同類
「腹も落ち着いたし、みんなで鬼ごっこだー!」
せいさんは、着物からジャージに着替えて部屋に戻ってきた。
虎雅「誰が鬼ですか?」
世永「3人全員が鬼に決まってるじゃーん。」
ルール知らないのかな?
樂「俺は誰?」
世永「俺だよ。虎雅は樂を捕まえる。俺は虎雅を捕まえる。」
ぎゅっとハグされる。
せいさんは時々距離感がバグる時がある。
世永「虎雅はちょっとのろまだから、隠れるハンデありね。樂を捕まえるために道具あったら使ってもいいよ。」
虎雅「でも、せいさんに捕まったらアウトなんですね?出来るかな。」
世永「まあ手加減はするよ。自我穿通しながら走ると普段より早く動けるからそれの練習ね。」
虎雅「わかりました!」
世永「じゃあ、通り道の襖は全部開けとく事。範囲はこの屋敷全体。終わるのは日暮れか、 二人捕まるまで。一番最初に捕まった人はまるちゃんに恋文ぎっしり30枚、愛を綴って手渡しだよ。」
それはきつい。
絶対的不利だけど、この罰ゲームは受けたくない。
とりあえず、最初の一人にならないように頑張ろう。
世永「じゃあ、俺が屋敷中の襖開けてくるからそれ終わったら開始ね。鐘一回鳴らすからよく聞いといてね。」
3人それぞれ思う方向に分かれる。
僕は最初何をしよう。
樂は僕より早くて強い。
足止めできる何かをしないといけない。
でも、隠れながらそんな事できるのだろうか。
僕は考えて、災獣園に行くことにした。
杏さんに会いに行く。
樂は僕とせいさんが杏さんと話している時、少し嫌な顔してた。
もし、それがそうならば樂自身が近寄ってくるかもしれない。
虎雅「杏さん!」
杏「あ!さっきぶりです。忘れ物ですか?」
虎雅「いえ、実は頼み事があって。」
杏「はい。何でしょう?」
[コォォォオォォオン…]
鐘が一度鳴る。
虎雅「あ!ちょっと隠れます!」
僕は凶妖まみれの小屋の中に身を潜める。
隠れた瞬間、ガラッと扉が開く。
世永「あれ?声した気がしたんだけどなぁ…。杏ちゃん、虎雅知らない?」
杏「虎雅さんなら、ここの庭突っ切ってどこか行きましたよ。また鬼ごっこしてるんですか?」
世永「そう!罰ゲームはまるちゃんに恋文手渡し!」
杏「あっ…、そうなんですね。様子を見ると樂さんが世永さん追ってるみたいですね。」
ドカドカと足音がしてる。
きっとあの足音は樂だろう。
世永「そうそう。あんなに音立てたらわかっちゃうよね。もう少し頭使って欲しいよ。」
杏「そうですかね…?意外と頭使ってるかもしれませんよ?」
世永「そうかなー?」
樂「そうだ。」
世永「わぁ!気配消せるようになったんだ!足音は?」
樂「強弱つけて出してた。」
世永「なるほどなぁ、俺、感激だよー。樂は筋肉だけだと思ってたもん。」
樂「はぁ?」
せいさんは樂から逃げるために庭の方に行って外に逃げていった。
それを樂は追っていく。
危ない、危ない。
樂がせいさん捕まえてくれれば面白いだけどな。
杏「もう大丈夫ですよ。」
虎雅「ありがとうございます。」
杏「それで頼み事って何でしょう?」
虎雅「それが…」
僕が考えた案を杏さんに伝える。
杏「なるほど。でももっといい考えがあるんですけどどうです?」
虎雅「えっ?」
杏さんは僕に耳打ちする。
この人優しい顔してそうとう計算高い人なんだ。
やっぱりせいさんの周りにいる人はだいぶ、ぶっ飛んでる。
杏「どうします?」
虎雅「やり…ます。」
杏「やった!楽しみですー。」
杏さんは笑顔で準備を始める。
僕は隠れつつそれを手伝った。




