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僕たちが出来ること  作者: 環流 虹向
道府県参り
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重い音

豪さんを待ちながら、三つ子にも自己紹介する。


「泣きぼくろがあるのが、正。」


「鼻の頭にホクロがあるのが、誠。」


「口元にホクロがあるのが、博。」


二轅が紹介してくれる。


虎雅「よろしくね。」


「「「よろしく。」」」


この兄弟たちはすごいな。

二つ子、三つ子の声が何度も合わさる。

とても仲がいいんだろうな。


[ドンドンドン…]

[トットット…]


二つの足音がこちらに近づいてくる。


柊優歌「お待たせ。みんなお茶どうぞー。」


絢愛・虎雅「ありがとうございます!」


柊優歌さんがみんなにお茶を配る。

その時もずっとニコニコしていた。


しかし、豪さんは無表情…というより怒ってる方が近いのか?

険しい顔が崩れない。


5人の兄弟たちは、とても大人しく豪さんの顔色を伺っている。


豪「毎年ご苦労。元気そうで何よりだ。」


絢愛さんの顔を見て言う。


絢愛「はい!豪さんもお元気そうで嬉しいです!」


豪「…。佐伽羅、お前はなぜ団員を追い出した?」


う…。急に僕へ向けての質問。


虎雅「(かしら)の考えと刹牙の行動が、今の僕たちには必要だと思ったんです。凶妖という存在ってだけで侮辱されるのも、殺せば事が収まると言う考えもやめてほしくて…。辞めろと追い出したのは口走りました。ご迷惑おかけしてすみません。」


僕は頭を下げた。


豪「別に謝ってほしいから聞いたんじゃない。」


僕は頭をあげて、豪さんを見る。


豪「人は皆、人に期待するから事の展開が遅くなる。俺は人を期待しない、したとしてもいい試しがない。」


柊優歌「…。」


柊優歌さんがこちらを見て少し苦笑いをする。

申し訳なさそうに体を縮こませる。


豪「お前がそう思っていた言葉も期待を込めて発したんだろうが意味がない。人は自分自身で変わろうとしない限り変わらない。」


豪さんの言葉でどんどん空気が重くなる。


豪「だから俺はお前たちにも期待しない。事だけ教えるから後は自分で噛み砕け。」


絢愛「はい!」


絢愛さんは笑顔で答える。


虎雅「はい。」


僕は少し気分が落ち込み気味で答えた。


豪「俺は着替えてくる。お前たちも準備しろ。」


豪一家「はい!」


みんな立ち上がる。

豪さんはゆっくりと立ち上がり、着替えに部屋を出た。


柊優歌「ごめんなさいね。豪の口グセが『人に期待するな』なの。」


虎雅「びっくりしましたが、豪さんの考えも分かります。確かに他人の意見の押し付けで人は簡単に変わるものではないですから。」


柊優歌「…。よかった。豪はあまり人と仲良くしようとはしないけれど、理解してくれる人がいると嬉しいと思うから。」


柊優歌さんが優しく笑う。


龍門「かーちゃん、早くしないととーちゃんに怒られる。」


柊優歌「はいはい、じゃあ準備しよっか。3人とも団服に着替えておいてね。」


絢愛「はい!」


虎雅「わかりました!」


柊優歌さんと5人兄弟も部屋を出て行って、着替えにいった。

僕たちが着替え終わる頃、バタバタと足音が聞こえる。


「「鬼ごっこー!」」


「「「おにごっこ!!!」」」


バーン!と襖が開け放たれる。


絢愛「びっくりした!」


二轅「みんなで今年も鬼ごっこするぞー!」


「「「「イエーイ!」」」」


元気だな。さっきまで大人しかったのに。

みんな団服に似た動きやすい服を着ていた。


柊優歌「うるさくてごめんなさいね。元気が一番って思って、育ててきたからこんなになっちゃったの。」


絢愛「元気が一番です!最高です!」


虎雅「豪さんが来ると大人しくなるのは何故なんですか?」


部屋中で刹牙と暴れまわる兄弟を尻目に質問する。


柊優歌「うーん。なんでも1人でやってしまう父親だから憧れか、尊敬か、はたまた怖いのか分からないけど大人しくなるわね。」


虎雅「なんでも一人で?」


柊優歌「口グセが人に期待しないだから、豪の行動も人に期待しない立ち回りなの。昔からそうだから、もう変わらないかもしれないわね。」


虎雅「凶妖との戦いも一人でやってしまうんですか?」


柊優歌「そうね。一応、団員さんは一緒に数人ついていくのだけど、豪が終わらせてしまうの。」


虎雅「へぇ…。すごい強いんですね!」


柊優歌「でも人に頼らないから、片腕無くしたんだけどね…。」


悲しそうな顔をする柊優歌さん。

羽織を肩にかけていたから気づかなかったけど片腕がなかったのか。


虎雅「片腕を無くしても、まだ臓方をやってるんですか?」


柊優歌「そう。元々二刀流だったから腕力には自信があるらしいの。」


虎雅「なるほど。」


柊優歌「でも…、そんなに一人で気張らなくてもいいのにって思ってしまうのよ。もう少し団員さんを信頼してあげてほしいわ。」


柊優歌さんが少し下を見て、ポツリと言う。


するとあの重い足音が聞こえて来ると同時に部屋が静かになる。


スッと襖が開く。


豪「庭に出ろ。今まで習った事と今教える聴静保通ていせいほつうを使って隠れ鬼をする。」


豪さんがみんなを引き連れて庭に出る。

そこは庭と言うより、森林だった。

ここで隠れ鬼は中々大変そうだ。

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