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僕たちが出来ること  作者: 環流 虹向
各々の思惑
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予習復習

ご飯を食べたあとはお風呂入って、ボードゲームをして彩晴、翔馬、優太は寝る時間になったので先に寝た。


真司は自分の部屋でまた勉強するらしい。


僕の部屋で樂はゴロゴロとしている。

今日始めて来たのにいつものようにのびのび出来るのは才能でしかない。


僕は久しぶりに勉強することにした。

単位を取れる程度には勉強しておかないとな。


樂「勉強してんのか?」


虎雅「うん。」


樂「じゃあ漫画借りるわ。」


虎雅「うん。樂は進学?就職?」


樂「あー…?就職って言うのか知らないけど、世永のとこに行く。」


虎雅「そっかー。そういう道もあるんだな。」


樂「お前は来ないのか?」


虎雅「え?進学考えてたんだけど…」


樂「…まあ、それぞれやりたい事があるからな。」


と、樂は漫画をまた読み始めた。


そっかー…、せいさんの所に行くのもアリなんだな。

確かに今の災害は凶妖が起こしてるって分かったから、今せいさんたちにお世話になってるんだもんな。

そうなるとせいさんの所でしっかり鍛えてもらうのが一番なのかもしれない。


じゃあ、今なんのために勉強してんだって話なんだよな。

まあ、高卒以上は取っておきたい感はあるけど…。

単位先取りしないといけないから結構やること多いなぁ。


これを2ヶ月でとるって…、樂って意外と頭いいんだな。


長い時間やってると、うとうとして来た。

朝から昼まで寝たのにやっぱり夜は眠くなってしまう。


虎雅「樂、ちょっと寝そうだから…」


と、樂を見ると先に寝てしまっていた。

樂も疲れてたんだな。


僕は風呂に入って目を覚まそうと風呂場に向かう。


真司「あ、まだ起きてたんだ。」


虎雅「うん、真司も寝ないの?」


真司「なんか寝れなくて。」


虎雅「そっか。なんか飲む?」


真司「うん。」


僕は豆乳を温めてココアを作る。


真司「ぼんにぃってあの北棟に住んでる人じゃない?」


虎雅「うん、そうだよ。」


気づいてたんだ。


真司「あそこにいる人って危ないイメージあったけどそうでもないんだね。むしろいい人って感じ。」


虎雅「確かに。表情変わらないけど、いいやつだね。」


真司にココアを渡す。


真司「ありがとう。」


虎雅「なにか心配事でもあるの?」


真司「…なんで?」


虎雅「顔が言ってる気がする。」


真司「んー…」


独特の間が真司がなにか心配している事を伝えてくる。


コクコクとココアを飲む真司。


虎雅「話したい人に話せばいいよ。自分で解決出来ないなら人の手を借りるのも必要だよ。」


真司「うん。」


僕はココアを飲み終わり、服を持って風呂場に行こうとする。


真司「あ、待って。」


虎雅「あ、ごめん。どうした?」


真司「虎雅にぃ…。お腹の怪我どうしたの?」


あ…、そういうことか。

僕に気を使ってたのか。


虎雅「これは…」


[ガチャ…]


と、リビングの扉が開くと樂が来た。


樂「危ねぇ、寝るとこだった。水貰っていいか?」


虎雅「え、うん。」


樂は自分でコップを出して水を飲む。


真司「お腹の怪我って仕事で?」


虎雅「あ…」


樂「虎雅のか?」


樂がそれを聞き、真司に声をかける。


真司「…うん。」


樂「そうだ。」


えっ!言っちゃっていいの?


樂「俺が守りきれなかったからだ。すまん。」


真司「…?同じところで働いてるの?」


樂「そうだ。ごめんな。」


真司「虎雅にぃ達ってなんの仕事してるの?」


樂「あー…?災害を止める有償ボランティアかな。」


真司「止めるって?」


真司が質問責めだ。


樂「俺たちは指示された事をやるだけだから詳しくは分からないけど、止められる。」


真司「ふーん…。」


虎雅「納得?」


真司「うん。俺も入りたい。」


「「え…」」


2人で思わず顔を見合わせてしまった。

真司は元々そういうことしたくて、勉強と体づくりに励んできてたからそう思っても不思議じゃないけど…


樂「真司は、まだダメなんだ。」


真司「なんで!?俺、ぼんにぃが思ってるより動けるよ?」


樂「お前の名前が出た時、連れってやる。だから今は死なない程度に努力しろ。」


真司「出るって…。俺のことを知らない人たちが俺の名前なんか出すわけないじゃん!」


樂「知らないけど、名前は浮き上がるんだよ。けどこんなものに選ばれても全く嬉しくないぞ。」


真司「どうして?災害を止める立派な仕事じゃん。」


樂「どんな仕事にもそれなりのリスクがある。災害を止めるって事はこっちの代償も大きいんだ。」


真司「それで虎雅にぃのお腹に傷があるの?」


樂「それもそのひとつ。その傷を受けた直後より、その後が大変なんだ。」


真司「どうして?」


樂「気持ちの問題だ。自分自身の心を傷つけてまで立ち向かわなきゃいけなくなる。」


真司「…?」


虎雅「真司は今できることをやっていけばいいんだよ。僕は僕なりにそれをやってるだけの話だよ。」


真司「…わかった。俺そこで名前が上がるようにこれからも頑張る。そこは何てとこなの?」


樂「イブ。ネットで調べても意味ないからな。」


真司「そっか。分かった。」


樂「この事だけに囚われて生きるなよ。お前はまだ名前が出ていないんだ。俺たちより自由がある。それを無駄にするな。」


真司「…よく分かんないけど、わかった。」


樂「納得したなら寝ろ。明日も学校だろ?」


真司「うん、おやすみ。」


虎雅「おやすみ。」


真司は自分の部屋に戻っていった。

樂がこんなに冷静に話せる人間だとは思ってなかったな。


…あ。


虎雅「イブってどう書くの?」


樂「はぁ?知らないで今までいたのかよ。紙。」


と言って、手を出してくる。

僕は近くにあったメモとペンを渡す。


『慰撫団』


虎雅「難しい字だね。」


樂「昔の人間が考えたからな。」


虎雅「ふーん。あ、風呂入ったあと屋敷戻ろうかと思うんだけど。」


樂「あと3時間で朝だぞ。どうせならみんな見送っていけよ。」


虎雅「うーん、でも寝そうだし…」


樂「布団にくるめておけば、動けないだろ。」


それじゃあ、どっちにしろ寝られなさそう。


虎雅「ま、朝までいるよ。」


樂「そうか、風呂上がったら起こせ。一旦寝る。」


樂はリビングの椅子に座ったまま目を瞑ってしまった。


昨日今日で僕らのために動いてくれてありがとう。


元々そんなツンツンした性格ではないんだろう。

だけど、自分が死なないために、人を傷つけないために自分の気持ちを押し殺しているんだろうな。


僕たちみんなが思いっきり心の底から笑顔になれる日を求めてもっと頑張らないと。


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