出逢い
初投稿です。拙いですが大目に見てください。
「俺はもう野球はしない。」
中学最後の大会を終えた俺は、悔しさのあまり呟いた。
かつて神童と呼ばれた俺が、全国と言う大舞台で11点差で大敗したからだ。自分の才能に胡座をかいていたのである。
それから高校に入学した。県外の強豪校からも誘いがあったが断った。俺は普通の公立高校の新潟女池高校に進学した。所謂文武両道を掲げる進学校である。
クラスを確認する。
「4組か・・・」
「4組ー!」
隣で聞いたことある声が聞こえた。
「君たしか・・・」
「あー!!お前吉岡中の原山翠だろ!全国ベスト8の!!県大会では世話になったなー!!」
喋り終わる前に話を遮るように喋り出す。こいつは確か羽田中の松村虎徹だったか。コントロールと球速の揃った良い左腕だった。
「松村君だっけ」
「そうそう!選抜でもちょっと会ったよなー!落ちちゃったけどよー・・・」
反応に困ったが、笑って見せた。
「これからよろしくな!てことで一緒に教室行こうぜ!!」
屈託もない笑顔で右手を出す。
「お、おい!ちょっと!」
勢い良く右手を引っ張られて、半ば強引に歩いて行く。
「そ、そういえば、松村君は野球続ける?」
不自然に話を切り出す。
「虎徹で良いぜ!当たり前だろー!!ぜってー私立の高校のヤローどもから三振取ってやるんだぜ!一緒に頑張ろうぜ!!」
「・・・そうなんだ。応援してるよ」
俺には眩しすぎた。野球を辞めた俺と虎徹じゃ仲良くできる気がしなかった。
「なんだよその言い方・・・もしかして野球やらないの?」
「ああ、うん、まあね」
苦笑いと一緒にそう返した。
「なんで!?さっき会った時に甲子園優勝も夢じゃないって思ったのに!」
「全国はそんなに甘くないっつーの・・・」
聞こえるか聞こえないか、微妙な声量で呟いた。
「一緒にやろうぜ、野球。俺ら2人なら絶対戦えるって!」
「か、考えとく・・・」
口ではそう言うけど、もう決めたことだった。決めたことだったのに・・・。
今思えば、ここから俺の運命の歯車が動き出したんだと思う。
前書きの通り初投稿です。良い作品にしたいので、アドバイス等お願いします!!