表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕たちが出来ること  作者: 環流 虹向
自身の正義
80/174

暁天

あの後、数珠丸さんがこの家に救護班の方を呼んでくれて、清くんと真司の手当てをしてくれた。

2人とも気を失ってしまっただけで、後遺症が残るものではないとのこと。


それで一安心したいところだったけれど、

あんなに怪我を追わせてしまったことに僕は僕を責めた。


僕が追い出した人たちが、向こうの都合がいい人間を集めて凶妖狩りをしている。

こんな事をほかの誰かもされているんだと思うと辛かった。


絢愛「…虎雅、中入ろう?」


僕はベランダとリビングの間の縁に座ったまま1人考えていた。


虎雅「…はい。」


僕は立ち上がり、中に入る。

絢愛さんが窓の鍵とカーテンを閉める。


真司と清くんは意識が戻ったようで、樂と一緒に話をしていた。


虎雅「…2人ともごめんね。僕2人を守るって約束したばっかりだったのに。」


真司「虎雅にぃは悪くないよ。殴ったり連れ去ろうとした奴が悪いんだ。」


清「そうだよ。虎雅は悪くない。」


2人ともガーゼや湿布まみれの顔で笑う。


虎雅「うん…ごめん。」


僕はまた泣きそうになった。


樂「おい、泣くな。2人とも生きてここにいる。それだけで十分だ。」


虎雅「…うん。」


僕は目を開けて瞬きをしないで、潤んだ目を乾かす。


「すみませーん。」


と、玄関から声が聞こえる。


絢愛「あれ?この声聞いたことある!」


絢愛さんが玄関に突っ走る。


絢愛「わぁ!なんでここにいるんですか!?」


と驚く声が聞こえ、みんなで玄関を見に行くと、災獣園を管理してる(きょう)さんがいた。


虎雅「え!なんでここにいるんですか!?」


杏「世永に頼まれたんです。虎雅たちがいない間、しばらくはここの子のお守りをしてって。」


絢愛「ベビーシッターですか!?」


杏「そんなとこ。じゃあ挨拶がてら、おしるこ作るよー。」


杏さんがズンズンと家の中に入り、キッチンでおしるこを作り出す。


杏「みんな、昼まで寝てください。疲れたでしょう?」


虎雅「え!ま、まぁ…」


杏「私もある程度戦えるから。安心して寝てください。」


虎雅「…ありがとうございます。」


杏さんの言葉に甘えて、僕たちはリビングでマットレスを敷き、みんなで寝ることにした。


外はもう明けかけている。


絢愛「修学旅行みたいだね!」


樂「なんでお前が真ん中なんだよ。」


絢愛「みんなの温もり感じたいから!」


樂「…虎雅、交換しろ。」


虎雅「僕、端っこじゃないと落ち着かないんだよね。」


樂「清、交換。」


清「…。」


清くんはすでに寝ている様子。

他のみんなも疲れたからか、ぐっすり寝てる様子だった。


絢愛「ほら、みんな寝てるから静かに!」


樂「…。」


虎雅「おやすみ。」


絢愛「おやすみなさい!」


杏「…おやすみ。」


僕の慰撫団に入って初めの大晦日は、とても長い1日になった。

普段だったらあっという間に終わる一年の締めくくりの日なのにとても長く早く過ぎ去っていった。


僕は目を瞑り、おしるこの香りに包まれながら眠りについた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ