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僕たちが出来ること  作者: 環流 虹向
各々の思惑
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あっかんべ

「あと半分…。」


みんなで協力して1人1人バラバラで焼き進めるお灸を消していく。


世永「刹牙、あんま無駄遣いしないで。結構きついから。」


『やってるわ!すまん!』


虎雅「ごめんなさいって言ってます。」


世永「犬の手も借りないとこの人数きついからな。ここにあと3本あるから無くなったらまた言って。」


『犬じゃねーって。』


虎雅「はい!」


樂「わかった。」


4人で血を無駄使いしないように火を消化していく。

やっと優太の番が来た。


ごめんな。怖かっただろうに。

静かに動かずに寝ている優太が一瞬死んでいるように見えて鳥肌が立つ。


優太のお灸を消し切ってまた次の子のお灸を消す。


あと少し…、よし。

みんな助かる。


『おい、この血生臭いのはなんだ。』


刹牙が声じゃない。

開いている襖を見ると虎のように大きい白い猫がこちらを睨みつけてた。


虎雅「せいさん!樂!」


刹牙『うぉ!匂いが充満してて気づかなかった。』


世永「これまた…最近は大物が出てくるな。」


樂「俺らは構わず消してけ!」


虎雅「わかった!」


僕は樂に言われた通り子供のお灸を消していく。


世永「仲間はいるのか?」


『うじゃうじゃだ。』


虎雅「うじゃうじゃだそうです!声聞こえないんで多分野良猫です!」


『なんだあいつは。声が聞こえてる?』


世永「野良だったらまだ大丈夫かな。」


せいさんは持っていた瓶で大猫に飛びかかる。


世永「止まれ。」


『なんだ?目ぇかっぴらいて。』


ドシン!と大猫がせいさんを避ける。


せいさんは、今時間稼ぎをしてくれてるんだ。

急げ!あと3人。


ふわっと自分の頭上に風が吹いたかと思うと、

バコン!と近くにあった襖に大猫が体当たりして向こう側の部屋に飛んでいく。


そこには宣言通りのうじゃうじゃの野良猫たち。


樂「最後は一番右上の子だ!頼む!」


樂は、せいさんからマイクを貰い唄いだし、野良猫を蹴散らす。

せいさんはずっと大猫に瓶を刺そうとする。


あと1人!


僕はその子に向かって走りだす。


『やめろ!』


制止など気にせずに一心不乱にそこの元へいく。


ドン!っと大猫が一瞬でその子の上に(またが)る。


くそっ、僕の足がもっと早ければ。

自分に対しての怒りが増す。


すると、一歩の強さが段違いに上がる。


よし…。狙いはあの猫の間。


子供たちを踏まないようにもう一歩踏みしめ、

猫と子供の合間に滑り込み瓶を握りつぶして血をお灸にかける。


僕はその猫の間を通り越して廊下に出てしまった。


『何をしてくれるんだァ!』


大猫の毛が逆立つ。

さっきより殺気が強くなる。


『毛を汚したくは、無いがもうこうするしか無いか。』


と言って、足元の子供に噛み付こうとする。


虎雅「やめろ!」


間に合え!あんな小さい子供が僕たちと同じ思いをしてしまう。


世永「やめろ。」


虎雅「え…!」


せいさんは自分の左手を大猫の口に突っ込む。

だけど、腕から大量の血が流れる。


『グアアアアア!』


なぜか大猫が痛がってる。


世永「これで終わり。」


バチンっ!と大猫の頬を平手打ちしたせいさん。

すると大猫の動きが止まり、体がだらんとしてくる。


気を失ったのか?


するとぽわっと明るい光に囲まれて、

あのネズミの時と同じような光の玉になる。


樂のあのキラキラした箱に吸い込まれる。


樂「大丈夫か。もう少し早くやってれば…」


世永「まあ、しょうがない!ここにいる子供たちは助かったんだ。」


虎雅「せいさん、すみません。もっと僕が…」


世永「いいんだよ。虎雅は出来る事をやってくれたんだ。ありがとう。」


虎雅「…僕、もっと動けるように頑張ります。」


僕は服を脱いでせいさんの腕を止血する。


世永「え…ありがとう。俺も貧血気味だったからちょっと動きが悪かったんだ。危ない目に合わせてごめんね。」


樂「反省会のとこ悪いけど、これどうする?持って帰るか?」


世永「うん。これに入れて、いつも通り血拭っといて。」


樂「わかった。」


と言って、せいさんが出した缶を樂が取りにくる。

すると、せいさんがあっかんべっと舌を出す。

その舌を樂が親指で触れ、湿らす。


虎雅「え!」


樂「お前もこいつら起きる前にやれよ。」


そしてお灸を缶に入れて、湿らした親指で血を拭く。


虎雅「…え?」


世永「俺の唾液で拭き取らないと、血の法力取れないんだよね。」


べぇっと舌を出すせいさん。

これは仕事、これは仕事。


虎雅「わかりました!失礼します!」


ぴっとせいさんの唾液を貰い、樂と一緒にお灸集めする。


世永「刹牙は、あの猫と知り合い?」


『いや…関わりはない。』


虎雅「関わったことは無いそうです。」


世永「ふーん…?」


刹牙を見つめるせいさん。

なにか引っかかることでもあったんだろうか。

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