正月
ユキトが
『正月の初詣、いかない?』
と聞いてきた。
私はソッコーで返信した。
『行く行く行く行く!』
ユキトは、
『じゃあ大晦日の晩にメールするから、晩から一緒にいこうぜ!』
と。
私は
『ふみも一緒に行くね』
と返したが、返事はなかった。
大晦日の晩、早めの時間にユキトにメールする私。
『今日何時ごろ行く?
』
返信なし。
時間は8時。
念のためふみの家で待機する私たち。
ところが、九時になってもメールがこない。
ふ『電話してみたら?』
私『番号知らない…。』
ふ『ちょwお前w』
そんなこんなで11時を過ぎ、念のためユキトの地元をうろつく私たち。
ふ『メールこないね…。』
私『うん…。』
とうとう12時を回った。
あけましておめでとうとふみはいいながら、
ふ『今日のこと忘れちゃってるのかな…。』
と言った。
私はうん、そうだね、としか答えられなかった。
そのままどんよりした気持ちで初日の出を見て、私たちは帰路についた。
♪明日今日より素直にな〜れる〜♪
メールが来たのは結局昼過ぎだった。
『あけましておめでとー』
私『なんで昨日はメールくれなかったの?私たち、ずっと待ってたんだよ?』
…。
シカト。
しばらくして、
♪明日今日より素直にな〜れる〜♪
『今から友達つれてこいよ』
さすがにふみを連れ出すのは酷だったので、
『私一人じゃだめ?』
と返す。
ソッコーで
『一人は無理』
『なんで?』
『わがまま言うなら今度から遊んでやんない』
ええーっ!と思ったが、遊んでもらえないのは嫌だったため、起き抜けのふみを誘って移動を開始した。
ふみは明らかに怒っている。
なんとかなだめながら、カラオケyouに着いた。
メールすると、
『今日は違う場所でカラオケ』
とのことで移動開始…。
と、道がわからないことが判明!
『道がわからないよー』
とメールすると、
…非通知…。
電話、きたー!!
でもなんで非通知…。と思いながら出る。
道を教えてもらいながら、
私『なんで非通知なん?』
ユ『別に…。』
私『教えて悪用されるのがいやなんだ?』
ユ『そんなこと言ってない』
私『じゃあなんで?なんで?どうして?』
ユ『嫌なら切るぞ』
結局教えてもらえず、カラオケに到着。
なぜか逆らえない私…。
まさか、ユキトは…。
ふみが重い口を開いた。
ふ『まさか、ユキトってどS…?』
私『それじゃ逆らえない私ってどMなん…?』
ふ『そういうことになるね』
どSと感じたのは何かはっきりした根拠はなかったのだが、二人が同じ感想を持っている時点で確信していた。
無事カラオケ到着。
ユキトたちに合流!
もう結構呑んでいるらしく、べろべろの男二人。
どこに座ろうかとキョロキョロしていると、ユキトが隣の席をバンバン叩いて
『まゆりは俺の隣がいいもんな!』
と。
必然的に、ふみはマルオの隣になった。
私は、まず、大晦日のドタキャンについて問い詰めた。
ユ『忘れてただけだろ、気にすんな!』
気にすんなってあんたが言える立場じゃねーだろ!と激しく突っ込みたいのを我慢して、
『ふみと私はずっと待ってたんだよ!』
とふくれてみせた。
途端に態度が悪くなるユキト。
マルオは何もなかったかのように歌い続ける。
ふみはこちらの異変に気がついたらしく、
『せっかくだから、たくさん歌おうよ!』
と言ってくれた。
徐々に機嫌が回復してきたユキトがGReeeeNを歌う。
あ、この曲好きなんだよね…。
ユキトは前と変わらぬオンステージ。
汗をふくハンカチを用意する私。
歌い終えたユキトは、
『今の曲はお前に捧げる!』
と言った。
完全なラブソングを、まともに受けとっていいのか迷っていると、酔っぱらいユキトは腰に手を回してきた。
そんなところすら、きゅん…。である。
ふと、年齢の話になった。
マ『ふみちゃんとまゆりちゃんって同じ年なの?』
ふ『うんうん、小学校からの同級生』
マ『ちなみにいくつなの?』
ふ・ま『女性に年齢を聞くのはタブーでーす』
マ『あ、そうか、そうだよね』ま『というのは冗談で、二人とも25才だよ』
ユ『そうなんだ、俺らの一個下じゃん』
ユキト様の年齢を知ってしまったー!!
嬉しすぎてその場でダンスするところだった。その日はカラオケで終わり。
帰ろうとする私に、ユキトが
ユ『ホントに帰っちゃうよ?』
ま『うん?帰るよ?』
ユ『俺帰っちゃうよ?』
ま『うん、だから帰るってば』
そうして私たちは家路についたのだった。