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僕たちが出来ること  作者: 環流 虹向
各々の思惑
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久しぶり

あれから3日目の朝。


僕は、急激に痩せた。というかこけた。

ストレスもあるし、ハードな訓練だからかもしれない。


あの日、僕が暴れたからみんなに嫌われるんだろうと思いながら過ごしていたけど、みんないつも挨拶してくれたり、話しかけてくれる。


屋敷を一部破壊しかけた人間にこんなに優しくしてくれるみんなの心が温かくてその都度涙が出そうになる。


だけど、僕の感情の芯には怒りを感じていないといけない。

芯が弱いと他我に襲われやすい。

だから心の底から感謝を伝えにくい。


あの日からせいさんは寝ないで僕の様子を見てくれる。


せいさんもいつもこんな感じで、感情をむき出しに出来ないんだなと思うと辛くなる。

だけど、みんなが僕と普段通り話してくれるだけで気が楽になる。


世永「今日は、家帰る?」


虎雅「いいんですか?」


世永「ここでたっぷり寝て、あっちではずっと起きてる事になるけどそれでもいいなら。」


虎雅「はい!」


やった!やっとみんなの待つ家に帰れる。


世永「わかった。じゃあ樂も一緒にいてね。」


樂「は?俺は嫌だ。」


樂は庭で竹刀を素振りしながら、拒否する。


世永「不自然じゃない人で、虎雅を収められる人は樂しかないんだよ。」


樂「…じゃあネギ鍋作っとけよ。」


世永「はいはい。わかった。」


虎雅「ありがとう!うちの晩ご飯もネギ鍋にしよっか?」


樂「いや、味噌ラーメン食いたい。」


虎雅「わかった!作るね!」


世永「じゃあ時間までみんなでまた昼寝しよー。」


大あくびをしてせいさんは縁側で寝始める。

僕も寝ようと思ったが、明るいしみんなに会えることが楽しみでなかなか寝付けなかった。



世永「じゃあ、明日の朝またこっち来て睡眠とろうね。」


虎雅「はい!行ってきます!」


樂「だっる…。」


樂と手を繋ぎ目を瞑る。

樂が唄い終わると、久しぶりの優善一宅に着いた。


虎雅「買い物いこー!」


樂「変に体力使うな。面倒はごめんだ。」


虎雅「あ!ついでにあの鯛焼き屋行ってうちと屋敷の人たち分も買おう!」


樂「だから、無駄に体力消費するなって言ってんだろ!」


僕は久し振りに元の生活に戻れてウキウキしていた。

だけど、芯では自分に対しての怒りを忘れないように心がける。


学校付近のたい焼き屋さんに行く。


虎雅「こんばんは!」


「おー、久し振りだな。今日は友達と一緒か。あ…サボりだな?」


虎雅「ちょっと青春しようかなと。いっぱい頼むけどいい?」


「おう!どれを何個だ?」


たい焼き屋の店長とたわいもない話をする時間がこれほど楽しいなんて思わなかった。


虎雅「あ、あんことクリーム一個ずつ今食べるから別の袋に入れてほしいな。」


「あいよー。」


20個近いたい焼きをポンポン焼き上げる店長。


「はい、おまたせ。」


お土産分と今僕たちが食べる分のたい焼きをもらう。


虎雅「え!これいいの?」


僕たちが今食べる分のたい焼きの頭が、それぞれ二つある。


「いいんだ。ちょっと作りすぎたから。」


虎雅「ありがとうございます!」


樂「ありがとうございます。」


「また来いよ。」


たい焼きの店長にお別れをしてスーパーに向かいながらたい焼きを食べる。


虎雅「うはぁー…やっぱり美味いなぁ。」


焼きたてでホクホクのモチモチのたい焼きは最高だ。


樂「…そうだな。」


樂は顔色変えずに黙々と食べているが目を輝かせていることはわかった。


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