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僕たちが出来ること  作者: 環流 虹向
各々の思惑
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6つ

あのあと団服をきた人たちが5、6人来てくれたらしく

子供たちは無事に帰っていった。


せいさんと刹牙は、一足先に屋敷に帰るらしい。

もし、僕が家で寝てしまいそうだったらいつでもこっち来ていいからねと言っていた。


ずっとちゃんと寝れていない上に、

たくさん血を使わせて、さらに怪我までさせてしまった。

僕がもっと強くならないとまた誰かが怪我をする。

誰かが悲しむ。それは嫌だ。


多分味噌ラーメンなんて食べてる余裕は…、ないんだろう。

みんなが眠る頃に僕は屋敷に行って体を鍛えよう。


僕は優太を静かに抱っこして、家に向かう。


樂「お前、腹いいのか?」


虎雅「チクチクするだけだよ。」


樂はそっと優太を僕から引き離し、抱っこする。


樂「怪我人は無理すんな。」


虎雅「…ありがとう。」


樂の優しさが心にしみる。

だけど、思う存分には浸れないもどかしさ。


家に着き、扉を開ける。


「「「「「優太!」」」」」


みんなとおばさんが、家で待っていた。


優太はその声で目を覚ます。


優太「あれぇ?ねこさん…?」


彩晴「無事でよかった!」


彩晴がいの一番で優太に抱きつく。

翔馬もそれに続いて抱きつく。


真司「よかった…。」


真司は真下を向いて、顔を手で拭う。


虎雅「すみません。おばさんまで迷惑かけちゃって。」


おば「いいのいいの。みんなが元気なら。樂も探してくれたんだね。ありがとう。」


樂「…。」


おば「じゃあ私は警察の人に連絡してくるから、あとはみんなでゆっくりご飯食べなさい。」


虎雅「ありがとう!」


おばさんを見送り、部屋に戻ると

樂がネギを大量に洗っている。


虎雅「え…6本?」


樂「1人一本マストだろ?」


虎雅「いや、そんなに入らないかも。」


樂「だから体が弱いんだ。」


と言って泥を取り、白髪ねぎを作っていく。


虎雅「料理出来るんだ。」


樂「これしか出来ない。」


白髪ねぎだけ?そんなことあるんだろうか。


虎雅「麺茹でてみてよ。」


樂「あー、それは出来る。」


鍋に水を入れて、火にかけてすぐに麺を入れようとする樂。


虎雅「待って!沸騰してからだよ!」


樂「え?先に入れても一緒だろ。」


虎雅「違うって!いいよ…もう。」


僕はしょうがなく交代する。

優太たちはいつも通りに過ごしている。

さっきまで起きていたことが夢のようだ。

この家にいると、大猫のような凶妖のことを忘れる。


虎雅「ラーメン皿取ってー。」


樂「はい。」


備え付けで全ての部屋に6皿ずつ置いてある。

初めて6皿使うな。


ラーメンを皿に盛り付けて、いつものテーブルに持っていく。

いつも使っていなかった6つ目の椅子を持ってきて樂に座ってもらう。


彩晴「虎雅にぃちゃん、ぼんにぃちゃん。ありがとう!」


真司「ぼんにぃ?」


虎雅「梵唄 樂って言うんだ。」


真司「ぼんにぃありがとう。優太見つけてくれて。」


樂「…ぉおう。」


いつもハキハキしてるのに、初めてどもったような感じで話す樂。


翔馬「おなか、すいたー!」


優太「すいた!」


虎雅「じゃあ、いただきます!」


「「「「いただきます!」」」」


樂「…いただきます。」


普段より遅い夜ご飯。

いつもより一つ多い、皿と椅子。

なんだか嬉しい気持ちになった。


彩晴「なんかねぎ多すぎない?」


樂「これが通常だ。」


彩晴「そうなんだ!店で食べたことないから知らなかったー!」


真司「いや、これは多いと思う。」


虎雅「ぼんにぃスペシャル、ねぎねぎボンバーイエイ。」


優太「ぼんばいえー!」


樂「お前はその名前で俺を呼ぶな。」


翔馬「ぼんにぃたちって同じ学校なの?」


虎雅「そうだよー。」


樂「無視すんな。」


ダンと足を踏まれる。


ああ、こうやって楽しいだけの人生を送れたら

どれだけいいだろうか。

みんなで冗談言って笑って、美味しいご飯を食べれる。


家族を失ってここにきたけれど、

そうでなければみんなに出会えてなかった。


失ってから大事なことに気づく、とよく言うけど

得たときにも大事だと気付かされるんじゃないかなって僕は思うんだ。


だって今僕が思ってるんだもん。

うん、絶対そうだよ。


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