最終回 君に伝える愛の言葉
最終回です。完走まで応援ありがとうございました。
ガチャリ!と普段よりも強くリビングのドアを開けた。開けるとびっくりしたようにこちらを見るいろは、そしていちゃついている翔太とみさきちゃん。
一瞬イラついたが、目的を達成するべく、一度無視する。
「いろ――――」
「あー……俺トイレ」
「あ、じゃあ私も」
そそくさーと俺が入ってきたドアから出ていく翔太とみさきちゃん。
―――――ありがとう。
二人に目線だけ送り、視線に気づいた翔太はいろはに見えないようにサムズアップ。みさきちゃんも頷いて反応を返してくれた。
「―――ふぅーーー」
一度長く息を吐き、気持ちを整理させる。
「……えっとあの……みーくん」
「いろは」
俺が声をかけるとビクン!と肩を動かした。俺はゆっくりといろはに近づいていく。
「俺………やっと気づいたんだ」
ずっとずっと、無意識のうちに押さえ込んでいた。
「いや………気付かされた……の方が正しいかな……情けないけど」
昨日のいろはの告白と、先程の翔太との話し合いでやっと気づいたこの気持ち。
「好きだ」
ずっとずっと、気づくまで秘めていたこの気持ち。いろはのことがとても愛おしく、とても愛したい。
「いろは………お前のことが好きだ」
「……っ!」
「おっと………」
いろはが抱きついてくる。抱きつく前にいろはの顔にあったのは―――喜び。
「――嬉しい!」
少しだけ涙目になってから俺を見つめる。
「ずっとずっと不安だった………みーくんが彼女欲しいって言うから………私なんて眼中にないんだって……思ってた」
ぎゅ……と回されている腕に力が入った。
「それでも………小さな頃から持ってたこの思い………もう抑えなくていいんだよね……?」
いろはの瞳に不安の色が少しだけ宿る。そんな表情を見て、俺は強くいろはを抱きしめた。
「いろは……ありがとう。そして……待たせてごめんな」
「ううん………もう待つのは慣れたよ。でも……みーくんがどんどん成長するにつれて………私の気持ちだって……もう抑えきれないくらい大きくなって……」
顔を見る。いろはの瞳は潤んでいたが、今の俺にはそれがとても美しく、綺麗で………とても愛おしい。
「いろは……………」
「みーくん………」
両手を頬に持っていく。交わさずとも通じる心。いろはは両目を閉じて、まるで餌を待つ雛鳥みたいに唇を差し出した。
俺はその唇に―――――――――。
~fin~
以上、最終回でした。この後は三話ほど後日談を上げて、この『彼女欲しいって呟いたら幼馴染が物凄く動揺してる件』通称『おさゆれ』は終わりとなります。
読者の皆さん完走まで応援ありがとうございました。なんと作者人生3年間で初めての完結作品です。ここまでやれたのは皆様のおかげです。
ジャンル別日間1位になったり、週間1位になったりと、軽いノリで書いたにしては驚きの連発でしたが、書いていてとても楽しかったです。
そこで皆様にお知らせしたいことがあります。
なんと!このおさゆれ!名前を変えて続編を書くことを決定しました!!
わーわー!どんどんパフパフー!!作者もびっくりな人気で、一週間前には続篇を書くことを決定しました。
名前は「彼女欲しいって呟いたら幼馴染が彼女になった件」となります!
皆様!まだまだ応援よろしくお願いします!!