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女の子とひとりぼっちの猫

作者: きゃらめる

この作品を選んでくださりありがとうございます。

ちなみに初作品です。


 毎日元気に学校に通っている女の子がいた。

でもいつの日からかその女の子は朝、家から出て来なくなった。

 ある日その女の子は家から出て来た。でも、いつもなら学校にいる時間に。お母さんらしき人と一緒に。女の子がいつもと違う様子なのは分かった。でも猫にはなぜだか分からなかった。

 女の子が庭にいた。近づいて話しかけて見ても反応はない。女の子は何かを考えているみたいだった。

今日も庭にいた。今日は木に寄っ掛かってぼーっとしていた。猫が近づいてきても気がつかないようだった。

 何日か過ぎた日に女の子は庭にいた。その日は庭に入った僕に気づいてくれた。

「どこから来たの?君の名前は?」

話しかけてくれたけど僕は人間語を話せない。変わりに猫語で話しかけてみた。そしたら女の子が話してくれた。学校に行けなくなったこと、でもなぜだか分からないこと、学校に行こうとするとお腹と頭が痛くなること、病院の先生に話しに行ったけど言葉が出て来なくて話せなかったこと等をぽつぽつと呟くように話してくれた。そして最後に親に認めて欲しかったと言った。それを聞いて僕は思った。この子は頑張ってきたんだなと。女の子は微かに微笑んでいた。

 また、何日かたったある日女の子は窓辺に座って本を読んではいた。ぼくが庭に入ると話しかけてくれた。

「ありがとう。君に話したことで少し心が軽くなったみたい。おかげで病院の先生とお母さんと話すことができた。」

またおいでといいながら女の子はご飯をくれた。なにか言っていたような気がしたけど久しぶりのちゃんとしたご飯に夢中で気がつかなかった。それから僕ははよく女の子の家に行くようになった。

 何日かたって雲一つない晴れた日に、女の子の家に行くといい匂いがしていた。そこには女の子と女の子のお父さんとお母さんがいて、いい匂いのするものを焼いていた。女の子が満面の笑みで笑っていた。その時僕の胸の中に寂しさとうれしさが混ざった気持ちがにじんでいくのが分かった。その時、

「あ、あの猫だ!」

女の子の声が聞こえた。

「こっちおいで。ご飯あげる」

匂いにつられて近づくと

「君、家の子にならない?」

と聞く女の子と、微笑む両親の顔があった。


そして、僕はこの家の猫になった。

「よろしくね、縁」

僕の名前は「えん」になったことが分かった。

数年後、女の子はやりたいことを見つけて、夢に向かって頑張っている。僕はこの短い一生が終わるまで女の子を見守っていきたいと思う。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

今後の参考にしたいので、コメント等していただけるとうれしいです。

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