二つ子、三つ子
絢愛「やっぱり、ちょっと寒いね。」
虎雅「海が近いからですかね?」
樂「呑気なこと行ってないで、さっさと人気無いとこ行くぞ。」
人1人通れるか分からないくらいの路地に入り、豪さんの屋敷に飛ぶ。
目を開けると、とても高い塔が立っている。
しかし、コンクリートではなく全て木材で出来ている。
あそこの塔からだと、海が見えそうだ。
どんどん屋敷に近づくと子どもの声が聞こえる。
絢愛「豪さんたちの子どもかな?」
絢愛さんは走り出す。
僕と樂はそのまま歩いて絢愛さんについて行くと
すでに絢愛さんと刹牙が遊んでいた。
「うわぁ、絢愛彼氏2人いるのかよ。」
絢愛「違うよ!腹方の樂と新人の虎雅だよ!」
「「よろしく!」」
そっくりな顔の美少年が僕たちに握手を求める。
年は背格好が彩晴と同じくらいだから、11〜12歳といったところだろうか。
虎雅「佐伽羅虎雅です。よろしく!」
樂「よろしく。」
手を繋いだ瞬間、僕の体が浮き地面に叩きつけられる。
虎雅「え…、えぇ!?」
「「よっわぁ!」」
双子の声が僕を見ながらギャハギャハ笑っている。
樂「お前、年上なんだから負けんなよ。」
「「お前はつまんない!」」
樂「年上を敬え。」
「「嫌だねー!」」
ベーっと、ベロを出し2人同じ顔をしてる。
僕は立ち上がり荷物を拾い上げる。
虎雅「2人の名前は?」
僕が急に名前を聞いたから2人はびっくりしていた。
「右眉に一本傷がついてるのが、二轅。」
「左眉に二本傷がついてるのが、龍門。」
お互いがお互いを紹介し合っている。
2人ともとても仲がいいらしい。
虎雅「おー!本当だ!かっこいい名前だね。よろしく!」
二轅「…お前怒らないのか?」
龍門「こっちの彼氏は怒ったのに?」
虎雅「え?遊びでしょ?」
「「…。」」
絢愛「正、誠、博は?」
「「中にいるよ!」」
2人は絢愛さんと刹牙を引っ張って行く。
置いてかれないようについて行くと、縁側から4人は入っていった。
絢愛「上がらせていただきます!」
絢愛さんはいつもよりも大きい声を出して、縁側から入って行く。
僕たちも大きい声で家に入ることを伝える。
するとトットットと小さな足音が聞こえる。
「あらあらー。絢愛ちゃんたち来たのねー。」
絢愛「あ、柊優歌さん!こんにちは!お久しぶりです!」
柊優歌「久しぶりねー。元気そうでよかったわ。」
ニコニコと優しそうな小柄な女性と絢愛さんは話し始める。
絢愛「この人は柊優歌さん。豪さんの奥さんだよ!」
虎雅「佐伽羅虎雅です。無断で上がってしまってすみません。」
樂「梵唄樂です。」
柊優歌「いいのいいのー。よろしくね。気にしないで。それよりあの子たち失礼なことしなかったかしら?」
刹牙を2人で追いかけ回してるところを柊優歌さんは指を指す。
虎雅「いえ!元気いっぱいでいい子ですね!」
柊優歌「あら!それなら良かった。今豪を呼んでくるから、こちらの部屋で待っててね。」
樂「…。」
絢愛「はい!ありがとうございます!」
柊優歌さんが僕らに背を向けて、豪さんを呼びに行くと同時に3つの小さな影が僕らの足に凄い勢いで掴む。
「「「よぉー!あやめのかれし?」」」
また似たような顔が三つ並ぶ。
翔馬くらいの背格好なので、6〜7才くらいだろうか。
絢愛「違うよ!腹方の樂と新人の虎雅!」
「「「よろしく!」」」
また手を出される。
僕はまた握手をする。
すると、また引っ張られたので負けじと引っ張り返して、勢いでだっこしてしまった。
「「うわ、ダッセ!」」
2人が僕が抱っこしてる子に向かってダサいという。
抱っこしてる子の様子を見ると、口を尖らせて今にも泣きそうな顔をしてる。
虎雅「うわ!ごめん!」
僕はそっと下ろした。
「「ないてやんのー!」」
「うるさい!」
それを見ていた樂が罵っていた2人を抱き上げる。
樂「人を下げる言葉言ってる奴ほどダセェ奴はいねぇよ。」
「「…。」」
僕が抱っこした子のように口を尖らせ始めて泣き始める。
「「おろせ!おろせ!おろせ!」」
と大きい声で言い始めた。
樂「こいつに謝ったらな。」
「「…ごめんなさい。」」
樂がそれを聞くと2人を静かに下ろす。
「「「にぃちゃんたちにいじめられたぁ…!」」」
3人が二轅と龍門に駆け寄る。
二轅「何やってんだ!男ならやり返せ!」
龍門「お前たちは3人で1人なんだから自分たちがなんとかしろ!」
「「「ヤダヤダヤダヤダ!」」」
すごい…うるさい。
僕と一緒に暮らしてる4人はだいぶ落ち着いてる子だったんだなぁ…。
ドンドンドン…と静かな重低音で人の足音がする。
するとさっきまで騒いでいた5人がピタっと静かになり正座をし始めた。
その様子を見て、刹牙が驚いている。
ぬっと廊下の角から出てきた影。
デカ!っと思いしっかり目で確かめると、
どことなく大一さんに似ているパーマがかっている髪の毛が印象的な人が来た。
「…名前は。」
虎雅「佐伽羅虎雅です。」
樂「梵唄樂です。」
絢愛「幸田絢愛です!」
じっと僕らのことを見て、少しすると5人の方向を見る。
「あいつらと一緒に座って待ってろ。」
と言って、僕たちの間を通ってどこかに行ってしまった。
絢愛「あの人が豪さん。」
虎雅「あまり喋らない方なんですか?」
絢愛「うん!でも臓方で一番凶妖の捕獲数ナンバー1なんだ!」
虎雅「すごいですね!」
嘉田苛家の血は福耳らしい。
豪さん、5人兄弟みんな綺麗に福耳だった。
絢愛さんに少し情報を教えてもらいながら、5人の子供たちが座ってる部屋で僕たちも待つことにした。




