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黄金の夏~Golden Summer~  作者: 未来かも
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1 夏休みの自由研究

アメリカの夏は暑い。夏の太陽が日差しを強くし、外で目玉焼きが焼けそうな暑さの中、少女が学校から帰ってくる。年齢は14~15才くらいの小柄でアジア人の顔立ちでリュックはボロボロで今にでも、中にある自由研究のノートや教科書が出てきそうだ。家に入ると、少女の姉がソファーに座らせないよう占領しアイスを味わっていた。姉が少女の名前を呼ぶ。

「リンダ、おかえり。アイス買ったから食べな」

と苦笑いしながらクロエに言った。少女の名前はリンダ・ウィルソン、末っ子でアジア人の母とアメリカ人の父の間に生まれた。残念だが、リンダの母はリンダが物心つく前に離婚し音信不通なってしまった。父は会社経営で稼ぎも良く、最新型の家事ロボットを毎年、買い替えるくらい金持ちだ。家事ロボット?それはね、リンダたちがいる時代は2050年と言う未来なんだ。家庭では、テレビ・家事ロボット・料理レンジ・空飛ぶ車が持つのが主流になっているんだ。リンダは、アイスを取りにキッチンへ行く。家事ロボットが彼女に気づき、アイスを渡す。家事ロボットは言語学習をしており、話すことや手話、点字などで話すことができる。

「ありがとう、アイス取ってくれて。」

とリンダはお礼を言ったが、アイスは冷えてなく溶けてしまっていた。リンダは自分の部屋に行き、ラジオをつけた。未来でも当然のようにあり続けるラジオに感謝しながら、リュックから夏休みの課題を取り出す。

「こんなに便利になった時代に自由研究なんて、ネタがないわ。」と独り言をつぶやき、自由研究についての注意書きを読んだ。自由研究の注意書きはとても多かった。

「禁止なのは、タイムスリップ、空飛ぶ車からのバンジージャンプ、ロボットの改造、稲妻を使った電気の実験、など多数です。うーん、意外と限られているのね。」

とリンダはつぶやきながら、考えていた。リンダは科学が得意でもなく、成績が良いだけだった生徒だった。部屋のドアから、犬の足音が聞こえてくる。リンダのことが大好きな犬のマイケルだ、お散歩ロボによる散歩が終わり帰ってきたのだ。マイケルはゴールデンレトリバーで父が拾ってきてリンダが育てていった。リンダの足元で眠り始め、リンダも眠ってしまう。時計を見ると、夜の八時。父が帰ってくる時間だとリンダは起きて、リビングへ行きソファーに座る。姉はテレビを見て、笑っていた。この姉が父が二回目に離婚した妻クロエに似ている姉のバーバラ・ウィルソンだ、そばかすがクロエにそっくりなので父が間違えてクロエと呼ぶこともある。いや、日常茶飯事だ。

「今日、ダディーがステーキ買ってくるそうよ。あなたの分はあるかしらね?」

「絶対あるよ、バーバラの分がないのでは?」

と言い返した。バーバラは怒って、リンダに言った。

「あなた、バーバラっていうんじゃないよ。お姉さまと呼びなさい」

とマイケルが玄関へ向かう、リンダはついていき、父が帰ってくる。

「ただいま、マイケル、リンダ」

と父はマイケルを撫でて、キッチンへ行く。

「ロボット、ステーキの調理よろしくな」

と言い、ステーキ肉を置く。

「クロエ、いや、バーバラ夏休みどこに行きたい?」

「そりゃあ、LAよ。お母さんがいるし、彼氏がいるから」

とスマホを出して、彼氏と電話していた。すると、もう一人の姉が帰ってくる一回目に離婚した妻リサの娘ジェニファー・ウィルソンだ。

「今日、ステーキだから飛んで帰ってきたわ」

とジェニファーはワインを持っていた、リンダはテレビのニュースを見ていた。アナウンサーはまるで目の前にいるように見え、原稿を読んでいた。

「去年、起きたロスのタイムマシーン事件ですが、一向にタイムスリップした博士が帰ってこず。一年が経過しそうです、宇宙警察と時空警察が発表したのは、タイムスリップやタイムマシーンの製造は全面禁止に製造した者・関わった者はなどは、罰金を下されるそうです。」

とアナウンサーは言う。ジェニファーはワイングラスを片手に言う。

「まだ、見つかってないのね。そりゃあ、禁止なるわね」

「時空警察だけ、タイムマシーン使えるなんて酷いわ」

「バーバラ、人が歴史を変えないように時空警察だけが使えるようになっているだけなの。」

「じゃあ、おじいちゃんは?」

とバーバラは言うとみんな、沈黙に陥った。

「おじいちゃんは、弟子にタイムマシーンを盗まれたからね。で、遺産は全部、弟子の物になったし」

とジェニファーは言う。そう、ウィルソン家で唯一、科学で人生を挙げた男がいたジェイコブ・ウィルソン、リンダのおじいちゃんに当たる人だ。ジェイコブが開発したのは、ロケット型のタイムマシーンでガソリンを使ってタイムスリップした。だが、弟子に設計図や部品など盗まれて裁判を起こしたが結局、証拠がなく負けてジェイコブは借金を残したままこの世を去った。リンダはこの話を聞いた時、凄い、発明だ!と感じたが世間は弟子に味方したので、嘘なのではないかと疑っていた。

「借金は返済するのに、時間かかったけど。父さんはなにも言ってくれなかったなぁ」

と言い、家事ロボットがテーブルに焼いたステーキを皿にのせて、夕食の時間を伝えて食べ始めた。

「この肉やわらかい」とバーバラは言い、ナイフとフォークを使って食べていた。ジェニファーは父に言う。

「家の近くにあるアパートの向かい側に住んでいるジョンソンさん分かる?」

「あぁ、旦那さんならわかる。社員だし」

「奥さんが今、ヴィーガンになったのか分からないけど、毎食サラダなんだそうよ。」

「ヴィーガンではないだろ。酒の飲んでいるし、旦那さんなんて痩せてないさ。それにあの家には、三兄弟が住んでいるし栄養を与えるために野菜を食わせているじゃないか」

とジェニファーと父は話していた。リンダは黙って食べていた、ジョンソン家はあまり関わったことがないが、長男?次男?ならリンダは見たことある。

「娘達よ、夏休みは何をしたい?」

と父が夏休みの話を持ち掛けた。

「LAに行きたいわ。」

「夏休みは、仕事が忙しい。」

とジェニファーとバーバラは言った。

「リンダは?」

「私、課題があるの。自由研究」

と言ったジェニファーとバーバラは笑い始めた。

「じゃあ私、来週休み取るから。LAに三人で行く?」

とジェニファーは言いはじめ、父は言う。

「リンダは?」

「リンダは勉強に集中させたいし、飛行機代とか節約したいでしょ?それに、居てもさなにもできないもん。リンダは」

とバーバラはリンダを見つめる。

リンダは黙って外へ出る、マイケルと一緒に夜道を歩く。

すると、一軒家を見つけたジェイコブの家だ。家は父が管理をしていたため、中に入った。古い写真ばかり飾っていて昔の家電や時計ばかりあった。書類が散らばっている、リンダは書類を見えいた。

「1950年、博士がタイムスリップについて論文をだした。時は過ぎていたが、博士は若返りの整形と延命治療で100歳を超えていたが私は弟子入りした。 by ジェイコブ」

と日記ようなものの紙切れを読んでいると、鍵が落ちてきた。

リンダは拾って、机の下の壁に鍵穴を見つけて鍵を指して開ける。キィーと言う嫌な音と共に何かの設計図があり、手に取った。すると、父がリンダを見つけて言う。

「リンダ、何してる。心配したぞ、帰るぞ」

と言い、リンダは家に帰った。

みんなが寝静まった後、起きて設計図を開く。

「なんだろ。タイムマシーンカー?そんなのあるっけ?」

と裏を見ると遺言のように言葉が書かれていた、リンダは読み上げる。

「どうか、お願いします。これが、子孫、息子でもいいので見つけてください。これが、本来私が作りたかったタイムマシーンです。作ってください。」

と書かれていた。リンダは頭に電気でも通ったかのように、思いついた「これを自由研究にすればいいのだ」とノートに設計図を描いた。


朝いつものように、スケボーに乗りあのボロ家に行く。日課と言うより僕の趣味だ。住んでいる人や所有者は分からないけど、古い写真と分からないけど興味深い論文が机上に山になっている。なんだか、ロマンがあって好きで通ってる。僕はジョンソン家の末っ子ジェームズ・ジョンソンで将来、バンドに入ってベースをやりたい高校生として毎日、エレキギターを練習しています。もちろん、彼女持ちで高一から付き合って長い付き合いです。今日は、僕にとって人生が決まるかもしれない日と思って胸をドキドキさせて高校へ行きます。中学生は夏休み?なんてずるいって言うけど、この町の高校はおかしいんです。高校は夏休みがなく、Cave Festivalっていうフェスティバルの準備にすべての夏休みを捧げなければいけません。ですが、今年からバンドで曲を演奏するという発表ができるのでうれしいのですが。オーディションがあり、それが今日なのです。合格できるように!と思って、ボロ家に神頼みしに来ました。時計を見ると、9時になっていてオーディションの10分前だと気づいて焦ってスケボーに乗り学校の音楽室へ走っていきます。ちょっとエレキギターの練習をし、名前が呼ばれて前へ出る。手は汗びっしょり、エレキギターを弾き始める。歌っていたら、審査する先生が止めた。「君、ジョンソン君。不合格だ!」と大声で言われた。ジェームズは言った。

「どうしてですか?いつも、練習している姿見ていたでしょう!」

「遅刻魔だから、不合格なんだ。君は!」

「遅刻魔、日頃の生活は関係ないでしょ?」

とジェームズは先生の胸ぐらを掴もうとし、教育ロボットに捕まれて音楽室から追い出された。

「クソ!」と言い帰ろうとすると、彼女のビリーが現れた。

「大丈夫、ジェームズ?」と言いビリーはジェームズに抱きついた。

「演劇の仕事大丈夫なの?ビリーお嬢ちゃん」

「ええ、あ、そうだ!役者の方で一人足りないの手伝ってくれるかしら?」

「役者、演技下手だぞ。」

「いいから!」と言い腕を掴まれて体育館へ連行されるジェームズ。稽古中だったが、役が銃で撃たれて亡くなるカウボーイ役だったので台詞は少なく、倒れる練習しかやってなかった。昼になり、解散しスケボーであのボロ家に行く。なんだか、ボロ家の中は犬の匂いがするなと思い中へ入ると一人少女がいた。

「うわぁ!びっくりした!」と言い手に持っていたスケボーを落とした。

「泥棒?あなた誰?」

「あー、通りすがり者です」と言いボロ家から逃げようとするジェームズ。

「ジョンソン家の息子さんよね?」

「あぁ、はい末っ子です。」

「私、ウィルソンの娘なんだけど。なぜ、ここへ入ったの?」

「ウィルソンって経営者の娘か?」

と言いポケットからドルを取り出し、少女、いや、リンダに渡そうとする。

「賄賂?無駄よ、パパに言ったらすぐ。クビされるかもね」と手で首を切り落とすジェスチャーをしているリンダ。

「じゃあ、10ドルやるから。待っててここで」

「待たないよ。不法侵入で警察に電話してやるから」

「ワァーオ、じゃあ何をすれば?」

とジェームズは言い、リンダは考えた。「この人に自由研究手伝わせるのアリかも・・・」と思いリンダは話す。

「あまり、言わないで欲しいんだけど。今度、自由研究でタイムマシーンを作ろうと思っているの手を貸してくれる?いや、手伝ってくれる?」

「タイムマシーン?時空警察に逮捕される気かよ...」

「嫌なら、電話しますけど?」

「分かった、どうしてタイムマシーンに?」

と言いジェームズをソファーに座らせる、マイケルはジェームズの近くでお座りしている。リンダは、設計図を見せる。

「設計図よ、車の免許は持ってる?」

「持ってる、空飛ぶ車じゃないんだな」

「そう、おじいちゃんが残した最後のタイムマシーンの設計図よ。」

とリンダはジェームズの隣に座る。

「まず、車を手に入れたいんだけど。どうすればいいのか考えたの」

「未成年でどうやって手に入れるんだい?」

「中古車で安い車を購入しようと思ってる」

「金は?」

「経営者のウィルソンの娘よ、お金くらい貰えるわ。」

と言い、設計図を閉じる。リンダは立っていった。

「今日はこれで、明日購入するから。朝の10時集合ね。」

「あぁ、分かった。」と言い、リンダは帰って行く。ジェームズは時計を見て、家の門限を過ぎていることに気づき急いで帰っていった。




果たしてリンダは車を買えるだろうか・・・

 次回「2 電気中古車 ジュール号」

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