プロローグ
「はぁー………彼女欲しいなぁ」
一般男子高校生なら誰しも思う極々普通のこと。
しかし―――
「…………………」
「………………」
目の前にいる幼馴染二人はまるで驚いたように目を見開き、さらに持っていた弁当の箸を落とすというテンプレ付きである。
「……ど……どっどっどうしたんだ緑!?風邪か!?」
「んな大袈裟な…………」
と、耳を片手で抑えつつもう片方の手でよってきた翔太を押し返す。
「彼女欲しいとか………んなの普通だろ?」
「いやそうだけど………あの緑がだぞ!?今まで恋愛の話一切無しアーンド恋愛なんてしてる暇ないとか言ってたろ!?」
「うるさい翔太。心変わりとか誰しもあるだろ?俺にとってそれは昨日だったってことだよ」
昨日の番組でやってた恋愛もののバラエティ番組を見てたら感動しすぎて思わず泣いてしまった。
「…………………………」
「…………どうしたよいろは。そんな指までカタカタ震わせて」
俺のもう1人の幼馴染である槙野いろは。超絶美人で緑と翔太の誇り。オレンジ色の明るい髪と整った顔立ち。料理上手で成績優秀の超超自慢の幼馴染。
そんないろはが顔を物凄く青くさせて箸がないのに箸を握ったままの状態でめちゃくちゃ指をカタカタ震わせていた。
「……みーくんが………みーくんが本気出しちゃう……」
「……なんて?」
あまりにもいろはがボソボソと言うのでもう一度聞き返すと、キッ!と顔をあげて、涙目で
「…み……みーくんのバカァァァァァァァァァ!!!」
「お、おい!?いろは!?」
と、ダッシュでどこかへかけて行った。ここが中庭だったのがまだ幸いだった。もし教室だったら緑はクラスの男子達から物凄く殺気の籠った目で見られるに違いない。
「とりあえず緑………いっぺん殴らせろ」
「…………は!?」
とりあえず軽いノリで始めました。評価が付くならこっちも書いていこうと思います。