音無の棺
沈んでゆく
音のない声
喉に塞き止めた想い
鼓動に紛れた欲望
私の底へ
出口を失い閉じ込められた
熱に浮かされるように
速まる脈が急き立てる
どれだけの衝動を
気付かれる前に殺して
壊れる前に冷まして
散る前に固めて
忘れればいいのだろう
固く閉じた言葉が
空気に当てられ開かぬように
重石を付けて
声を奪われた澱が
私の指先に
私の爪先に
募り積もり
私を引きずっていく
底なしの水の中で
泡は水面を前に解けて
呼吸すらもなくしたまま
ずっと
沈んでゆく