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5話:魔王、初の死の淵!?前編

その日、千歳はとある場所に来ていた。

その場所とは混沌の魔城から南に数百キロ離れた山の頂上にある施設だ。その施設には様々な秘技や奥義の類が眠っており、その中には回復効果を高める奥義などの初心者にも優しいものや「古龍復活のルーン」や「魔神再来の儀式」などおぞましいものまで様々なものが眠っている。

なぜこんな場所に来たのか、それはまさしく「神官の試練」と呼ばれる試練をこなすためだ。「神官の試練」とは、4つの試練をこなし、それを達成したものは「ゴッド・フレイム」という魔法を使えるようになる、というものだ。たった一つの魔法なのだが、これがまた強力なのだ。どれくらいかというと一撃で町一つを燃やし尽くすほどだ。それが手に入ればもう怖いものなどない。

この日エミルは魔城で留守番、危ないからだ。

「久しぶりに来たなぁ。ここ。昔はよく来てたな。装備のレベル上げに来たよなぁ。さ、それじゃあ早速起動しますかね。《我の名において命ず・神官ラザールよ・我をさらなる高みへ誘い給え》」

すると光で構成された扉が出現する。そこから現れたのは、神官ラザール。トゥジュール・オンラインにおける三大神官のうち最も高位階の神官だ。

「我を呼び覚ますのは貴様か。何用だ。」

「神官の試練が受けたい。」

「命知らずが、死んでも知らぬぞ。」

「あぁ、死んだらそこまでってことだ。頼む。」

「承知した。それでは試練を始める。」

ふっとラザールの姿が消え、その代わりにダイナマイトウルフが3体現れる。

「ダイナマイトウルフか。楽勝だ。」

「「「グルルルル」」」

そう喉を鳴らすダイナマイトウルフを尻目に矢継ぎ早に呪文を唱える。

「《エレクトリック・バースト》!!!」

ダイナマイトウルフの炎玉が放たれるよりも早く呪文が完成し、3発の凝縮された電撃エネルギーが放たれる。それは見事にダイナマイトウルフに命中し、瞬時に絶命。そして死体が消えると同時に次の相手が出てくる。その相手とは・・・ウィンドリザードが5体だ。

「ウィンドリザードか、少し厄介だなぁ、でもあれ使うわけにはいかないか。」

そう、以前ダンジョンで遭遇した時には《ワイド・フレイム》で倒しているが、今回は試練だ。楽はしないようにしたい。

そんなことを考えているうちに《バースト・ウィンド》がいくつも飛んでくる。しかしダメージを喰らうことはない。装備とはすごいものだ。

「こうなったら、《ハイ・スピード》と《極・抜刀》で行くか。」

それを起動し、一瞬にして距離を潰し、2体を切り捨てる。瞬時に方向転換しさらに1体を切る。

「この組み合わせ、意外といけるかも?」

そして残りの2体も切り捨て、第二の試練は終わった。そして第三の試練なのだが、相手がとんでもないものだったのだ。その相手とは・・・・エンシェントドラゴンだ。

エンシェントドラゴンとはかつて千歳が倒した龍族の魔物で、世界の最果てに存在していたドラゴンだ。

「おいおい、まじかよ。エンシェントドラゴンかぁ、厳しいな。レベル的には勝てる。だけどあいつは・・・」

その次の瞬間、ドラゴンブレスが飛んでくる。思考を巡らせていた千歳はそれを躱せず被弾する。

「ぐあぁぁぁぁぁ!」(まずい、油断した!だったら・・・!)

千歳は何かを思いついた様子で《極・抜刀》を起動する。

「はぁぁぁぁぁ!!おらぁ!」

そう叫びながら突っ込んでいく。そして斬撃を飛ばす、だが、それがエンシェントドラゴンを捉えることはなかった。それにカウンターを合わせるかのようにドラゴンクロウによる閃光のような斬撃が走る。

「ちぃ!本当に厄介だな!」

それを転がりながら紙一重で躱す。

エンシェントドラゴンと戦う上で厄介なことは2つ。1つ目は高い知能を持っているため、カウンターなどを狙ってくること。そして2つ目はエンシェントドラゴンの能力として魔法・物理の反射を貫通してくることだ。それもあって攻撃は全て避けなければならない。なぜなら、いくら装備が強くとも喰らえばただでは済まないからだ。

「俺はお前に勝たないといけないんだ!悪いが本気で行かせてもらう。」

そう言って懐から取り出したのは《ドラゴン・キラー》のルーンが刻まれたロングナイフだ。その武器の名は「滅殺剣・烈火」。以前にファイアドラゴンの角で作り出したものだ。

それは禍々しい光を宿し、鞘から抜ける。そしてそれを正眼に構える千歳。千歳とエンシェントドラゴンの戦いは、ここからさらに苛烈を極めるのだった・・・



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