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僕たちが出来ること  作者: 環流 虹向
華宮屋敷
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必要最低限

「あいででで…」


床に座ろうとすると激痛が走る。

頑張って足を伸ばしながら壁伝いに座る。


ブリキ男でも油を刺せば、膝が曲がるんだけどな…。


虎雅「樂はせいさんに色々教えてもらったの?」


樂「…そうだ。俺のはまた別だから、あれはアマチュアレベル。」


アマチュア…?

言葉合ってるのかな。


虎雅「たまに歌ってるけど、それ?」


樂「そうだ。もういいから話しかけんな。」


樂は寝っ転がり目をつぶる。

んー…、暇だな。


虎雅「樂って、たい焼き好き?学校から家の帰り道にあるたい焼き屋さんがすごく美味しいんだ。」


無反応。


虎雅「でね、そこのおばちゃんがいつも僕が好きなクリーム、店長に内緒で増量してくれるんだ。

まあ、店長はおばちゃんの旦那さんなんだけどね。」


樂「たい焼きはあんこだろ。」


虎雅「そこのたい焼き屋さんどっちも美味しんだよ。月に一度、白い生地になる時があるんだけど、それがもちもちで美味しいんだ。」


樂「…。」


え…無反応。

あんこの主張だけして黙っちゃったよ。


虎雅「せいさん、甘いもの好きかな?今度、ここのみんな分お土産で買ってこようかなー。」


樂「半々で10個。」


虎雅「わかった!みんな喜んでくれたらいいなぁー。」


樂も食べたかったんだね。

多分学校帰りに誘ったとしても来てくれないだろうから、ここのみんなで食べよう。


世永「おまたーせっ!」


せいさんがコロコロで食事を持ってきてくれた。


虎雅「ありがとうございます。」


樂「ちゃんとネギ入ってるか?」


世永「入れましたー。全入れですー。」


樂に渡されたすき焼き鍋にはこんもりとネギが入っている。うどんもいい具合に染み込んでいる。

ちゃんと白米に、梅干し、たくあん付きだ。


世永「俺たちは天ぷら丼。別々でごめんね。元々天ぷら丼だったのに樂がわがままだからさ、時間かかちゃったんだよね。」


樂「いただきます。」


樂は無視して食べ始めた。


虎雅「僕もいただきます。」


世永「はーい。いただきます。」


この3人でご飯を食べるってなぜか不思議な感覚になる。


天ぷらをよく見ると野菜類だけで作られている。

そういえば、樂のすき焼きも肉抜きと言ってたような…。


虎雅「あの…、文句とかそういうんじゃなくてただ気になったんですけど、なんで野菜のみで作ってるんですか?」


なるべく失礼がないように聞くが大丈夫かな…。


世永「あー!これも、ね。(かしら)のアイデア。必要な時に必要な栄養を取れる時代だからこそ、肉や魚は最小限に取り入れようって考えなんだ。」


虎雅「へぇー、…。食べるときはどんな時なんですか?」


世永「俺は血が足りないって感じたとき?かな。他にはこの日に食べるって決めてる人もいたりするけど、その日によって食べたいもの変わるからね。」


虎雅「なるほど。」


世永「こんな便利な世の中になったけど、天候や災害で不便なことはまた新たに出てきてしまうから、それを自分たちが取る食事でも変えてこっていう(かしら)の案なんだ。」


虎雅「食事でも変わるんですか?」


世永「結構、変わるよ!例えば牛肉を食べるために牛さん育てるでしょ?その時牛さんが食べる野菜、穀物を人間が食べるようになれば食料自給が守られるんだ。だから、俺たちが食べるための動物を産まなくてよくなるし、ウイルス感染したかもしれないって大量虐殺もなくなるかもしれない。

だから食事の一回一回大切にするんだ。」


虎雅「この一回が動物の命を救ってる?」


世永「そう!だからなるべく食べない。野菜で大半の栄養は取れるから、本当は毎日肉なんか食べなくていいんだ。」


虎雅「そうなんですか!知らなかったです。」


世永「うん、これから意識してみて。」


虎雅「はい!」


ここにいると結構ためになること聞けるな。

今度の夕ご飯は肉無しにしてみよう!


野菜たっぷりの天ぷら丼が冷めないうちに食べ進めた。


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