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一発殴らせろ。

作者: りんご。

閲覧ありがとうございます(^^)


勢いで考えているので誤字などありましたらよろしくお願い致しますm(_ _)m



「ローズすまない、婚約を破棄させてほしい...」

「ローズ様申し訳御座いませんっ!私、彼を愛してしまったのです!」


…知ってた。

だから、私は準備をしていた。


「…分かりました」

「分かってくれるのか!ありがっ「ただ!!一つお願いがあります」

「お願い?」

「ええ」


この2人は学園内で恥ずかしげもなく、いつもいちゃついていた。

一応破棄するつもりだったとは言え、婚約者がいる身でいちゃいちゃ、いちゃいちゃ!

本当にありえない。

せめて隠せばいいものの、真実の愛とやらに酔っていたのかそこら中でいちゃいちゃしていた。


大体、破棄するなら何故卒業パーティーで無ければいけないの?

もっと早くても良かった筈だ。

大方、王都で流行っている小説の影響でしょうけどね!

さっさと婚約者を変えたいと言えばこちらも次の相手を探せるのにわざわざこの日まで待って、他の方にまで迷惑を掛けてこれだからバカは嫌なんだ。


まあ、こんな事を見越してこっちは半年前に婚約を取り消してるんだけどね。

ただ、普通に婚約取り消しをしたらあいつらがハッピーなだけだから私と婚約者、双方の家には卒業するまで伝えるのは待っててほしいと頼んだ。


何故って?

まあ見ていて欲しい。


「頼みとはなんだ?こちらが勝手に婚約を破棄するのだから何でも言ってくれてかまわない」

「えぇ!私は幸せを奪ってしまうのですから!」


私はニヤリと笑った。


「じゃあ遠慮なく言わせて頂きます。

お二人を一発殴らせてほしいのです」


「「え?」」


「だから、お二人を一発殴らせて欲しいのです」


2人は目を驚いたように目を見開いた。

女性の私にそんな事を言われるとは思わなかったのだろう。


「え、えっと殴る?」

「えぇ、それにあたって殴った後訴えられても嫌なのでこちらにサインをお願い致します」

「サ、サイン?」

「私ローズが婚約破棄を認める代わりにお二人を殴る事を認める、私ローズがお二人を殴って怪我をさせたとしても責任を負わせない、という契約書です」

「あ、あの私も殴られるのですか?」

「はいもちろん、ここの契約書にもお二人と書いてあるでしょう?」

「あ、はい…」


2人は戸惑っていた。

そりゃそうよね、女性相手だとしても殴られるのは嫌だろうし。

でも、私は絶対に2人を殴る。

殴るったら殴る。


「な、なぁ?ローズ?他のことじゃだめか?それか私だけとか」

「ダメです、お二人とも一発殴らせて頂けないなら婚約破棄は認めません(本当はしてるけどね)」

「そ、そんな私、痛いのは嫌です…」

「大丈夫ですよ、だって私は女性ですよ?すぐに終わります」


私は終始ニコニコしながら2人を説得した。

殴りたいからね!

何が何でも殴りたいからね!

大事な事だから2回言わせてもらいました。



「それに、お二人を一発ずつ殴らせて頂いた後は何の責任も負わせませんし、何ならお二人の家の方に話を付けて差し上げますわ」

「え?本当か?」

「ええ、誓います、だからね?お願い致します」

「じゃあ一発ぐらいなら…」

「そうですね、それでローズ様の気が済むなら」


来た。

来た来た来たー!!

待っていた、この時を!


「では、サインを頂けますね?」

「「あぁ(はい)」」


私は2人からサインをもらった契約書を大事に懐にしまい軽く肩を回した。

どっちから行こうかな。


「では、失礼しますね」


男から行こうかと思ったがこう言う人から男を奪って喜ぶ女は逃げ足が早そうだし、女から行こう。

そう思いながら、女の前に立ち私は振りかぶって女の頬目がかけて平手打ちをかました。


ばっちーん!!


私の手のひらは良い音を立てながら女を吹っ飛ばした。


「ぎゃあっ!!」


女は変な声を上げたかと思ったら、床に倒れそのまま気絶した。

本当はグーパンにしようと思ったけど、優しさで平手打ちにしてやった。

私はなんて優しいのだろう…っ!!

感謝してほしいわ。


「な、な、」

「さて、次は貴方ですね」


私は逃げられる前に顔を青くして怯える男の前に立ち、今度は拳を振りかぶり顔をぶん殴ってやった。


ばこーん!!


「ぼぉへっ!!!」


スローモーションのように男は吹っ飛び女以上に変な声をあげたかと思えば、そのまま白目を剥いて気絶した。


「ふん!」


あースッキリした。



周りは少し引いた目で私を見ているがそんなのどうでも良い。

こいつらは、私の今まで素晴らしい結婚相手となる為に泣きながらした努力を簡単に無駄にしたのだから。

少しは申し訳なさそうにすればこんな事はしなかったのに、真実の愛とやらに酔っているからこうなる。


「それでは、お二人ともお幸せに」


私は最後にニコリと笑いカーテシーをし、そのままパーティー会場を後にした。

あいつらの事は知らない。

誰かが介抱するでしょう。







後日、彼等は誰にも介抱されずパーティー会場に放置されたらしく殴られた顔は腫れ、あんな場所に一晩放置されたからか風邪を引いたと噂で聞いた。(まさかの放置とは驚きだった、嫌われてたのかな?)

そして、一応私は約束だったから彼等の結婚の後押しをする手紙を出したのだが真実の愛とやらに溺れて卒業パーティーを台無しにし他人に迷惑を掛けたと言う事で元婚約者は跡継ぎから外され、女はかなり年上の子爵の家に嫁入りを決めたと返事が来た。

どんまい!!




あの後の私はと言うと卒業パーティーで元婚約者とその浮気相手を殴ると言う暴挙に出たから嫁の貰い手はないだろうと思ったら、侯爵家の長男に「君の拳に惚れた、結婚してほしい!」とプロポーズされた。

強面だが私はどちらかと言えば優男よりそう言う顔が好みだし、とても優しく強い男性なので私は迷う事なく了承した。

あの2人を思いっきり殴るために筋トレやら色々頑張った甲斐があったなって本当に思った。

ふふふ。






さて、最後に2人に言いたい。



一発殴らせてくれて本当にありがとう!!






ローズ

主人公。

元婚約者と浮気相手を殴り飛ばすくらいバカ力。


元婚約者

ローズの元婚約者。

真実の愛とやらに酔って、ローズに殴り飛ばされ跡継ぎから外された残念な男。


浮気相手。

元婚約者の浮気相手。

真実の愛とやらに寄って、ローズに叩き飛ばされ年上の男へ嫁入りが決まったおばかちゃん。


侯爵家長男。

ローズの新しい婚約者(旦那)

強い女が好き。

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