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ちょっとこの作品で全編書き直したいことができた今日この頃
具体的には活動報告にて記載してます。ご意見がありましたら是非お願いします
さて、もし無人島にいてにいて一つだけ好きなものをもっていけると効かれたら何を答える?
そこまででもないが自分は仮とはいえ隣町に行けると聞いたとき、大体上のような言葉を聞いたときの気持ちになった。
まぁなぜならこの開拓村、金を稼いだとしてもほとんど使いどころがないからだ。
基本この村にあるのは農家ばかりでまともな品揃えが期待できる店なんてものはない。
時々来る行商だって基本不定期で自分がまともに金を稼げるようになって以降はなぜか一度も出会ってない上、売っているのもの基本生活必需品の類の身で本とかそういうのはまず売ってない。
だからこそ隣町に行けると聞いたときは、是非本屋に行きたいと思っていた。
具体的に【死霊術】や性転換、もしくは別世界について書いてる本なんかを今自分は欲していた。
隣町がどんな所かは知らないが、おそらくこの開拓村より田舎ということはないだろう。
だから、最低限魔法について書いてある本をその行先である町にある事を期待してその依頼を受けたのであった。
「……なぁ、ここがその件の村?」
「ああ、そうだね」
「なんというか、簡素な家が多いね」
「ああ、基本ここに住んでいるのは鉱夫ばかりだからな。
家にこだわる人はそこまでいないんだろ」
「……まぁ、そんなことはどうでもいいや。
それよりもさ、ちょっと自分は諸事情で本屋さんに行きたいんだけどどこにあるか知ってる?」
「そんなものがこの村にあるとでも?」
「……ま、まぁ、いいや。
それじゃぁ、服屋!自分さ、着ているのがお下がりの服ばかりのせいでスカートとかそういうしか持ってないんだけど安く服が買える店知らない?」
「なんで炭鉱村に来てまで服を買うんだ?
ここで服を買うくらいならまだあの町にいたころに勝った方が安くていい服を買えるぞ。
第一、この村に子供なんて数えるほどしかいねぇから服屋に言ってもまずストックなんておいてくれてねぇと思うしな。
しかも今この町はなぜの風土病が流行ってるから閉店中だから2重の意味でおすすめできない」
「……ちくしょおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!」
まさか、開拓村よりさらに田舎の町にお使いさせられるとは思ってなかったぞてめぇぇぇぇぇ!!!!!!!
しかも、丁度買いたいものがほとんど何もないという2重苦!!
思わず、元いた開拓村の方向を向きながらユリオへの罵声を大声で叫んだのであった。
「はっはっは!それは嬢ちゃんも災難だったなぁ!
石材と魔法の石しかないうちの町に寄りにもよってこんな時期に来ちまうなんてな!
でもま、そんな可哀想な嬢ちゃんに、俺からできることはその商品をかってやるぐらいだ!
というわけで、とりあえず俺にも1本飴作ってくれや、特別に高値で買ってやるから」
「ん、毎度。
ありがとう、おっちゃん」
まぁそんな小さな炭鉱村だから、当然観光や買い物なんてできるわけもなく。
さらに言えばここに来た方法がこの小集落行きの馬車に相乗りだから、目的の人にお手紙渡したら即帰宅というわけでも行かず、こうして時間つぶしもかけて簡単な商売の真似事なんてするはめになった。
このおっちゃんの皮膚が一部石化しているように見えるのはあれか、異世界特有の亜人的な何かなのだろうか?
「……まぁいっか。
ところで、形は何か希望はある?」
「とりあえず、うちの家にいる3歳の息子が最近病気にかかってなぁ……
なんかこう、体が良くなるような治癒祈願的なものはないか?」
全く、無茶をおっしゃってくれる。
それでもなんとなく形を決めると、鍋の中で煮えた飴を木串ひょいとすくう。
その熱々の飴につい先日覚えたばかりの【手袋】の魔法で保護した手で何回かこねて、艶出しする。
そうしてその艶のでた飴を木串にさし、その丸い飴に向かって手と鋏で形を整える
手で左右に伸ばしておおざっぱな形を、鋏を入れて細かい造形を。
食紅がないゆえに模様を使った細かい差別化はできないが、それでも今できる全力をそれに叩きこむ。
「ほい、とりあえずこんなもんでどう?」
≪シンプル飴細工 【一部状態異常抵抗上昇】【好感度及び幸運補正付与】≫
「おおお~~!!!これは鷲か!!
うんうん!うちの息子が大成と飛翔する未来を描いてるみたいでなかなかいいセンスじゃねぇか!!
この力強さが病なんてはねのけてくれそうなのもいいな!ありがとよ!!」
どうやら、お気に召してくれたらしい。
お客さんである顔の一部に石が付いた筋骨隆々の鉱夫は、ぐわしぐわしとこちらの頭を乱暴に撫でながら前言通り料金におまけしてくれた。
そう、自分が始めたのはお菓子屋さん……いや、飴屋さんだ。
自分がここにきていろいろ退屈に思うようにここの町の人も娯楽に飢えているようだ。
自分のような、スキルだより職人歴1日のなんちゃって飴職人でも物珍しさから飛ぶように売れるのはそういう事なのだろう。
「お!それじゃぁ次はオーガだ!強そうなオーガを作ってくれ!!」
「おいおい、オーガごときで強いとか言って寂しくねぇのか?
オーガみたいな不細工で弱いのよりはドラゴンだろドラゴン!!
オパールドラゴン、オパールドラゴンこそ地上の覇者よ!」
「まったく!うちの男衆ったら脳みそまで筋肉でできてるんだから!
……最強はヴィーヴィルに決まってるだろう。
強さと美しさを兼ね備えているそれに、力だけの蜥蜴や蛮族がどうして勝てると思うんだい?」
「なら間を取って、ドラグニティゴブリンプリズナーオーガの飴を作ってもらったらいいんじゃないか?」
「「「「それだ!!!」」」」
でもせめて、こちらが知っている生物の造形をリクエストしてほしい。
とりあえず、自分のイメージと周りの人の助言を聞きながらなんとか一心不乱に飴を作り続けたのであった。
「ふぅ……まさか、各々の家から飴や木串を持参してまで飴細工を注文するとは。
みんな、娯楽や甘味の飢えすぎだろ」
さて、そんなこんなで時間はもう夕暮れ。
あの後、飴細工の評判が広まるに広まり鉱山帰りの鉱夫の帰宅ラッシュのせいでさらに延長戦に突入し、家に持ち帰るお土産として各々飴を頼まれまくり、日もすっかり暮れかけになってしまった。
「……うん、なんか適当な思い付きで始めた暇つぶしだったけど思ったより好評だった見たいなだ。
これなら明日も飴屋をやるべきかな?いや、ここはいっそ物語を話した後に飴を配る紙芝居屋さんスタイルでいくのもありだな」
そもそもことの発端は、相乗りさせてもらった馬車の積み荷が穀物と砂糖と飴であったこと。
そうして、それらがちょっとしたハプニングで飴や砂糖を入れている容器が一部破損し、破棄せざる得なくなったこと。
捨てるくらいならばとその飴の一部をもらえることになったこと。
それらを使って何かできないかなという発想のもと生まれたのが【調理】スキルの限界確かめがてら飴細工であったことなどの複数の要因が偶然に重なった結果であった。
「ん~、今日泊まる場所はこの町の村長の家とかいいたけど……って、あ」
自分の進行方向の先に見えるのは1匹の犬。
もちろん今の自分は幼女の身の上、ステータスとレベルの恩恵か多少体力に自信があるといってもさすがに野犬1匹丸ママ相手は多分きつい。
その上、今は両手に鍋などの商売道具を持っているのみでまともな武器を持っていない。
もし戦闘なんかになればひどい目にあうことは目に見えているだろう。
「……って、やば。
あいつ……お化けじゃん」
さらにじっくり観察するとわかる。
なんと目の枚にいる犬は、体が透けている。
自分はこれと似たやつを見たことがある、具体的にはユリオの館で。
つまりこいつは【亡霊】、【犬の亡霊】であることが一目でわかった。
『わん!』
こちらがしげしげと見つめていたからだろう。
向こうもこちらが向こうをみえていることに気が付いたようだ。
そうして、その亡霊犬はこちらがまともに対応する前にあっという間にこちらに接近し……。
「って、うわ!こいつこっちに触れられるのかよ!!
ちょ、ま!引っ張るな!!わかった、わかった、ついてくから!!」
その亡霊犬はこちらの袖に噛みつくと、どこかに連れていきたいのかぐいぐいと引っ張ってきた。
勿論子供の身でそれに抵抗できるわけもなく、まともの抵抗もできないままずるずると村のはずれまで連れていかれる。
もしかしてこれってヤバいのでは?
そう思った時、ふと耳を澄ませると人の声が聞こえる。
「うぅ……もうだめ……死ぬ……」
そうして声の方へと向かうとそこに倒れる一人の女性。
今の自分よりは年上な見た見た目ではあるがそれでも元の世界なら全然子供といわれそうな子がそこには倒れいていた。
『わん!!わん!!わんわん!!!』
≪サブクエスト・魔女と呪いと忠犬とを受注しました メインクエストを更新しました≫
≪彼と友達になれるべく頑張ってください≫
どうやらまた自分は厄介ごとに巻き込まれたらしい。
自分をここまで連れてきた半透明の犬と倒れている少女を見ながら、また自分は厄介ごとに巻き込まれたのだなぁと察した。
……今度の依頼人は犬っすか。
これ、亡霊なら人獣差別しないんっすね。
現在のステータス
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NAME:アキラ
Lv:3
ROLE:ネクロマンサー
HP:10/10
MP:2/4
STR:2
TOU:2
MAG:6
MIN:3
AGI:6
SKLL:【死霊術 Lv1】
【流浪人の加護】
【調理 Lv1】
SIGN:≪スケルトン≫ MP-4
QUEST:≪メインクエスト:友だち100人できるかな?≫
≪サブクエスト・魔女と呪いと忠犬と≫
ADVICE:もちろん、意思疎通さえできれば人でもそうでなくてもお友達になれますよ
ですよね?
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