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俺は

ピピッ、ピピッ

お!ニュース速報だ。

「桐島聡捕まる。」

え?誰だっけ?桐島って?

「反日武装戦線のメンバーだ!」

死ぬ前に白状か。


私はがんだった。

それもステージ4、末期。

今はもちろん病院のベット上だ。

そこで考えた。

俺は、間違いなくまもなく死ぬ。

それも名もなき一市民として。

それでいいのか?

いやだ!

少しでもいいから世間に名を残したい。

そんなときだった、あのニュースを思い出したのは。

もうあのニュースから10年もたっていた。

もう誰も真似とは思わないだろう。

ナースコールを押した。


「成岡さん、どうしました?」

ナースが来た。

「実は私は成岡じゃない、

10年前の強盗指名手配犯

『新見実』

だ!」

ナースはあのときと同様にスマホで検索、

すぐに医者を呼んだ。

そして医者は警察を呼んだ。


「新見」担当刑事が来た。

じっくり話を聞いた。

そして何も言わずに帰って行った。

4日後、成岡はまだ生きていた。

ニュースでは、まだ成岡の事を報じていなかった。

またナースコールを押した。


「何ですか?成岡さん!」

成岡は、

「どこでもいい、報道機関を呼んでくれ!」

ナースは、

「来週退院ですから、そのあとご自宅でね。」


その後1年、

成岡には、

「死」

も、

「警察」

も。

訪れなかった。


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― 新着の感想 ―
最期を迎えた主人公の思惑は外れたんですね でも、一番の罰かもですよね
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