十四話
追記、返信ミスして消そうと思ったら感想を間違えて消してしまいました………申し訳ありません
「今日からお泊まり会だー!」
「女子か」
今どきの女子よりもテンションが高い翔太に突っ込みをいれる。てか翔太の家隣だし、夜飯も昼飯も作ってやってるし、実質翔太は毎日泊まりみたいなもんだろが。
「お邪魔しまーす」
「邪魔するならかえってー」
なんと女子組もいつもよりテンションが高いようだ。外面クールなみさきちゃんが真顔でどこぞの新○劇のネタやってるってなんか新鮮。
今日からゴールデンウィーク。去年から恒例の緑家特別合宿(仮)とかなんか大層な名前をしているが、4人でわちゃわちゃ楽しくしようというだけのお泊まり会である。
参加者は当然の事ながら俺、翔太、いろは、みさきちゃんの4人である。両親はゴールデンウィーク時に仕事が忙しいので会社で寝食を共にするので、家にはいない。
よって今日からは(俺の精神が)大変なことになります。この時のために胃薬を買いだめしておいたから大丈夫だとは思うんだが…………。
「翔太、こっち」
「……お、おう」
二人が既に甘々ムードに入ってしまった。翔太の手を引いてリビングへと入っていくみさきちゃんと翔太。そして、翔太はだらしなく顔をにやにやさせて後を着いて行った。
………本当に大丈夫かなぁ。
と、思い既にポケットに忍ばせておいた胃薬をひとつ飲んだ。…………まっず。
「それではこれより、翔太の料理スキルを上げるため、私たち3人で翔太に料理を教えていきたいと思います」
「わー!」
「おー!」
時刻三時。とりあえず部屋の位置決めや荷物を置いて昼飯を食べてゆっくり(この間に翔太達がいちゃつき始めたので胃薬をもうひとつ飲んだ)した後、今回の合宿の目玉と言えるみさきちゃん監修、『翔太の料理の腕を上げよう』が始まった。
事の発端は翔太が「そろそろ緑離れしねぇとなぁ………毎日飯作ってもらってるの申し訳ねぇし」の一言により、一緒にいたみさきちゃんの魂に火がついてゴールデンウィークの時にお泊まり会も兼ねてやろうとのことだった。そもそも俺離れとは一体………。
妙にやる気のあるいろはとみさきちゃんをぼーっと眺めながら形だけの拍手をしておく。翔太は今まででまともに料理を作ったことはなく、調理実習でも包丁は持たせて貰えず(俺といろはが持たせなかった)、基本は煮込む課程だけとかその辺が多かった。
みさきちゃんによれば、今日はカレーだという。まぁ確かに初心者にも簡単で美味しいし、作りやすいだろう。
「よーし!やるぜ!」
ガタイに似合わない中々ファンシーなエプロンを着てふんっ!と気合いをいれる翔太。真ん中のくまさんマークでいちいち笑うのでやめて欲しい。
「まずは私のを見ていてね」
「分かったぜ美咲」
さて………どうなることやら……。
結果から行くと、まぁまさに初心者って感じだな。でもまぁ包丁の切り方も基本に忠実だし、大きな怪我とかも無かったし、よく俺達の話を聞いてくれるので、ゴールデンウィーク中だけでも簡単な料理だけだったら今度からは一人で作れるようになるだろう。
そして(何故か審査委員役の)俺といろはの前に翔太の作ったカレーが置かれる。変な匂いとかもしないし、特に危険を感じることは無い。
「「いただきます」」
スプーンで掬って一口。
「うん、普通に美味いな」「普通に美味いね」
「しゃあっ!」
俺達の言葉にガッツポーズを決める翔太。まぁカレーで失敗する方が珍しいし、カレーは基本に美味いからな。まぁ敢えて言うなら……。
「じゃがいもがでけぇ。次はもうちょい小さくな」
「お、おう。細かい……」
いろはとか二口に分けて食べてるし。
「美咲、なんか見ててダメなとことかあったか?」
「うーん……そうね。まだカレーだからなんとも……」
「お前やけにやる気じゃねぇの」
と、カレーを食べながら翔太に言う。今まで翔太は料理にはほとんど興味を示さない(バレーでいっぱいいっぱいで時間が割けない)のに、ほんと急だったよな。
「それに俺離れってなんだよ」
「いやな……もう俺も高二だしよ、いつまでも緑に頼ってばっかだし申し訳ねぇなって」
「別に迷惑には思っちゃいねぇよ」
料理は普通に楽しいし、翔太が美味そうに食ってくれるだけで俺はすげぇ嬉しいし、もっと喜ばせようと思う。翔太が充分にバレーで活躍してもらって、それを支えているのは俺なんだぜって考えるとモチベだって上がる。
「いや、そうかもしれねぇけどよ…………」
「………?」
チラッと翔太がいろはに視線を向けた。いろははそれに気づき、首を傾げた。
「………ま、緑もこれから忙しくなるだろうし、あんま迷惑はかけられねぇってな」
「……………忙しい?」
「いずれ分かるさ。なぁ美咲」
「えぇ、そうね」
………?みさきちゃんは俺がいずれ忙しくなることを知っているのか……?ますます分からんくなってきたな。
明日からもうひとつの方の作品と、この作品を一日交代で投稿していきたいと思います。
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