11話・復讐の準備
土曜日、日曜日に俺はエリンとの程度打ち合わせや準備を進め本番の月曜日が来た。
「さてと俺は動くぞ」
「いってらー」
エリンの返事を聞いた俺は鞄を背負い学園に向かう。
「アイツらはどんな反応をするか」
俺は学園に到着したのでエリンに買ってきて貰ったある物を起動し教室に入る。
(さあ言ってこい)
覚悟を決めて中に入ると前と同じくクラスメイト達に軽蔑の視線を向けられた。
「おいおい、行方不明だったガストじゃねーか」
「死んだと思っていたのに生きていたのね残念」
「あんなやつが下級貴族とか実家の面目丸潰れだよな」
「同じ貴族として恥ずかしいわ」
「使えないやつはさっさと死ねよ」
(コイツら一向に飽きないな)
俺は奴らに対して心の底から呆れそうになりながら自分の席に座る。その時、いきなり頭の上から冷たい水をかけられた。
「!?」
「キャハハ、お前には花瓶の水がちょうどいいな」
「うわぁ、触るだけ気持ち悪そう」
「だろ! 触るならこうするぜ」
俺の隣で気持ち悪い笑みを浮かべたガゼル。コイツは手に持っていた花瓶をそばの机に置いて布製の手袋をつけた。
「くたばれ!」
(な!?)
ガゼルはずぶ濡れの俺の頭を掴み勢いよく机に叩きつけた。
「ぐはっ!」
「チッ、なに悲鳴をあげているんだよ」
「なんかムカつくわね」
「このまま殺そうぜ」
俺の顔面を机に叩きつけた後、腹をガゼルに蹴り飛ばされて地面を転がる。
「ガハッ!」
俺は綺麗に吹っ飛びクラスカースト上位のグループの方に飛ばされた。
(ぐうぅ)
俺が地面に転がって蹲っていると美男美女がコチラを睨みつけてきた。
「おいガゼル! なんでこんなゴミクズをオレ達の方飛ばしてくるんだよ」
「こんな気持ち悪い奴なんて捨てなさいよ」
口の悪い赤髪のワイルドイケメンのグラン。その隣にいる茶髪の目つきの悪い美少女のラフタ。
「存在自体が意味ないやつだね」
この2人の好き勝手な物言いに微笑んでいる奴がこのクラスのトップ。上位貴族出身で甘いマスクの金髪イケメンであるエクス。
「チッ」
そしてもう1人、青髪ロングのクール系美少女のルーシェが心底つまらなそうな面持ちで口を開いた。
「なんで生きる意味のないクズがなんでいるの?」
この言葉を聞いたクラスメイト達は頷いたりケラケラ笑い。俺に向かって軽蔑の視線を向けながら暴言を吐く。
「おいおい、あのルーシェさんですらゴミには呆れられているぞ」
「それだけ使えない無能だから仕方ないわよ」
「当たり前の事をされているだけだわ」
「そうだぜ、無能は虐げても悪くないんだよ」
「使えないクズである自分を恨むのね」
クラスメイトの言葉に俺は内心ではブチギレそうになる。
(今の言葉を忘れるなよ)
俺は地面にうつ伏せになって倒れていると付近にいるクラスメイトに足蹴にされる。
「ぐうぅ!」
俺はクラスメイト達からの攻撃に歯を食いしばりながらこらえる。
「おいゴミ、お前の人生は一生クソだ」
「いやいや生まれ変わってもクソだろ」
「やーね、存在が消えない限りよ」
「違いない」
「何もない奴は可哀想だよなー」
「まぁ、わたし達には関係ないけどね」
「無能だから悪いのよ」
(……よし言質は取ったぞ)
俺が欲しかった言葉が言われたので心の中でガッツポーズ。コイツらに地獄を見せるピースの一つが揃った。
(さあ、地獄のショータイムだ)
頭を踏みつけられて地面に押し付けられたり、蹴り飛ばされて教室を転がって俺は机が吹き飛んだ。
「ガァ!?」
俺はリンチをくらってボロボロの状況になって血を吐く。
(ガハッ)
俺が血を吐いたタイミングでチャイムが鳴り担任の女教師が教室に入ってくる。
「いつも通りか」
普通なら問題行動でクラスメイト達は処罰を受けるがこのクソ女教師はそんな事はしない。
(本当にクズ教師だな)
俺はボロボロの体に鞭を打ちなんとか立ち上がり女教師の顔を見る。
「チッ」
彼女の視線は鋭く冷たかった。俺はリーナ先生の視線に気持ち悪くなったがそんなのは無視して体を自分の席に座る。
「さてと今日の1.2限目のテストは実技だ」
今の惨劇を無視してホームルームを始めるクソ教師。俺は痛みに耐えながら話を聞く。
「今回の内容は1対1の模擬戦だが最後の試合には特別なルールがある」
よくわからない事を口走るリーナ先生に俺は呆れながら吐息を吐きそうになる。
(ハァ……)
だが俺がこの空気でため息を吐けばまたリンチに会うので辛抱する。
(感情が爆発しそうだ)
俺は自分の感情の湧き上がり抑えられそうにない。
「……」
だけどここで問題を起こしたら最悪な事になるのは目に見えるので俺は強引に押さえ込む。
(さっさと終われ)
厄介なホームルームなんて早く終わって欲しい。俺はそう願っていると意外と早く終わった。
(よし!)
ホームルームが終わり俺達は実技の試合を行うために修練場に向かう。
(これから始まる)
クラスメイト達からは貶める視線暴言を吐きかけられる。
「なあ、あの無能を潰せるのは誰だ?」
「聞いた話だとまたガゼルよ」
「1週間前にも同じ事をやっていたのにまたやるのか」
「勝負の結果なんてわかりきってるわよね」
「当然ガゼルの勝ちだろ」
「「「そりゃそうだ!」」」
「キャハハ!」
(!? コイツら!)
確かに今まで俺はガゼルに勝ったところか傷すらつけた事がない。それはアイツのレベルが23で俺のレベルが5で能力の差が大きかったからだ。
(今回は違うぞ)
今回の俺は前とは大きな違いがあるので面白い事になる。
(今に見てろ)
俺が手に入れた呪いスキル『レベル・ステータスオール1付与』でガゼルを潰す。
(才能や努力の否定をしてやる)
俺はどんだけ頑張っても何も変わらず落ちこぼれる。そして誰にも助けてもらえず突き放されドン底に叩き込まれろ。
(さあ、地獄のショータイムだ)
今から起きる最高のショータイム。俺はこの内容に胸か高鳴りワクワクする。
(さあ始まるぞ)
修練場に到着したので俺達は防具を着て中央に集まり教師の話を聞き始めた。
「授業を始める!」
「「「はい!」」」
「今回の実技試験はコチラが決めた生徒同士の試合だ」
「はい先生! 今回、何かルールはありますか?」
「基本的には降参か戦闘不能で決着をつけるが……」
「つけるが?」
「最後のガスト・フォールレインVSガゼル・ブロックスの試合は別だ」
まさかのリーナ先生のご指名を受けた俺はガゼルの方を向く。
「うはは!」
「……」
ガゼルはこっちを見てニヤニヤとしているので俺は理由を察する。
(なるほどな)
アッチから自滅の道を作ってくれると思わなかった俺は笑いが込み上げてくる。
(まだだな)
クラスメイト達は異なる内容を思い浮かべてそうだ。俺はそう思っているとリーナ先生が続きを話してきた。
「この試合は戦闘不能のみの決着で負けた方が勝った方の言う事に従う……例えば死ねと命令されたら死ぬとかな」
「……」
「おいおい、言葉も出てこないのか」
普通ならこんな理不尽なルールなんて従うつもりはない。
(だけど俺がそんな事を言っても意味がない事くらいはわかる)
俺はリーナ先生の言葉に対して無言で黙っているとガゼルが好き勝手言い始めた。
「そりゃそうだよな。お前の最後の時だからな」
「……わかりました」
「おお! 死ぬ覚悟を決めたんだな無能クズ」
ここまで好き勝手言われたら容赦はしない。俺はガゼルを徹底的に叩き潰すための作戦は考えてきたのでそれを実行するだけだ。
(ここまできたらガゼルを潰してもいいよな)
ガゼルには今まで散々ボロカスにやられて蔑まれてきた。その同じ事をやり返しても文句はないだろ。
(現実をしれ)
ここでおれがやり返して相手から文句が出るなら相手の方に問題がある。
(お前達がやってきた事だろ)
俺はどんどん弁解や相手を叩きつぶす理由、どうやったら効率よく苦しめられるか。この事で頭がいっぱいになった。
「さあ始めるぞ」
俺が自分の事を考えているとリーナ先生が開始の合図を出し、それを聞いたクラスメイト同士が順番に戦い始めた。
(この辺はどうでもいい)
俺とガゼルの戦いは一番最後なのでクラスメイト達が戦っているところを観察する。
(生徒のレベル平均は20くらいでトップのやつは28か)
この時点でエリンよりも低い。そのためアイツを呼んできてコイツらをボコボコにするのもありだと思い始める。
(最終手段だけどな)
そんな事をしたら俺自身のストレス発散にはならないので保留にする。
(自分の事は自分自身でケリをつける)
初めて持った気持ち。この事を大切に思いながらクラスメイトの動きを見続ける。




