問題児
アラームに気づき目が覚める。
朝日はまだ昇りきっていない。
スポーツウェアに着替えて日課のランニングにでる。
団地の周りは平たんな道が多くて走りやすい。
このくらい時間は人通りも少なくイヤフォンを付けながらでも迷惑がかからないので、音楽を聴きながら走れる。
寝ぼけている頭を起こすにはちょうどいい運動で体の持久力も上がる。
大体30分くらい走り家に帰る。
持っていた携帯で時間を確認するともう6時。
そろそろみんなが起きだす時間だ。
汗でぬれた上着を洗濯機に入れてぱぱっと汗をシャワーで流して、そこら辺にあるシャツを着る。
朝ご飯はそれぞれ作るように言われているが、僕が早めに起きた日にはみんな分作っている。
ま、手抜きのホットケーキなんだけどね。
いつものようにぽんぽん作っていく。
作っている間にバターや甘さ控えめのキャラメルソース、サラダを準備する。
「 おはよー。」
真司が起きてきた。
虎雅「おはよ。まだみんな寝てたら起こしてきて。」
真司「わかった。あ、作ってくれたんだ。ありがとう。」
虎雅「うん、最近ちゃんと寝てるかー?」
真司「まぁぼちぼちかな。」
虎雅「今日は早めに寝なよ。無理しても脳には良くないからね。」
真司「はーい。」
そう言って、みんなを起こしに真司は3人が寝ている寝室に向かった。
真司は頑張りすぎるところがあるから、キャパオーバーして倒れかねない。
災救に入ったら嫌でも無理をすることになるだろう。
今はしっかり、体作りをしてほしい。
「おはよー…」
目をこすりながら寝ていた3人が起きてきた。
虎雅「おはよー、顔とか洗ってきなー。」
「「「はーい…」」」
3人揃ってまだ起ききれていない。
いつも通りだけどね。
こんなふうに日常を送っているけど、みんな寂しくないだろうか不安になる。
血の繋がりのない他人だけど、兄弟のようにみんな可愛がっている。
この部屋は特に仲がいいとここを管理しているおばさんに言われている。
とても嬉しいことだ。
しかしどんなところでも問題児と言われる子はいるようで、ここの施設でも一番北にある棟を4人で使っている班がここ優善一宅の問題児たち。
元々は僕たちのように暮らしていたのだけれど、一緒の部屋にいる人たちや周りの人たちへの迷惑行為が酷く人への配慮がない人達が人気がない北棟の1人部屋の鍵を渡され、警察沙汰を起こさない限りここに住む許可をおばさんは与えている。
おばさんはどんな人にも人格否定しない。
だけどとりあえず自分の住んでいるところの法律は守れとよく言う。
だからその子たちは門限を破っても一度も警察のお世話になったことはない。
家にいない時なにをやっているかは知らないけど、
とりあえず法律は守っているらしい。
1人は僕と同時期にここに入ってきた、梵唄 樂という子。
僕は親族全員が亡くなって大号泣している隣で
樂はずっと無言でムスッとしていた。
泣き喚いてもなにも変わらないことをあの歳で知っていたのだろう。
あの時会ってからたまにすれ違って、僕が一方的に挨拶するだけで樂からは何もアクションはない。
樂のことはおばさんもあまり口を割らないようにしてる。
多分面倒を起こしたくないのだろう。
たまに北棟の3階が明かりがついているのを見て、
樂の生存確認をしている。
単位スレスレで樂は僕と同じ高校に通っているけど、
学校でもごくたまにしか会わないので心配だ。
家にも学校にも来ていない時、樂は何をしているのだろうと、ふと思う時がある。
でもその答えがわかるのはまだ時間がかかりそうだ。
ご飯を食べて、みんなそれぞれ支度をし同じ時間に家を出る。
優太を保育園に連れて行き、それぞれ学校へ登校する。
僕は自転車に乗り学校に向かっていると、
樂がちょうど前を歩いていたので声をかけることにした。