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チートなし ~ウサギの詩~  作者: デイジーケミカル
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予言の勇者

「そりゃ本当かいチャービル。どんな生き物だって少しは魔力があるだろう。」


「本当だよ、オレガノ。あたいも あんな人、ううん、あんな生き物 初めて 見た」


「なんだい、じゃあ あいつは死んでるのかい?死霊とか・・・」


「化け物や魔物のたぐいならむしろ魔力があふれてるだろ」


「そんな怪しい存在じゃないですね。少なくとも私が見た限りはちゃんと生きてる普通の人間です。戦闘力はチャービル以下でしょうけど。」


「バジルの観察眼は信用できます。どういう事かわかりませんね」


「ねえバジル、さっき言ってたけど、あの人は私たちを本当に皮肉じゃなくてキレイとか可愛いとか・・・その、魅力的とか、そんな風に見てるっていうの?」


「ええ、まず間違いないでしょう。隊長の顔とか、カモミールの胸とか、オレガノの尻とか、ミントの足とか、カモミールの胸とか カモミールの胸とか わたしの胸もそうですが、それはもう興奮しながらチラ見してました。バークの男とは全く違う反応ですね。」


「あたしの足も?マジか。全然太くないのに。」


「ふぇえ、じゃあお願いしたらわたしの胸も触ってもらえるのかなあ」


「それどころか抱きしめてくれるかもしれないぞ?」


「きゃー!ご主人様ー!」


「信じられないわね・・・ウサギ女に対する嫌悪の無い人間なんて」


「隊長、あの男の横で給仕しながら会話してたじゃないですか」


「ええ」


「あの時にあの男、隊長の臭いをクンクン嗅いでましたからね」


「ヤダ!ヤダヤダ!何それどうしよう私臭かったかしら!ちゃんと水浴びしたのに!」


「違いますよ。あの顔は『クー いい匂い!くっそー抱きしめてみてえなあ!コンチクショウ!』って顔でした」


「・・・それ本当? 今まで人間には獣臭いとしか言われた事がないわ」


「そりゃ本当に臭いわけじゃないっすよ隊長。あいつらウサギ女の悪口で言ってるだけですから。まあ、地下牢に何日も入ってた時は本当に臭かったかもしれませんけど・・・」


「じゃあ一緒に食事しようって言ったのも」


「マジでしょうね」


「どういうことよ・・・世間知らずの他国の王子様かしら。しかし魔力の無い王族なんて聞いた事もないし」






「・・・まさかとは思いますが。今って6月ですよね」


「そうね、牢に入ってる内に6月ね。今日は6月7日だわ。それがどうしたのパクチー」


「あっ、ああ。そうですよ隊長、ほら例の、」


「何よオレガノまで」 


「聞いた事あるでしょう!6月6日にタリナイ川に現れるっていう予言の・・・」


「あー 勇者の話ね。 でも   あ。 あー あー 何、そういう事?あの人、勇者なの?」


「オイオイ、みんな何言ってんだ。あんな弱っちい勇者なんかいねえよ」


「はは、そうか、そうだな。ちげえねえ。ミントの言う通りだ。あんなのが勇者だったら大変だぜ。なあパクチー」


「・・・・ええ、そうですね。大変です。勇者に何の力も無いなんて知られたら・・・本当に大変です。勇者伝説で民の不満を抑えてる部分もありますからね。リーフ王国が兵を引いたのも本当に勇者が現れたらまずいと警戒したからと言われてます。絶対にばれてはいけません。万が一に備えていつでも口封じできる侍女と一緒に人目につかない館に隠さなきゃいけないぐらいに大変です・・・・」


「あ・・・・・・・」

「ふえええ・・・・」

「なるほどなあ・・」

「そういう事ですか」

「みんな 死ぬの?」

「ハハハ、ヤバいね」


「勇者ねえ・・・・ 悪いけど、ただ単に小太りで顔もふくれた感じのイケメン、それだけだわ。いい人そうではあるけど。かっこよくていい人で、ただそれだけ。とても勇者には見えないわね。魔力も腕力も無い。あれで世界を救うって、どうやって」


「救いようのないウサギ女はちょっと救われましたがね」


「ちげえねえ。少なくとも生まれて初めてキレイって言われたぜ」


「隊長、脱出しますか?今なら簡単に南に抜けてエイコーンの国に入れます」


「まって。しばらくここに居ましょう。逃げれば一生お尋ね者よ。バークには二度と戻れない。脱走は最後の手段よ。それにもし、あの人に私たちの知らない何かがあれば、一発逆転もあり得るわ。それになんだか・・・・あの人は救ってあげたいわ。悪い人じゃないみたいだし、かっこいいし・・・・」


「おお!おおお!隊長に春が来た!」


「そ、そんなんじゃないわよ!」


「いいじゃねえか。どうせわたしらはどんな国に行っても男にゃ相手にされねえ。だったらあのイケメンご主人様といちゃいちゃしながら死ぬのもいいさ」


「あたいも あのご主人様 きらいじゃない」



「みんな聞いて。いま話してた事はまだ推測にすぎないわ。かなり確率は高いとは思うけど。明日からそれとなくあの人に探りを入れてみるわ。ミントとバジル、あなたたち明日、こっそりバークの城に戻って情報を集めてくれない?」


「うっす」

「了解」


「カモミール、明日給仕をしてみて。それで、その、軽く胸を近づけたりしてみて。あまり露骨にしちゃダメよ。万が一今の話が勘違いで、怒らせてしまったらこの前のチャービルみたいにその場で斬首、みたいな事になっちゃうわ。軽く、本当にそれとなくお願い。私が客観的に見てみたいの。」


「あーい、了解ですう」


「とにかくヤケにならない、あきらめない。私たちはあのリーフ戦線の地獄だって生き残ったわ。大丈夫。きっとなんとかしてみせる。大丈夫」


「そうっすね。あたしらも隊長についていきますよ」


「ここにいるのは見た目がダメなウサギ女ばかりだけど、みんな有能。隊長がいれば大陸一の小隊です。どうにだってなります」


「わたしも頑張りますう へへ」


「そうですね。前向きに行きましょう」


「ふふ ありがとうね みんな」


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