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僕たちが出来ること  作者: 環流 虹向
自身の正義
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春宵一刻

自分たちの安全を確保するための約束をせいさんと交わす。


・その場で出されたものを口にしない。

・必ず5人で行動し、離ればなれにならない。

・会場に入ってから30分で調査終了して、何も分からなくても帰ってくる事。

・2人と顔を合わせないようにすること。


を、条件に春宵一刻が開かれる会場に向かった。


会場は21:00〜25:00まで。


僕たちは21:00前に六本木駅に到着。

周りには春宵一刻へ行く人たちなのか、大半の人集りが会場の方向へ向かっていく。


叶兎「すごい人気だな。尊敬する!」


樂「あの2人の行動力だけにな。」


憲治「…にしても、周りのみんなセンス無いですね。」


絢愛「憲治、そう言うこと口に出しちゃダメ!」


虎雅「えー…と、この陸橋越えた先ですね。」


この間、憲治さんに見立ててもらったスーツとドレスを着てここにやってきたけど、みんないつもより大人っぽく見える。


樂が若干身長が高くなった気がするなと思ったら、少しヒールがあるブーツを履かせられていた。


虎雅「あ、着きました。」


デカデカと横幕に、

『RAMMY×RYOTT With DJよみこ

春宵一刻しゅんしょういっこく

と、書かれてあり、周りには毒毒しい色合いの華々がデザインされ文字を囲っている。

その周りにも似たような生花が溢れんばかりに装飾されている。


絢愛「咲さんと凌太さんっぽいね!」


叶兎「派手だなー。」


憲治「さすがに本業の人が装飾しましたよね?」


樂「どうでも良いから早くいこう。」


樂が先頭に歩いていき、セキュリティチェックの人にカバンの中身、犬太さんに作ってもらった身分証を見せ、中に入る。


少し長い廊下を、怪しげにもやんと紫色のライトで足元だけを照らしている。


奥には柔らかいレースが何重にも重ねて中が見えないようにしたカーテンを、入る時にひとりひとり黒服の男性が丁寧に開けていく。


「こちらで精算を行なっております。1人2000円でフリーフード、ドリンクがつきます。」


と、黒服の男性にお金を渡し、手の甲に2人の写真で見た珍しい花の絵をしたハンコを押される。


憲治「時計草か…。2人が好きそうですね。」


時計草って言う花なのかー…。

たしかに時計のように針がある花だった。


そのハンコをバーカウンターの人に見せると、ドリンクなどが貰える仕組みになっていた。


厚いレースのカーテンをくぐると、少し低い天井に敷き詰められた藤の花とシャンデリア。その合間には赤、紫、ピンクの多種な花と葉が散りばめられている。


絢愛「花の香り、すごいね!」


樂「…なんか、鉄臭く無いか?」


「「「「?」」」」


樂「気のせいならいい。」


会場の少し奥にはDJブースがあり、きっと2人はあそこから出てくるんだろう。


DJブースから見えにくい位置に僕たちは固まり、はぐれないようにする。


開始時間が近づくつれ、会場の中は超満員電車のようになっていく。

それを器用に抜けて、お目当の物に向かっていく人々。


「色々大きいお姉さん、名前は?」


と、急に絢愛さんをナンパしにきた男2人が絢愛さんの肩に触れようとする。


絢愛「な…」


憲治「俺らの女に触んなよ。」


憲治さんがその間に割り込む。


「あぁ?清楚系なのにやる事やってんなぁ、姉さん。」


絢愛「…は?馬鹿にすんな。」


絢愛さんが憲治さんの腕の間から手を出し、話しかけてきた男のグラスを下から強めに小突き、そのドリンクが男の服に全てかかる。


絢愛「逃げろー!」


5人で手を繋いでその人たちから身を隠すため、縮こまりながら間を抜け必死に逃げると、DJブース付近に来てしまった。


絢愛「あー!怖かった!」


虎雅「止めてくださいよ!こっちが怖かったです。」


絢愛「勘違いくんには当たり前だよ!憲治、ありがとう!」


憲治「間に入った意味、無いですよね…。」


絢愛さんがあんな風に怒ったのを初めて見たのでびっくりした。


叶兎「絢愛、靴痛くない?」


絢愛「大丈夫!この1週間、買ったヒールで走れるようにしてきた!」


叶兎「さすがだなー!」


絢愛「ありがとう!」


樂「ここだと、バレ…」


樂が何か言おうとした時、一気に会場にかかっていた音楽が変わり、ボリュームが上がる。

その変化に会場全体が盛り上がり、手拍子を始める。


するとズゥン…と一気に重低音だけが鳴り、会場全体が真っ暗になったかと思ったら、

DJブースから花火が飛び出て、会場を色とりどりのライトが射し回り、会場の熱気がマックスになる。


叶兎「みんな、顔隠しといて。」


言われた通りサングラスをかけて、顔を隠す。

身をなるべく人影に隠しながらみんなでDJブースに目を向けると1人、白いミニチャイナドレス風の服を着た人が出てきた。


会場のいろんな所から憧れと尊敬とノリの声援が上がる。


これが大人の世界かと若干疲れ始めていると、DJらしき人のそばに男女2人が出てくる。

女性は黒レースのボディコンスーツと紫とピンクの濃い色の縄下着で部位を隠した衣装。どうして見えていないのか不思議なくらいだ。

男性は黒のベストの前を開けて細身のズボン、腰パン気味でチラチラと腹筋が見える。

2人ともそれぞれギラギラしたアクセサリーをつけてこの内装に負けないくらい目立っている。


その2人をさらに会場が盛り上がる。


ジャズ風の音楽をリミックスした曲が流れ始め、男女2人が合いの手を入れていく。


樂「こんな人気なのか…?」


虎雅「すごいね…。」


その人気を真の辺りにして、5人で驚いていると間奏に入った途端、自己紹介を始めた。

紹介の合間にも盛り上がる会場。

こんなにも人気なのになんで気づけなかったんだ思っていると、咲さんが前に出てくる。


RAMMY『今日は特別相談室開きまーす♡黒服の子がランダムに選ぶからお楽しみにー!』


絢愛「へー!良いなぁ!」


樂「良くはないだろ。俺らは行かないぞ。」


絢愛「えー!残念!」


樂「この相談箱で聞いとけ。」


樂が絢愛さんをなだめていると、憲治さんの隣に黒服の人がいて話し込んでいる。


憲治「みんなで来て欲しいって言われても…。」


憲治さんが困っている、どうしようか。


虎雅「すみません。ぼ、私たち仕事の合間抜け出して来て時間があまりないんです。」


いつも僕と言っているが、大人っぽく見せるために緊急事態の時は私を使ってとせいさんに教わった。


「そうですか。残念です。」


と言って、黒服の人は他の人を探しに言った。

その人は体格が良さそうな人を見つけては声をかけている。


憲治「ありがとうございます。」


虎雅「いえ。本当にランダムなのでしょうか…。」


憲治「多分違うと思います。」


2人でその他の黒服の様子も見るが、男女分け隔てなく体格が良い人を選んでいる。


後20分、何か見つけられるだろうか。

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