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終
このお話はこれで終わりです。
梓さんと壱加さんはそのまま教会へ入り修道女になられました。それ以降の足取りは存じません。
朔之助は、一命は取り留めたものの流行り病ですぐに亡くなってしまいました。
私は彼の店を継ぎつつ文筆を。そう、私が浦部征一です。あまり有名な作家ではありませんから、君は知らなくて当然でしょう。
どうですか、書いていただけますか。……そうですか。ありがとう。朔之助も喜ぶことでしょう。
え? 朔之助になにか言えるとしたなら?
君も難しいことを尋ねますね。
……やはり言えるとしたら、『君を愛したのは君が男だからではない』ということでしょうか。誰しも愛という感情を持ち得るものですが、独りよがりなものです。彼は最期まで自信がなかったものですが、相手を思いやり、愛していると自分が感じていればそれは即ち愛です。清浄も汚濁もない。愛は愛です。その対象がどんな人であれ、他人にとやかく言われる筋合いはどこにもないのです。
おっと、長話になりましたね。今度こそこのお話は終わりです。最後まで聞いてくださってありがとう。また来てくれたなら、今度は違う話でも致しましょうよ。それでは、また。




