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2話・ヒロインとの出会い

 呪いスキル『レベル・ステータスオール1付与』が使える事を確認した後、俺はゴブリンをかなりの数を討伐した。


(この辺で休憩するか)


 俺はグリーンゴブリンの素材と魔石を回収。周りに残った物はないかを確認した後に木を背もたれにして地面に座る。


「ふう、相当の数を倒したな」


 付近にいるグリーンゴブリン共を大量に討伐。俺は今まで倒せなかった相手を倒せたのは大きい。


(ここまで上手くいくとはな)


 グリーンゴブリンを討伐できた事が嬉しく感じる。俺はその事を思いながら集めた魔石と素材を確認。


(魔石だけても100個以上か)

 

 グリーンゴブリンの魔石は最低でも500Eで売却できる。


「これだけあれば魔石だけで5万Eだな」


 ここまで簡単にお金が稼げる。俺は黒い笑みを浮かべながら空を見上げる。


「まず一つ目のゴブリン共をぶち殺すのは上手く行ったな」


 グリーンゴブリンを討伐できた結果がある。俺はこの結果を出せたのは素直に嬉しい。


(ゴブリンすら倒せない雑魚ではなくなった)


 自分でもグリーンゴブリンを倒せなかった事を気にしていた。なので普通に倒せたのは素直に嬉しい。


「ただ、問題はこれからだな」


 俺が使った呪いスキル『レベル・ステータスオール1付与』は魔物にしか通用しなかったらヤバい。


(そうなったらどうしよう)


 呪いスキルが通用しなかったらクラスメイト達に復讐できない。それどころか虐げられる暮らしはそのままになる。


「そうなったら最悪だよな」


 今まで俺の事を馬鹿にしてきた高スペック共に『できない奴は何をしてもできない』を身をもって経験させる。


(だが……)


 ここまできて不安が大きくなる。俺はこの不安に支配されそうになる。


「ヤバいな」


 俺はそう思って立ち上がりクラネ森林から脱出。違う事を考えながら都市の方に向かう。


(ただゴブリンを討伐できて良かった)


 俺は背負っている鞄の重さを感じながらしみじみと思いながら笑う。


「最高だな」


 相手のレベルを1にして一方的に攻撃するのは楽しい。


(コレで俺のレベルが上がったらいいんだけどな)


 自身がもつマイナススキル『レベル固定』の影響で俺は魔物を倒しても経験値を取得する事が出来なかった。


(俺自身は何も変わってない)


 自分が強くなったわけではなく相手が弱くなる。俺は相手が弱くなり倒すのが簡単になる。コレは楽で嬉しいが……。


(なんか微妙だな)


 胸にモヤモヤを抱えるが今は自分の事よりも呪いスキル『レベル・ステータスオール1付与』で得たものを確認する。


(えっと、奪い取った経験値の合計がレベル25でスキルも色々あるか)


 後半レベルが上がりにくかったがレベル25分の経験値と新しく手に入れたスキルを振り分けられる。


(誰に振り分けるか)


 手に入れた経験値を振り分けられる相手は自分に従順な奴がいい。

 

「そうなると……」


 俺の復讐に付き合ってくれる奴。


「誰かいるか?」

 

 色々考えるが、そんな都合のいいやつはいない。俺は人望がない事を気にしてネガティブな方面に気持ちが傾く。


(底辺には底辺がお似合いかよ)


 俺は基本的に人を信じられない。その原因は周りの奴らがクズばっかりだった。


「クソ!」


 底辺の俺にはなんの望みもないのか。こんな世界なんて潰れてしまえ。


「あー、いらつく!」


 俺は心から強い憎しみに刺激されてブーツで地面を蹴りつける。


「俺みたいなクズは無能のままかよ」


 学園にいる底辺の奴らは基本的に強い奴に従っていたりしてカモにされている。


(チッ!)


 そんな状態なので俺が底辺の奴らには手を出せない。


「面倒だな」


 強い相手は俺みたいな底辺を見たらキレる事が多い。俺はその事を考えているとある事を思いつく。


(ん、あ、そうか底辺か!)


 何も変わらない底辺。俺は底辺の人達の事を思い浮かべているとある人達が頭の中によぎった。


「そうか! 奴隷を買って能力付与すればいいんだ」


 しかも通常の奴隷じゃなくて復讐心や自分が雑魚だと思っている奴。


(いけるぞ)


 ソイツなら復讐に容赦ないしと思うし上手く使えそう。俺は復讐心がある奴隷を探す事を決める。


「買った奴隷を強化して使ってやる」

 

 俺は強い復讐心をたぎらせ歩いていると都市に到着。


「着いたか」


 俺は都市に到着した事を確認して門を潜る。


(奴隷の事もいいが)


 俺の頭の中には奴隷の事以外にクラスメイトをどう潰すか。この事を考えているとやはり情報が足りないと思う。


「情報が先か」


 ムカつく高スペック達を追い込むための情報。これがないとどうしようもないところがある。


(どうする)


 やり方としてはグリーンゴブリン達から奪ったスキルに〈隠蔽〉がある。この〈隠蔽〉は周りから姿が見えなくなるスキルなので絶対服従の奴隷に付与する。


(この方法ならいけるか)


 俺はどういう奴隷を買うかを思い浮かべる。だがあるものが足りない事に気づく。


「って、そもそも資金が足りない……」


 俺が立てた計画には大きな穴。奴隷を購入する資金をどうするかを考えてなかった。


「最低でも30万Eがいるよな」


 この国・アロンダイト王国では奴隷は合法。その中で高級奴隷・戦闘奴隷・一般奴隷・訳あり奴隷に種類が分かれている。


(俺が狙うのは訳あり奴隷だよな)


 訳あり奴隷の値段は最低でも30万E。今の文無しの俺には手が届きにくい額だ。


(いや……そうでもないか)


 呪いスキル『レベル・ステータスオール1付与』を使って強い魔物を倒せる。


「強い魔物を倒して金を稼ぐのがいいな」


 強い敵を呪いスキル『レベル・ステータスオール1付与」 』を使って相手を雑魚にする。


「それなら俺でもいける」


 雑魚になった魔物を倒して魔石と素材を回収する。それを繰り返すとお金は早く溜まる筈。


「うん、この案がいいな」


 魔物から能力を奪って倒す。次に稼いだお金で奴隷を購入。


「うまく回せる」


 最後に他者から奪ったレベルとスキルを購入した奴隷に付与して使い倒す。


(いける!)


 これをすれば自分自身の安定にもつながるし身も守れる。


「問題は買った奴隷をどう上手く使うか」


 購入した奴隷に情報集めをさせるのがいいかもしれない。


(面倒な事は任せるか)


 具体的に奴隷を買ってどう使うかを考えてなかった。


「マジで俺は計画性がないな……」


 俺は計画性のなさに気づいて自分はやはり馬鹿だと思い心に刃が刺さる。

 

(どうしよう)


 情報集めと戦闘のなる為に使う奴隷。


(もっと具体的にしないとな)


 奴隷をどう使うか。俺は街を歩きながらその事を考える。


「あ、そうか」


 頭の中に一つ新しい案が思い浮かぶ。


(ふふふ! 格安奴隷を売っている奴を探せばいいんだ!)


 俺はこの都市にいる裏の奴隷商人を探す事を決める。


(やれるぞ!)


 俺は買取店に向かいグリーンゴブリンの魔石と素材を換金。


(約12万Eか)


 まとまったお金を受け取った。俺は受け取ったお金を確認した後、買取店から出て空を見上げる。


「コレでうまくいくか?」


 俺はどう動くかを考えているとマイナス感情が浮かんできたので思い始める。


(今までの鬱憤や恨みを思い知れ)


 周りの奴らからできないやつの苦しみや使えないと蔑まれた。


(今から革命を起こす)


 俺は今から楽しみで仕方なくなる気持ちに切り替える。


「やり返す」


 奴隷を買いに行く前にに遅い昼ごはんを食べようと思い大衆食堂がある所に向かい始める。


「腹減った」


 大通りは人が多いので裏路地に入って近道。俺は裏路地を歩いていると幸運が起きた。


「ねぇ、奴隷商人さん。コイツ、どれくらいで売れるかしら?」

「うーん、ボロボロだから5万Eだな」

「えー、そんなに安いの?」

「マイナススキル持ちでボロボロな奴なんて高く売れるか!」


 少し離れたところから薄汚い声が聞こえたのでソチラを覗いてみる。


(マジか)


 俺が声をする方を除くと汚い装備を着たチンピラっぽい男女4人。彼からが恰幅のいい男性、おそらく奴隷商人ぽい人と話していた。


(おお……)


 ふと地面を見てみると1人の少女が縄で縛られて転がっていた。


「う、うう」


 地面に転がっているボロ布を着た少女はなんとか逃げ出そうとあがいている。


(あれじゃあ動けないな)


 他のチンピラが少女の腰を足で踏みつけているので彼女は動けないみたいだ。


(チッ、ムカつく光景だな)

 

 俺は見つかりにくい場所に隠れつつ奴隷商人達の方を見る。奴隷商人は鬱陶しそうな表情でチンピラ達を見ていた。


(あの男性は面倒そうな顔をしているな)


 俺は奴隷商人ぽい男性の表情を察知。だがチンピラ達はその事に気づいてないみたいで手に入るお金の使い道を話していた。


「それでも遊べる金になるだけ良くない?」

「5万Eもあれば豪遊できるわね」

「あぁ、この後にパーティにでも行こうぜ」


 取り巻きのチンピラの声を聞いたリーダーぽい女性。彼女は一言頷き奴隷商人ぽい男性の方を見た。


「それで売るわ」

「了解ー」


 リーダーぽい女性の言葉に奴隷商人は不機嫌そうな表情でお金が入った袋を取り出す。


(割りに合わないか)


 お金を受け取った女子は取り巻き達と共に裏路地から出て行った。残っだ奴隷商人は舌打ちをして地面に転がっている少女を見た。

 

「チッ、こんなチンケな買い物をする事になるとはな」

  

 奴隷商人は地面に転がっている少女の方を睨みつけた。


「せいぜいいいように使ってやるよ」


 地面に転がっている少女はガクガク奴隷震えている。それを心底冷たい表情で見下している奴隷商人。


(気持ち悪いな)


 俺はかなり気持ち悪くなって吐きそうになる。たむがなんとか気持ちを抑え込む。


(いくか)


 俺は隠れている場所から出て奴隷商人の男性にに声をかける。


「少しいいか?」

「!?」


 俺が声をかけるも奴隷商人はビクッとしてコチラに振り向く。


(いきなり声をかけれると驚くか)


 彼の表情は蛇に睨まれた蛙みたいだ。俺は彼の面持ちを見ながら返答を聞く。


「な、何か用ですか?」

「用がなかったら声をかけないだろ」


 奴隷商人の反応。俺は彼の動きに内心ドキドキしながら地面に転がっている少女の方に向く。


(なるほどな)


 縄で縛られて地面に転がっている茶髪ショートカットでソバカスが目立つ少女。


(悪くないな)


 美人には見えないがブサイクでもないので悪くない。俺は彼女の姿を確認した後、目を離して奴隷商人の方に視線を合わせる。


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