嘘つきにぃちゃん
家に帰れた時間は、21時。
まあまあいい時間帯に帰れたかな。
虎雅「ただいま。」
小さい声で帰宅を知らせる。
ちょうどこの時間は下の3人が寝る時間。
夜更かしさせないためにも静かに家に入る。
[カチャ…]
真司「あ、お帰り。」
真司がまたテーブルで勉強していた。
虎雅「ただいま。みんな寝たよね?」
真司「うん、10分くらい前にね。先風呂入る?」
虎雅「ううん、腹減ったからご飯先に食べる。」
真司「じゃ先に入ってくる。ご飯、冷蔵庫にあるよ。」
虎雅「ありがとう。」
真司はテキパキと勉強道具を片付けて、風呂に入った。
冷蔵庫に入っていたのはマグロ丼。
昼から何も食べてなく、マグロを見ただけでよだれが出てお腹が鳴る。
水と箸を準備して椅子に座る。
虎雅「いただきます。」
TVの音をなるべく小さくしながらご飯を食べる。
空っぽの胃が喜んでいるのがわかる。
あー、うまい。
一食抜いただけでこんなにもご飯が美味しくなるのか。
あっという間に食べ終わり、ポケーとTVを眺める。
見ているのに何も情報が入ってこない。
多分、疲れているんだろう。
今日は色々情報を貰いすぎて、頭が疲れているのかな。
明日から訓練をするみたいだけど、お弁当持っていったほうがいいかな。
あ、そうだ。明日夜ご飯の当番、僕だった。
冷蔵庫を見る。
真司がある程度買い物をしていてくれたらしく、
冷蔵庫には食材が詰まっていた。
真司、ありがとう。
心の中で感謝をし、何を作るか考える。
3品くらい作っておいて、好きなの食べてもらおう。
食材を出し、作り始める。
しばらくすると風呂からドライヤーの音が聞こえる。
そろそろ真司の風呂が終わる。
僕も続けて入れるように手を早めてタッパーに詰める。
お米も炊いておこう。明日の朝、おにぎり作って持ってこ。
真司「ご飯、作ってんの?」
真司が風呂からあがって来た。
虎雅「うん。3品作ったから好きなの食べてね。」
真司「明日もいないの?」
虎雅「うん、いつもより帰り遅くなるかもしれないから作っといた。」
真司「虎雅にぃ、勉強できるの?」
虎雅「うん。暇な時、参考書見てもいいって。」
真司「ふーん、いいとこだね。どんな人働いてるの?」
虎雅「えっと…、個性的な人が多いかな。楽しいよ。」
真司「よかったね。ちょっと心配だったんだ。」
虎雅「なんで?」
真司「急に決めたバイト先だったからさ、劣悪だったらやめさせようってみんなで話してたんだ。」
虎雅「そっかそっか、大丈夫。個性は強いけどみんな優しい人達だから。心配かけてごめんな。」
…嘘ばっかりついてごめんな。
でも正直に話したところで信じてはくれないだろう。
真司「ううん、虎雅にぃが元気ならいいよ。じゃ、おやすみ。」
虎雅「おやすみ。」
真司は自分の部屋に行った。
なんか嘘をつくのって疲れるな。
今日はいろんなことがありすぎて疲れたから、さっさと寝よう。
パパッと風呂に入り、ベッドにダイブ。
みんなに心配かけないようにしないと。
でも…、自ら死線に出向こうとしてるんだよな。
明日からの稽古、本気で頑張って生きよう。
僕はアラームをセットして眠りについた。




