序章 月面都市最終決戦
25世紀、人類は地球側の地球統一連合と宇宙側の新人史同盟とに分かれ、戦っていた。
ガント・ローレッドは新人史同盟に所属する古参兵であり、人型機動兵器マグナクルスの中でも特に旧型の量産機であるフォルトBに乗って十年以上を生き残っていた。
だが新人史同盟は追い詰められ、本拠地である月面都市での最終決戦が始まる。
出撃前、ガントは戦友から戦う理由を問われ、仲間の仇討ちだと答える。
ガントが所属していた部隊は、今や彼と戦友だけになっていた。
だが戦友はさらに「その前は何のために戦ってたんだ?」と尋ねてきて、ガントは咄嗟に答えられなかった。ほどなく出撃命令が下り、ガントと戦友は前線に出ていく。
だが戦場には敵の最強戦力『白翼の騎士』ガンレイヴが待ち受けていた。
宇宙に適応した『新人種』が乗ると噂されるこの機体に戦友が撃墜されて、ガントは逆上して突撃しようとする。だがその瞬間、視界全てが真っ白い光に満たされた。
新人史同盟が月面都市を囮にして使用した最終兵器の光だった。
囮にされたガントは「本当に何のために戦ってたんだか」と呟きながら、フォルトBと共に光の中に消えていった。