七話
誤字報告ほんと助かります、ありがとうございます
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主人公の好きなタイプの髪の部分を少し変更致しました
「……さて」
翔太も家に帰ってしまったので、時間が余ってしまった。時間はまだ八時だし寝るにはまだ早い。
「……なんか面白い番組ないかな」
と、リモコンを持って適当にザッピングしていく。
「………………お?」
適当に見つけた番組。それはよくある恋愛系のバラエティ番組である。
「…………………」
思ったよりも内容が良すぎてついつい黙って見てしまう。
『お前好きなタイプとかあんの?』
やけに、翔太のこの言葉が胸に残った。
「………お、おい緑のやつ大丈夫か?」
「わ、分からない………朝からずっとぼーっとしてるの」
今日のみーくんは朝から少し変です。話しかけても上の空で、生返事ばかり。「聞いてる?」と聞いても「おー」とか「うんー」とかしか言わない。
そして、1回大きくため息をついた後に……。
「……彼女欲しい」
「「…………!?!?!」」
と、みーくんが呟いた。
「……彼女欲しい」
彼女っていいなぁ。昨日まではあんまり恋愛とかそこそこ興味なかったけど、昨日の恋愛番組見て気が変わった。
恋愛、素晴らしい、うん。思わずほんのりと泣いてしまった。
「………?どうした?二人とも」
二人は持っていた箸をポトポト落とし、箸を握っていたままの状態で指がふるふると震えていた。
いち早く復活した翔太が体を乗り出してきた。
「……ど……どっどっどうしたんだ緑!?風邪か!?」
「んな大袈裟な…………」
と、耳を片手で抑えつつもう片方の手でよってきた翔太を押し返す。
「彼女欲しいとか………んなの普通だろ?」
「いやそうだけど………お前昨日まであんま興味なさげだっただろ!」
「うるさい翔太。心変わりとか誰しもあるだろ?俺にとってそれは昨日だったってことだよ」
どうどうと翔太を宥める。いろはをチラって見てみると、まだ指をふるふると震わせていた。
「………いろは?……おーい、いろはー」
「……みーくんが……みーくんが本気出しちゃう」
「いろは?」
ボソボソっと呟いていて、よく聞こえなかったから聞き返したのだが……。
「…み……みーくんのバカァァァァァァァ!」
「え、ちょ……いろはーーー!?」
と、叫びながらどこかへ走り去ってしまった。
「………とりあえず緑。いっぺん殴らせろ」
「………は?」
その後、思いっきり頭を翔太にぶっ叩かれた。今日の夜ご飯は翔太の嫌いなものになることが決定した。
「………で、どういう心境の変化よ」
いろはが残していった弁当を片付けている時に翔太が聞いてきた。
「……昨日さ、恋バナ………か言えるかどうか知らんが、まぁそれっぽい話したじゃん?」
「おう、したな」
「お前が帰った後によ、恋愛番組があったわけよ」
「おう、確かにあったな。俺も見た」
「面白そうだから見るわけじゃん?感動したわぁ…」
「おう、俺も泣きかけたわ」
「それ見てる時さ………妙にお前の言葉が心に残ったんだよ」
『お前好きなタイプとかあんの?』
短い言葉だったが、確かにその言葉は俺の胸に残った。
「んで、番組見た後に色々考えたわけよ。親父たちにも相談した」
「そんなことで翔さんたち困惑させんなよ」
「ノリノリだったぞ」
まじ……?と驚く顔をした翔太をほっといて話を進める。
ちなみに、親父たちにこの事相談したら「ついにうちの子にも春が……」と言って感動のあまりに涙を流していた。
「それで俺は気づいたんだ………そう、俺は無意識的に恋愛を求めていたんじゃないかと」
「お前やっぱ風邪ひいてんだろ」
「至って正常だ。ただ変なテンションになっているのは認める」
「それは正常じゃねぇ。充分異常だ」
俺こんなテンションの緑知らねぇ……と頭を抱える翔太。
「というわけで」
「何がだよ」
「とりあえず、翔太には俺が昨日2時間くらいかけて見つけた俺の好みのタイプを聞いて欲しい」
「なんでそれだけに2時間もかけてんだよ……」
これでも苦労したんだぞ?とりあえず色々とピックアップして、違うなと思ったやつは消して、これかもと思ったやつは入れての繰り返し。やっとしっくり来るものが見つかった。
「まぁ聞いてくれ」
「いいけど………」
呆れたような顔をする翔太に俺の好みのタイプを伝える。
「まず料理できる」
「お前が既にプロレベルだろっていうツッコミは置いとくぞ」
「次に、気配りができる」
「まぁ妥当だな」
「俺を支えてくれるやつ」
「………ん?」
「髪は少し長めがいいかなぁ……色も明るい系統がいい」
「………んん?」
翔太が何やら神妙な顔をしだした。
「身長は………俺よりも低め。理想は俺の肩ら辺に顔がくるぐらい………どうだ?」
「いや、どうだって言われても………」
(完璧いろはじゃねぇか……身長もあいつ確かそこら辺だし、料理できるし、髪もオレンジだし長めだしいつも緑のこと支えてるし……こいつ…まだ気づいていないのか)
「………はぁ」
翔太が俺の好みのタイプを一通りきいた後に俺の顔を見てからため息をついた。
「失礼だぞ人の顔を見てため息なんて」
「……とりあえず爆ぜね?」
「お前には言われたくないな」
な、ななななななななんと!?ランキング2位!?始めた頃には考えられないような数字なんですがそれは………ほんとにありがとうございます!!!
これでタイトル回収はできた……かな?出来たと思いたい。
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