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僕たちが出来ること  作者: 環流 虹向
道府県参り
71/174

認知

京都駅に着いて新幹線を降りる。


絢愛「シカ見れるかな?」


樂「シカは奈良だろ?」


絢愛「え!そうなの!?残念…。」


樂「しょぼくれてないで早く行くぞ。」


虎雅「帰り、時間があったら見に行きましょう?」


絢愛「うん!そうしよ!」


人気のない場所を探して、小さい公園に着く。

そして葵煌さんの屋敷まで飛ぶ。


ふわっと風が来て目を開けると、沢山の鳥居が並んでいた。


樂「ここで合ってるのか?」


絢愛「合ってるよ!ここ抜けたら屋敷があるの!」


虎雅「すごいですね!伏見稲荷みたいで。」


絢愛「葵煌さんは写真を撮るのが好きだから、屋敷も結構カラフルなんだ。」


虎雅「へぇー!早く見たいです!」


と、話しながら歩いていると鳥居が終わって、赤い灯篭がずらっと少し長い階段の上まで続いている。


これは写真で撮ったら映えそうなところだな。


階段を3人で喋りながら登っていると、

上から誰か降りて来た。


「おーい!待ってたよー!」


暖かそうな赤い半纏にショートパンツ着ている女性で長い足を肩幅に開いて、大きく手を振っている。スレンダーなシニヨンヘアの女性。

そしてあの瞳。黒色がベースだが、少しゴールドが混じっている不思議な瞳。


虎雅「え…?あの人、モデルのキキさんじゃない?」


樂「え?誰?」


虎雅「え!知らないの!?モデル業界に革命を起こしたキキさん!ノンラップブーム起こした人!」


樂「誰?」


「そうでーす!」


目の前に一瞬で近づくキキさん。


葵煌「体が傷だらけでも、右手の親指がなくても、何か他の人より秀でたものを伸ばせば人生なんとかなるもんなのだ!」


ふふんと、キキさんが笑顔で得意げに自慢する。


絢愛「葵煌さん、お久しぶりです!」


葵煌「絢愛、おひさ!君たちの名前は?」


虎雅「佐伽羅虎雅です!ファンです!」


樂「梵唄樂です。」


葵煌「おお!ファン来た!握手しよう!私は秋森こうもり 葵煌ききらよろしくね!」


虎雅「ありがとうございます!」


キキさんと握手をする。


わぁ…!こんなところで憧れの人に会えるとは!

こんな疲れてる顔の時に会いたくなかった!


葵煌「じゃ、中に行こう!」


絢愛「はーい!」


屋敷の窓ガラスは大半がステンドグラスのようにカラフルなガラスが一枚一枚ランダムで貼られている。

こんなに色とりどりなのにごちゃついてる感がないのは、きっと屋敷は全体的に黒で締まっているからだろう。


みんなで屋敷の中に入り、キキさんに案内された部屋に一旦荷物を置く。


キキさんはお茶を持ってくると言って一旦外に出た。


刹牙『あのねーちゃん好きなのか?』


虎雅「うん。」


刹牙『お前とは趣味が合わないらしい。』


虎雅「タイプっていうか、尊敬に近いよね。」


刹牙『そうなのか?』


虎雅「うん。」


刹牙『ならどんな人がいいんだ?』


虎雅「僕の好きなタイプは…」


樂「おい、なんで犬と恋バナしてるんだよ。」


刹牙『犬じゃない。』


虎雅「え?聞かれたから。」


絢愛「恋バナしてるの!?私も参加する!」


そんなことをしてると襖が開いた。


キキさんともう一人背の高い黒髪短髪の男性が入ってきた。

その男性もキキさん同様スタイルが良く顔が整っていて、どこかのスタジオに来てしまったのかとこちら側が錯覚するほど。


目をよく見ると、キキさんに似て黒目にブルーが少し散りばめられた目をしている。

あれ?あの人たまにキキさんとコラボしてるモデルじゃないか?


絢愛「わぁ!犬太けんた久しぶり!」


犬太「名前呼びやめろ。東雲しののめ様と言え。」


絢愛「言いにくいよ!しのののののめ。」


犬太「のが多い!」


葵煌「そこのカップルいちゃついてないで。ケンは早くお客様にお茶を出して。」


絢愛・犬太「カップルじゃない!」


絢愛さんと犬太さんは仲が良いのか。

絢愛さんがこうやってふざけるところ初めて見たかも。


犬太さんは顔を歪ませながらお茶を出す。

せっかくの美顔がもったいない。


葵煌「さっきケンも帰ってきたばかりなんだ。犬太、挨拶。」


犬太「はい。東雲しののめ 犬太けんた、20歳、葵煌様の腹方を務めてる。眉目秀麗、才色兼備の俺しか仙姿玉質の葵煌様の隣居られない。」


葵煌「そんなことも無いけどね。」


自慢がすごいけど、この人も腹方なんだ。

樂と同じくらい強いのか。


虎雅「佐伽羅虎雅です。」


樂「梵唄樂です。」


犬太「…お前、世永さんの腹方か。こんなガキが腹方なんて東京はどれだけ人員不足なんだ。」


樂「あぁ?」


樂がイラついてる顔をしている。


犬太「なんだ?年上に楯突くのか?」


樂「年上だろうと、言って良いことと悪いことが区別がつかない脳ガキは一旦痛い目見た方がいいんじゃないか?」


樂が中指を立て自分の頭をつんつんとして、

犬太さんに向けて中指を向ける。


絢愛「脳ガキだって!うまいね!」


虎雅「ストップ!ストップ!」


葵煌「犬太。誰彼構わず喧嘩を吹っかけるな。」


犬太「はーい。」


むすっとした顔をして、葵煌さんの隣に座った。


葵煌さんと犬太さんは机を挟んだ向かい側に座り、僕たち3人並んで座る。


葵煌「ケンは見た目はいいけど、中身がイマイチなんだ、ごめんね!」


虎雅「犬太さんもキキさんと一緒に雑誌載ってますよね!」


犬太「お!お前、俺のファンか!」


虎雅「いえ!キキさんのファンです。」


犬太「そうか!許す!けど、隣は譲らない!」


そう言って、犬太さんはキキさんに少し近寄る。


葵煌「そう!雑誌でたまにケンと一緒に写真撮ってるんだ。たくさんの人に認知してもらって私たちの活動の一部を知ってもらうんだ。」


虎雅「臓方の仕事も平行してやってるんですか!すごいですね。」


葵煌「撮影も臓方としてやってるみたいなものなんだ。雑誌で身につけたファッションも、SNSに上げている雑貨も全て環境に良いものを取り上げるようにしているんだ!

私やケンきっかけで、そういう物を取り入れてくれたと反応があるとこれまた嬉しいんだ!」


嬉しそうに明るく笑うキキさん。


環境へのための発信も臓方の役目か。

普段の生活を送っている人たちにもっと自然に目を向けてもらうために、目が着けやすいものを利用して活用している。

そしてそれをやりながら、凶妖と戦ってる。


まさかの二足のわらじで驚く。


絢愛「葵煌さん、さすがです!」


犬太「俺は?」


絢愛「葵煌さんの邪魔してない?」


犬太「するわけないだろ!」


絢愛「うん!じゃあOK!」


葵煌「ケンは良くできた子だー!」


葵煌さんはわしゃわしゃと犬太さんの頭を撫でる。

犬太さんは満足そうな顔をしている。


葵煌「ケンは自分でご機嫌取れないめんどくさい子なんだ。ごめんね。じゃあ今から本題に入ろう!」


ぎゅいんっと会話が方向転換する。


葵煌「一霊四魂(いちれいしこん)について教えます!」


パーンっとお茶菓子だと思っていた色とりどりのまんじゅうを広げて説明し始めた。


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