朝寝坊
ん…?なんだ…、携帯の着信が鳴っている。
虎雅「はい…。」
『あ、ごめんまだ寝てた?』
せいさんの声。
いつ電話番号教えたっけ…。
『朝、学校じゃなくて樂の部屋に行って、こっち来てね。あと昼ご飯ちゃんと持ってきてね、今日はたくさん動く予定だから。じゃあ来るの楽しみに待ってるねー。』
ぷつんと一方的に切られた電話。
時間を確かめると4時になる前。
せいさんは一体何時起きなんだろうか。
僕は睡魔に襲われて、また眠りについた。
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「た…にぃ……たい……虎雅にぃちゃん!」
彩晴に肩を揺すられて起きる。
虎雅「わっ!ごめん今何時?」
彩晴「7:30。虎雅にぃちゃんお疲れなの?」
彩晴が心配そうに見る。
虎雅「ちょっと早く起きて、二度寝しちゃったんだ。起こしてくれてありがとう。」
彩晴「そっか!よかった!真司にぃちゃんたちは先に出たよ。オレも先に出るね!」
虎雅「うん!気をつけてな。」
ドタドタと玄関を出る彩晴。
やっちまったな。
早く支度して、樂ん家に行こ。
一応、学生服を着て外に出る。
カバンに運動着とさっき作ったおにぎりと水筒を詰めた。
樂ん家近くてよかったー。
学校始まるのが大体9時だから8時は結構早かったかな。
もしかして寝てたりするかな?
樂の家のインターフォンを押す。
[ピンポー…ガチャ]
インターフォンが鳴ると同時に扉が開く。
樂「遅い。なんでお前いつも遅刻するの?」
虎雅「え…?いや、朝ってせいさん行ってたよ?」
樂「朝は日の出の時間だろうが。何時間待たせんだ。」
そっか…、10時が昼って言ってたもんな。
虎雅「じゃあ、冬は夏よりゆっくりできるの?」
樂「いや、冬は5時って決まってる。」
そこはしっかり時間決まってんだ。
僕は樂の家の中に通される。
部屋は僕と一緒の間取りなはずなのに、とても広く感じる。
リビングには家具がない。
その横の部屋にベット一つあるだけの殺風景な部屋。
虎雅「ベットしかないの?」
樂「ここにあんま帰んないし、することも無いからとりあえず布団だけ置いてる。」
ふーんと言いながら、部屋を見渡すが本当につまらない部屋だ。
樂「お前遅刻してんだから反省しろよな。ほら行くぞ。」
樂に手を掴まれる。
僕は目をつぶり、移動するのを待つ。
少しするとふわっと風が吹いた。
[ジャリ…]
樂「お前が謝れよなー。」
また石庭の中に移動してしまったみたいだ。
僕はまた樂の足跡を辿りながら玄関に向かった。
[バンッ!]
世永「おい!なんでまたそこに降りるんだ!昨日寝ないでやったんだぞ!」
せいさんがキレながら涙を流す。
再放送だ。
虎雅「せいさん、遅れてすみません。時間勘違いしていました。」
僕の話を聞きながら、ずびっと鼻をすするせいさん。
世永「いいよいいよ。今日のはよく寝ておいた方がやりやすいからね。」
目が赤い。眠いのか、泣いて赤くなったのかわからない。
虎雅「どんなことをするんですか?」
世永「自我穿通を教えるよ。」
なんだそれ。
頭にはてなを浮かべながらせいさんの家に上がった。




