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【転生王一周年記念】ゆるゆるの休日

 窓の外から差し込む光が眩しい。目を開けると、俺の隣には太陽の光に照らされ、穏やかな表情で眠るアリスがいた。


「ん……」


 もう朝だなんて早すぎる。とはいえ、日の高さから考えるともうお昼前だろうね。休日だとしても寝過ぎた。


 アリスを起こさないようにベッドから出て、寝室と繋がっている私室へ向かう。仕事でもしようかと思ったけど正直頭が回っていないし、休日に仕事をすると主人想いな少し口うるさい従者に叱られるのでやめておく。


「ルー」

「───はい。おはようございます、ナギサ様」

「おはよ……」

「今日は休日ですし、まだ眠いのなら寝室に戻っては?」

「うん、そのつもり。眠気は少ししかないけどね。でももうこんな時間だし、アリスが起きたらお腹空いたって言うと思うから……そうだね、二時間後くらいに食事を持ってきて」


 食事の準備をお願いするためだけに私室に来た。アリスを起こしたくないからね。気持ち良さそうに寝てるし、この後ベッドに戻ったらアリスの寝顔を眺めて楽しもうと思ってる。


「量はどうしますか?」

「あー……軽めにしておいて。フルーツと水くらいで良いかも。足りなかったらその時に言うよ」

「かしこまりました」

「それと、アリスが寝てるからこの辺りの窓だけ少し光を遮断しておくけど気にしないでね」

「はい。失礼致します」


 このままアリスが起きなければ二度寝しよう。俺はいつでもどこでも寝られるからねー。たまには一日中だらだら過ごすのも悪くないじゃん?

 どうせ休日は休まないと怒られるし、せっかく宮内にアリスがいるなら彼女から離れたくない。


 横髪の軽い寝癖を手で整えつつ寝室に戻ると、アリスの指先が何かを探すように動いていた。緩む口元を抑えてベッドに戻ると、案の定安心したように俺に抱きついてくる。


「んー……なぎ、さ……」

「……っん、ふふ。可愛いねぇ、アリス」


 アリスに抱きつかれたまま寝顔を眺めて約三十分。艶々でさらさらな、少し甘い香りのする彼女の髪を梳いていると、ようやく意識が浮上してきたのか彼女の長い睫毛がふるりと震え、その後ゆっくりと目が開いた。

 ぼんやりと目の焦点が合っていないアリスの額に口付け、微笑んで見せる。すると一瞬固まった後、急に真っ赤になって俺の胸に顔を埋めてきた。


「アリスー?」

「お、おはよう……?」

「うん、おはよ。良く眠れた?」

「うん……」

「アリス。ねぇ、アリスー? 何で顔を逸らすの」

「ナ、ナギサが……直視できない、表情でして……っ!」


 何でそんなに甘い顔をしているのっ、と小さく叫んだアリスは俺の胸にぐりぐりと額を押し付けてくる。こっちこそ聞きたいよ。何でそんなに可愛いの、って。朝から元気そうで何より。でも俺はまだこの子と離れたくないんだよねー。


「アリスは寝顔も可愛いね。知っていたけれど。……ね、二度寝しよ? まだ君と一緒にゆっくりしていたいな」


 満面の笑みで彼女を抱きしめたまま言うと、まだ少し赤面しているアリスは抗議するように、でも幸せそうな顔で目を閉じてくれた。俺とアリス、二人揃って完全なオフの日は珍しい。たまの休日くらい緩く過ごそうよ。俺はこうして愛する人と一緒にいる時が一番癒されるし、アリスもそうであってほしいね。

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