魔法の一つだったのですが、無傷ですか、そうですか」


 ショックだと言うわりには満面の笑みを浮かべている。


「欲しい、データーも得たことだし一度引くことにしますね」


「逃がさんよ龍爪ノ牢獄(プリズン)


 地面から三角すいの岩が持ち上がり中央に集中して私たちを4人を閉じ込めた。


 真奈美は指をならし首をかしげる。


「これは、転移できませんね」


「逃がさないと言った」


「なるほど、この中では私の魔術が使えないようですね」



「なぜマイラをねらった」


「質問ですか、まあいいでしょうお答えしますよ、神聖体を返していただきたいのですよ」


 返せ? 何を言ってるの。


「返すもなにも、この体は私のものよ」


「その体はアディリアス様の体の一部からできているのです」


 真奈美は苦虫を噛み潰したような顔をしながら話を続ける。

 神話はほとんどが嘘で塗り固められていている。

 今、神と名乗るシンヤは神ではない。

 この世界のシステムをアディリアスから譲り受けただけの魔族だと言うこと。

 狂ってしまった4人はアディリアスが愛情をかけ、治してくれて使徒になった。


と言うことを、肩を怒らせながら真奈美は言い放つ


「私たち11人は皆、アディリアス様を愛していたのです」


 そう言うと泣き出した。

 嗚咽を漏らしながらしゃべる彼女は狂信者そのものだった。


「じゃあ、なんで神国はあなた達使徒を追うの」

「嫉妬ですよ、私達4人は特に愛されただから妬んだんでしょうね、自分達はアディリアスの体の一部である六大力の神剣(エレメンタルデバイス)を授かったと言うのに」


「まあ、最大の裏切り者はシンヤですけどね、あの糞男女」


「ねえ、そうでしょ?勇者の剣(ブレイブソード)いいえ、シンヤの片割れさん」


「なっ、どう言うことよケンケン」


「そんなことより残りの使徒はどこにいる」


 この話に彼はあまり興味がないようだ。


「二人はあなたの手の届かない場所、あと一人はあなたじゃないんですか?」


 真奈美が黒の戦士を指差してニヤリとする。


「俺が使徒だと言うのか」


「ええ、解析の結果あなたの能力は神意(カムイ)でした、神意(カムイ)は使徒である(あかし)私達4人以外に持つ者はいません、そしてあなたの中に春日井 (しず)の存在も確認できました」


「そうか」


(しず)、私と一緒に来なさい、あなたの記憶を取り戻しますから、肉体も神聖体の体を使って女性に戻してあげます」


「神聖体?」


「今のあなたに言ってもわからないと思いますが、マイラさんの神聖体をクローン技術で複製します、アディリアス様と一つになれるのですよ」


 その時、黒の戦士からアラームのような音が鳴った。


「すまんな時間切れだ」


発動(アクティベイト)・消滅ノ一閃」

 その一撃で決まったと思った瞬間ミスティアが真奈美の前に立つ。


 黒の戦士の一撃はミスティアを()れたが真奈美の半身は吹き飛ばし龍爪の牢獄(プリズン)をも壊した。


「やった」

 私は喜びの声をあげた。

 真奈美は支えを失うように後ろに倒れた。

 

「まだだ!」

 油断した、私は真奈美の魔法で腹部を射抜かれた。


 血が壊れた蛇口から噴き出す水のように噴出している。

 真奈美は、失ったはずの半身を回復させ仁王立ちしていた。


 あんなに速い超回復ができるなら、神聖体などいらないだろうに。

 私の体も自己修復で回復が始まっているが、回復が遅い。

 だけど、今なら真奈美も油断しているはずだ。

 残りのMPで撃てるのは流星(シューティングスター)位だけど、一矢報いてやる。


「マイラさん、攻撃はやめた方がいいですよ? 今のあなたでは私に勝てませんから」


 見ぬかれっていた。


「やって見なければ分からないじゃない


「分かりますよ 、私はまだ本気だしてませんから」


 真奈美は10回指をならす、彼女の回りに10個の魔方陣が出現する。

神の慈悲は破滅の焱(メギドフレイム)


 真奈美の周辺に淡い光が立ち上ると、全てが灰となって崩れ落ちる。


発動(アクティベイト)・失ウ者無シ」


 それは、真奈美以外を包み込み私たちを破滅の光から守った、ミスティアをも……。


 炎が消えると辺りは灰塵(かいじん)と帰し、白い広野が広がっていた。


 こんなの勝てるわけがない。



「ふふふ、あなたの能力は解析させていただきました、精霊龍ですか面白いものを飼ってますね」


「次回はこうはいきません、あなたとマイラさんは私がいただきますからね」


「なっ、逃がすと思ってるの」

「いきがるな小娘!」


 私は、真奈美の怒声に威圧され動けなくなった。


「くっ」


「ミスティア、いつまで寝ているのです」

 ミスティアは()いつくばって真奈美の側にいく。

「では、ごきげんよう」


 そう言葉を残し真奈美とミスティアは消えた。


「こちらも撤退するぞ、龍脈の転移門(レイラインゲート)


 その魔法は私達の足元に闇の入り口を作りみんなを吸い込んでいった。


 視野が開けるとそこは平原だった、少し肌寒い。

 回りを見ると両親やミリアスまでいる。


発動(アクティベイト)甦生(そせい)躍動(やくどう)


 剣から光が放たれ、三人を包む。

 三人が呻き声をあげる、生きてる。

 私は両親に駆け寄り二人をを抱き締めて泣いた。


「ありがとう、ガリウス様!」


「俺はガリウスと言う名ではありません、黒の戦士です」


「はい、わかりましたガリウス様!」

 黒の戦士は鎧越しに頭をかく。


「分かりました、そのガリウスと言う人間だとしましょう」


「はい、ガリウス様!」


「マイラさんにお願いがあるのです、ミリアス王子を守ってください」


「え、なぜです?」


「理由は今は言えない」


「分かりました、あなたのお願いなら断る理由はありません」


「……ありがとうございます」


「私はガリウスではありません、ただ、あなたが魔王を倒すようなことがあればガリウスに会えると思います」


「ガリウス様、私はあなたの事が――」


 ブーッ


 黒の戦士からブザー音が聞こえたその時、彼の体から血煙が舞う。


「ガリウス様!」


「どうか王子と魔王の件お願いします」


龍脈の転移門(レイラインゲート)

 よろめき倒れそうになる体を(こら)えながら彼は渦に吸い込まれた。


「ガリウス様! 待ってくだざい! ガリウス様!!」


 だけど、その言葉が彼に届く事はなかった。



◆◇◆◇◆◇


 ここは、とある村の家の一室。

 その部屋のベットにまぐわう二つの影。


「婿どのよ、精霊龍の絆(ドラゴンドライブ)は20分までと約束しただろ」


「うぐ、ごめんメルティナ」


「ごめんじゃないだろ、婿どのが死んだらワシはどうしたら良いんだ」


「……」


「まあいいわい、その分こうやって婿どのの体を楽しめるのだからな」


 そう言うと彼女はその男にくちずけをする。


「魔力補給がうまくいかんな、やはり精霊龍の絆(ドラゴンドライブ)の過剰使用の影響かのう」


「ごめん」


「まあ、いつもは夜だけしか話せないのが、今日は一日中婿どのを自由にできるのだ、不満などあるまいよ」


 嬉しそうに言う彼女は、その男に(から)み付き何度も何度もキスをするのであった。




魔力補給ですよ?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
インフィニティ・プリズン~双星の牢獄~ シリーズ
『おさじょ』に出てくるアディリアスとウルティアの二人の神たちの物語 『聖剣のネクロマンサー』
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ