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僕たちが出来ること  作者: 環流 虹向
各々の思惑
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無意識

僕が次に目覚めた時、

目の前に畳があり突っ伏して寝ていた。

というか誰かに押さえつけられている。


樂「おい、虎雅。目ぇ覚めたか?」


虎雅「…うん。」


周りの様子を見ると、襖や畳が大きい獣が荒らしたような惨状になっていた。


樂「そのまま起きてろ。絶対寝るな。」


虎雅「わかった。」


樂「救護班!来い!」


ドタドタと畳から直接足音が聞こえる。

樂に体を起こされて、気づく。


僕は腕と足が拘束されてる。


虎雅「なにが…」


樂「何も考えるな!とりあえず起きてろ!」


担架に乗せられて救護室に向かう。

救護室にはせいさんたちが慌しく何か作業をしている。


世永「ごめん。俺がいたのに。少しチクっとするよ。」


せいさんが注射を僕の腕に刺す。


世永「…はぁ。ひと段落かな。みんな、ごめん。俺の判断ミスだ。」


樂「虎雅いなかったらすぐに対処出来なかったんだ。しょうがない。」


世永「でも、1日で二回も虎雅を凶妖に噛まれた。」


樂「こいつの運が悪いだけだ。まだ生きてるんだからいいだろ。」


世永「いや…」


樂「これからをどうするかだって。こいつは泊まりこみで自我穿通を教えないと…」


二人で僕のことを話している様子。


僕は体を捩り、起こす。


虎雅「すみません。僕が二人の足を引っ張ってしまって…」


世永「ううん。虎雅がいたからすぐにネズミ達を対処出来たんだ。だから謝らないで。俺が虎雅を守らないといけないのにちゃんと出来なくてごめん。」


樂「謝ってばかりじゃなくて、これからを話合え。」


世永「…はい。虎雅は今日ここに泊まって自我穿通の力を高めてもらおうと思う。だから家の人に連絡しておいて。」


虎雅「…僕が帰ると危ないんですか?」


世永「…うん。今一緒に住んでいる人たちの安全を保障出来ない。だから2、3日こっちにいてほしい。」


虎雅「僕、気を失ってる時何したんですか…?」


せいさんが言いづらそうな顔をする。


世永「今後のためにも見に行こうか。」


せいさんが僕の手足を拘束していた縄を解いて、

背中に僕をおぶる。


樂も後ろに着いてくる。


せいさんはさっき僕がいた部屋の方向へ歩いていく。

すごい…土臭い。

こんなこと、この屋敷に来てからなかったのに。


一つの襖をせいさんが開ける。


その部屋はとても荒らされていて、家具や襖、畳、全てが使い物にならなくなってる。

その部屋から出れる庭の木は乱雑に切り倒されていて人ならず者がやったとしか思えない様子。


虎雅「僕がやったんですか?」


世永「うん。虎雅が他我に自我を乗っ取られて大暴れしたんだ。だから…」


僕がこれをやったのか…?

せいさんが話してる声が聞こえない。

部屋の隅には、誰かの服が破れた布が落ちてる。


虎雅「怪我した人は?」


世永「かすり傷だけど…、1人。」


虎雅「いるんですね。」


僕が弱いばかりに、人を傷つけてしまった。


樂が僕の背中を掴む。


樂「泣くな。お前は生きてるんだ。次に進むしかない。」


ぎゅっと掴む手が強くなる。

僕は言われた通り、涙をこぼれないように上を向いて寸前で止める。


世永「虎雅がどんなの時でも、人を傷つけないようにするから。会いたい人に会えるようにするから、これから頑張ろうね。」


虎雅「…はい!」


僕はその日から自我穿通を高めて

こんなことがまた起こらないように訓練をした。

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