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僕たちが出来ること  作者: 環流 虹向
華宮屋敷
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いい子

虎雅「ただいまー。」


玄関を開けると目の前に翔馬がいた。


翔馬「え!おかえりー!たいがにぃかえってきたー!」


ドタドタと翔馬がみんなに伝えるためにリビングに走る。


彩晴「虎雅にぃちゃんお帰り!今からご飯だから一緒に食べよ!」


リビングの扉からひょっこり顔を出す彩晴。


虎雅「ただいま、わかった。着替えてくるね。」


小走りで自分の部屋に行き、制服から部屋着に着替える。

そして手を洗い、みんながいるリビングに行く。


虎雅「ただいま。」


「「「「お帰りー。」」」」


みんなの声が揃う。

耳心地が良くて、心が暖かくなる。


ぼくが作った作り置きの中華がテーブルに並んでいる。


真司「虎雅にぃは米どんくらい?」


真司がお椀を持ちながら聞いてくる。


虎雅「こんもり盛っといて。」


真司「OK、日本昔話スタイルねー。」


ぼん、ぼんと米を持っていく。

最後は形を整え、僕の前に置かれる。


虎雅「ありがとう。」


真司「はいよー。」


真司は自分の席に座る。


みんなで手を合わせて、


「「いただきます!」」


と言い、みんな思い思い食べ始める。

僕は家に帰ってからずっとお腹が鳴りっぱなしだったので、米オンリーでとりあえず食べる。


翔馬「たいがにぃ、はらぺこだったの?」


虎雅「うん。今日はいっぱい頭使ったから、すごくお腹が空いたんだ。」


翔馬「すごいなぁ、翔もたくさんたべられるようになろ!」


虎雅「そうだな。いっぱい食べて、僕の身長抜かすぐらい大きくなれよ。」


翔馬「うん!」


素直で可愛い翔馬の頭を撫でる。


この日常が今の僕にとって一番の幸せを感じられる場所なのかもしれない。

血が繋がっていない兄弟だけど心は繋がれている気がするんだ。


そう思った時、ポロっと涙が出る。


彩晴「虎雅にぃちゃんどうした!?ほっぺ噛んだ?」


翔馬「だいじょうぶ?」


真司「どうしたんだ?急に…。」


優太「にぃちゃん?」


みんな僕の涙にびっくりする。

僕はみんなに涙を一度も見せなかった。

この部屋の一番上のにぃちゃんだから、みんなを心配させるようなことはしたくないんだ。


虎雅「この米誰炊いたんだよ。美味すぎて、涙出たよ。」


真司「そ、そんなにか?いつも通りだと思うんだけどな…。」


真司が驚きながら話す。

すこし前までは水分量間違えて十割おかゆになったと思えば、芯がガッチガチのお米を炊いてた真司がまともに炊けるようになったと考えると、また一粒涙が落ちる。


彩晴「確かに!今日のお米、美味しいかも!」


彩晴が大きい声で真司の炊いた米を褒める。


翔馬「にぃちゃんたちがいうなら、そうなんだろうな。翔まだあじわかんないけどうまい!」


優太「うまい!うまい!」


4人で米を絶賛する中、

真司は訳が分からなそうにしてる。


真司「まあ、美味いなら良かった。」


小さくポソっと呟く真司。


みんないい子だなぁ。

また涙が出そうになったが、ぐっと抑える。


今日は泣きすぎだからな。

気をつけないとずっと泣いちゃう。


…幸せなら笑わなきゃですよね。


僕は家族との団らんを心から楽しんだ。


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