アフター ダブルデート
前半後半分けます
「にやにや」
「にやにやにやにやにやにやにやにや」
「おいこらそこのバカップル。いい加減にそのイラつくにやけやめろ」
つい先程三十分前。見事いろはへの恋心を自覚した緑は、いろはへ告白した。返事はもちろんOK。お互い抱きしめてキス一歩手前で翔太と美咲がリビングに乗り込んできたことにより未遂と――ならず、抑えきれなかった緑により、緑といろはのファーストキスは二人に見守られながらだった。
「おい緑。これからバカップルはお前らもだ」
「ものすごいブーメランね」
その言いように更にイラつく緑と、ただただあわあわしてるいろは。稀に見る空気感の悪さだった。
「………はぁー……まぁいい。んで翔太、今日はどうすんだよ」
「ん?俺?」
「当たり前だろうが。もともと今回の合宿は翔太の為のものだ」
今回は翔太の料理スキルをあげようである。緑は翔太に今日はなんの料理をするんだ?と問いかけたが、翔太には間違った意味で伝わってしまった。
「じゃあダブルデートしようぜ!」
「は?」「え?」
「あら、いいじゃない」
困る緑ーズ。賛成する翔太ーズ。見事カップルごとに反応が別れた。
「俺ずっと夢だったんだよ!緑達と四人で遊びじゃない遊びに行くの!」
熱弁する翔太に拍手する美咲。一方、緑といろはの頭にははてなマークが浮かんでいる。そんな緑を見て翔太は緑に近づき、耳打ちをした。
「ダブルデートでは………もっと可愛いいろはが見れるぞ」
「行こう」
即答だった。もはや緑の頭の中にはいろはしかいなかった。
(いろははいつも可愛いけどもっと可愛いいろは…………どうなるんだろう)
「こい緑。俺がプロデュースしてやる」
「おう」
「ちょ!みーくん!」
「はいはい、いろはちゃんはこっちよー」
四人は別れた。
「それで、今更だがプロデュースとはなんだ」
腕を組んで翔太を見る緑。翔太は部屋にあるクローゼットを漁っていた。
「おう、バレー部のイケてる飯塚に昨日緑に似合う服はどれかと聞いておいた」
昨日、美咲に連れてこられ『うっかりいろはちゃんが告白しちゃった』事件の会議に呼ばれた後に、緑の部屋に入り、飯塚にどれが緑に似合うかを写真にとって送っていた。
「これだな………」
飯塚のアドバイスに従った翔太はクローゼットの中から緑に一番似合いそうな服を見繕った。
(………うん、昨日はあまり見れなかったが、確かに緑の雰囲気にあっている……なんか美咲と似てるな)
流石女版緑である。似合う服も似ているか。
アフター入りました。続編はこれが完璧に終わったら出します。
本町かまくら先生が執筆している作品『幼馴染に一万回フラれたので諦めたら急にモテ始めた』。題名は凄くぶっ飛んでますが、笑える面白い作品なので、是非騙されたと思って読んでください。作者は加恋ちゃんが好きです