Side:another
「――っ美咲ちゃんっ!」
「………どうしたの?いろはちゃん」
緑に分けられた部屋でゆっくりしていると、いろはが真っ赤な顔で部屋へ突撃してきた。その事にまず美咲はものすごく驚いたが、なんとか平静を保った顔で聞き返すことが出来た。
そして、いろはは物凄い勢いで美咲へと抱きつき、とんでもないことを言い放った。
「私………私…っ!み、みーくんに告白しちゃった……っ!」
「……………はい?」
今度こそ思考停止した瞬間だった。
「……なるほどね……」
緑に髪を乾かしてもらったり、梳いて貰ったりしてて気持ちがぽわぽわしてたらついついやっちゃったと………………。
(………どこのアオハルよ)
美咲は(自分が言えたことではない)砂糖成分が多すぎて頭痛がしたと同時にアタマが痛くなった。
月が綺麗な夜に好きな人に髪を梳いてもらって勢い余って告白?アオハルかよ。
美咲はもう一度はぁとため息をついて、考える。そして思う。
(……これ、私一人じゃ無理だわ。甘すぎて抱えられない)
とりあえず、ブラックコーヒー作るついでに頼れる彼氏の翔太を呼ぼうと思った。
「と、言うことで頼んだわ。翔太くん」
「任せな」
バッチリと緑が風呂へ行ったことを確認してから美咲にお呼ばれして部屋へ入った翔太。
「……しっかしまぁ……思い切ったなぁ」
「い、言わないで……っ!」
真っ赤にさせた顔を両手で抑えていやいやと首を振るいろは。
「しかしいろは。これはチャンスだ」
翔太はいつもよりも真面目な顔でいろはを見る。
「あの緑を自覚させるのはそれくらいの思いっきりがあった方がいい」
(……ま、俺の予定ではもっとゆっくり行くつもりだったが……いろはの暴走に救われたな)
未だに緑はいろはへ向けている愛を『親愛』と勘違いしている。はっきりいろはのことがlikeからLoveへと変わっていることを認知させる手段としてはこれ以上ない方法だろう。
つまり、これは一世一代のチャンスである。
「いろは、良かったな。緑が本腰入れる前に告っといて」
「~~~~っ!恥ずかしいから告白したとか言わないで!」
そのまま部屋の隅へ逃げるいろは。美咲のちょっと冷たい視線に一瞬冷や汗をかいた翔太であった。
だがしかし冷静に考えて欲しい。料理出来て、運動もそこそこできて、めちゃくちゃ優しくて、頼りになる。しかも飯塚からは素材は悪くないの太鼓判押し。緑が本気をだしてモテようと動き始めたらこんな優良物件は誰も逃さないと思う。多分。
「……まぁ俺から言えることは緑の反応を見るしかないか……」
頭を捻って考えるも、翔太にはそのアイデアしか浮かばなかった。
「……よし、いろは」
「…………なに」
若干嫌な予感を感じ取ったいろはだが、一応返事を返した。
「明日、緑に猛烈アタックな」
「………ふぇ?」
「朝起きて、緑に会ったら抱きつけ。それと、飯の時も『あ~ん』必須な?それと―――」
「そこまで」
「ぶべら!」
暴走しかけた翔太の目を目潰しする美咲。ぶっちゃけ美咲も概ねは翔太と同意見だが別に明日からやれという程ではない。
「いろはちゃん。あのバカはほっといていろはちゃんのペースでいいからね。ゆっくり緑くん落としていこうね」
「…………う、うん……」
何故か笑顔に恐怖を感じたいろはだった。
さて………そろそろ決着がつきそうですかね…?
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