温もり
大一「荷物持ったか?」
絢愛「はい!」
虎雅「大丈夫です!」
大一「よし、行くぞ。」
大一さんが唱え始める。
僕は目をつぶり風が吹くのを待つ。
大一「おい。」
真正面から大一さんの声が聞こえるので目を開くとどこかの家の玄関にいた。
大一「俺を誰だと思ってる。臓方だぞ?目を閉じなくてもグネッたりしねぇよ。」
虎雅「すみません!癖で!」
「あ!お父さん!絢愛ちゃん!」
女性の声が大一さんの後ろで聞こえる。
大一さんが振り返り、
大一「嵐、絢愛たち連れてきたぞ。」
嵐「ありがとー!…え、また酒飲んでるの?」
大一「いや…これは料理酒だ。」
嵐「料理酒でも!なんでも!正月だけって言ってるでしょ!」
大一「…絢愛がいる席は、酒が美味いんだよ。」
嵐「だからって、飲まなくてもいいでしょ!もう若くないんだからもう少し体を大切にしてよ!」
大一「すまんって。」
嵐「今日はここでお酒抜いてって。」
大一「いや、まだ残りのもんじゃが…」
嵐「火通ってるんなら明日でもいいでしょ!無断で帰ったら正月に一緒に呑もうと思ってたお酒、持ってかないから!」
大一「分かったって…。」
どんな人が大一さんをここまで肩幅狭くしているのか大一さんの背中からそっとのぞいて見ると、
大一さんの半分くらいの小さい女性が真上を見ながら怒鳴ってる。
顔の鼻から下は布で隠されていた。
嵐「あれ、君初めて見る顔だね。」
あ、バレた。
少し体をずらしてちゃんと顔を合わせる。
虎雅「佐伽羅虎雅です。よろしくお願いします。」
嵐「た…いが……、あ!追い出した新人君か!」
この話は日本中に広まってるんだな。
大一「もう1人いるぞ。世永2世。」
どんっと樂が背中を押される。
樂「…梵唄樂です。」
嵐「おー!2世ぽいね!2人ともよろしくね!」
2人でお辞儀して、中に通してもらう。
すれ違う人たちが大一さんを見るとその場で立ち止まりお辞儀をする。
さっきまで怒鳴られていた人とは思えない威厳だ。
嵐「ここの部屋で待ってて。泊まる部屋準備してくるから。」
と言って、走ってどっか行ってしまった。
大一「…食いたかったな。」
ごろっと寝っ転がる大一さん。
相当あのもんじゃ好きだったんだろうな。
確かにすごく美味しかったし、思い出しただけでお腹減ってくる。
絢愛「私も寝っ転がる!」
ぼーん!と絢愛さんは大一さんの股の間に入り
大一さんの体を枕がわりに使う。
絢愛「あったかーい。やっぱりここが一番眠れる…。」
と言いながら、眠りにつき始める絢愛さん。
飛行機の時ずっと体を強張らせていたから疲れてたんだろうな。
大一「お前らも来い。今なら腕枕してやる。」
虎雅「え…でも…」
大一「遠慮はいらん。俺は人の重さを感じながら寝るのが好きなんだ。だから来い。」
大一さんが手招きする。
これで怒られるのも嫌なので寝ることにした。
大一「ボンの助も来い。」
樂「嫌です。」
大一「じゃあ腕枕で俺が勝ったら来い。」
大一さんの胸板で試合は見えなかったけど樂が負けたらしく嫌々腕枕で寝っ転がっていた。
大一さんの脈が耳元で鳴る。
久しぶりに父さんと寝てるみたいでとても嬉しかった。
そのまま僕たちは寝てしまったらしく、起きたら大きい布団が僕たちにかけられていた。




