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チートなし ~ウサギの詩~  作者: デイジーケミカル
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7人のメイド

 大きな扉が ぎいいいィィ と開く。


「ようこそご主人様」


開けてくれたのはウサギ耳のついた美人だった。メイド服。紺の制服に白いエプロン。超かわいい。どストライクである。

そして奥にまだ何人かウサギメイドさんが並んでいる。


思わず見惚れてしまった・・・ なんだここ、天国?

いや、よく見ると向こうもなんかこっちを見て固まってるぞ。なんだこの状況。



「あ、あの、失礼しました、ご主人様?」


「ああ、あ、どうも。はじめますてぃん」


噛んだ。そりゃ噛むよ。当たり前だろ。どうなってるんだ。騎士団長は『醜い獣人』と言っていたぞ。どこが醜いんだよ。


「この7名、バークの騎士団長より命じられてここでご主人様のお世話をさせていただく事となりました。よろしくお願いいたします。ではお部屋にご案内いたします」


「あの、あの」


「なんでございますか」


「もしよかったら、あの、みなさんを紹介してもらえないかな」


「え」





「これから一緒に過ごす事になるし・・・ダメかな」


「いえそんな。私たちはご主人様の私物となっております。どのようなご命令でもお気軽に。」


「私物・・・」


「では私から・・・メイド長をやらせていただいておりますローズマリーと申します」


まあとにかく、綺麗で可愛い。反則だなあ。ウサギ耳に肩まである明るい茶髪。細身でも胸と腰がしっかりしてて、テレビに出てるハーフモデルって感じだな。


「この娘はオレガノ。力があるんですよ」


外国のシャンプーのCMに出てきそうなゴージャスな金髪女性。背は俺より高く、ナイスバディである。強そう・・・ハリウッド女優って感じ。


「次の娘はチャービル。魔力が多いので心強いんです」


なんだこの可愛い生物。腰まであるロングの銀髪。赤い瞳。透き通るような白い肌で頬が赤い。とても小柄だ。すまし顔だけど真っ白なウサギ耳がピクピクこっちを向いてる。いくつなんだろう?うわー、萌えロリだな


「この娘はミントです。色々と仕事が早いので助かっています」


これまたスレンダーなすっげえ美人。濃い茶髪のショートに緑の瞳・・・どこかで見たような。あ、古い洋画のアレだ、ローマで休日を取ってたお姫様に似てるんだ。


「この娘はパクチー。とっても頭がいいんです」


ロングの黒髪に知的な美人・・・大人しそうな感じだけど目は鋭いかな・・・京人形だな。こういう人は怒らせると怖いんだ。


「この娘はカモミール。お料理が得意です」


はいこれキター!キターヨー!ふわっふわのピンクの髪だよ!アニメかよ!しかもすごい巨乳だ・・・顔は優しそうな・・・ゆるふわダイナマイトだなあ。


「最後、この娘はバジルです。気配りのできるイイ子です」


おいおいおいおい 緑の髪だよ!エメラルドグリーンだよ。ちょっと猫目のナイスバディだよ!〇ムちゃんか!くっそっ、こんなことならトラジマビキニとブーツを用意しておくんだった。仲良くなって だっちゃっ とか ダーリン とか言わせたい。


「ではこちらへ・・・」


「あ、あの、俺はアオキユウタです。天使のように美しい皆さんと出会えてうれしいです。俺は何もできないし、違う場所から来たのでこの国の事はあまり知りません。なので色々助けてください。これからよろしくお願いします」


頭を下げたらなんだか変な感じで皆が俺を見てた。こっちにはお辞儀する風習はたぶん無いんだろう。こういった文化の違いは他にも色々出てくるだろう。


書斎と寝室を案内された。寝室にはやはり柔らかい布団は無く、木の台の上に何枚も重ねた麻の布が敷かれていた。布団作りたい。綿があればなあ。あと、ここの窓も木戸だった。ガラスは存在しないっぽいな。


部屋数が多い。中庭はきれいに手入れされてる。畑は荒れてたのにな。メイドさんが手を入れたのかな。建物は上から見るとロの字型だ。中庭を作って光を入れないと電気の無い世界では昼間も内部は真っ暗になってしまう。


「ご主人様、こちらバークのお城より届けられた銅貨20枚でございます」


「あ、どうも。・・・20枚か。ちょっと聞きたいんだけど、銅貨1枚ってどれぐらいの価値?他にも硬貨はあるの?」


「そうですね・・・銅貨1枚あれば大人ひとりが食べる1年間の小麦か大麦が買えます」


「えっ 銅貨で。1枚で1年暮らせるの」


やはり金属は貴重なのか。


「他に金貨と銀貨がございます。金貨10枚で銀貨1枚になり、銀貨10枚で銅貨1枚です。」


「は? え。じゃあ金貨100枚で銅貨1枚?」


「そうなります」


「金貨より安いものはどうしてるの?」


「金は重さで使えます。金貨を半分にちぎってしまえば0.5金貨です」


「ちぎんの?」


「はい、風魔法で切るか、もしくは火魔法で溶かして分けるか。」


「銅も切ったり溶かしたり?」


「銅は焼くと減るのでそういう使い方するのはもったいなくてあまりされません」


銅より金の方が価値が低いってどういう事だ・・・ うーん、そう言えば昔、金銀の分離がうまくいくまでは銀の方が金より価値が高かったと聞くなあ・・・ いやしかしそれでも銅より金が安いとは・・・埋蔵量が地球とまったく違うのか? まて、今このカリスマモデルちゃん、銅は焼くと減るって言ったな。


「えーっと、ローズマリーさん、」


「どうか さん など付けないでローズマリーとお呼びください」


「じゃあローズマリー。どうして金より銅が高いんだろう。銅はあまり取れないのかな」


「さあ・・・確かに銅はあまり出ないと聞いた事はあります。それにサビると減ります。金のように減らないわけではなく貴重です。」


「銅は掘りだした時、どんな感じ?」


「さあそこまでは・・・ パクチー、知ってる?」


「はい、銅はクジャク石という緑の石が出るところから取れます。というか銅がサビるとクジャク石になるはずです。サビる前に銅だけを集めて魔法で溶かさないといけません」


「クジャク石から銅を作ればいいじゃないか」


「そのような事ができるのでしょうか? 灰から木は作れません。どんな魔法でも無理だと思いますが・・・」


んんん?

あー

ああ!

そうか。地球には魔法なんて無いから炭や木でクジャク石を焼く。だから炭素で還元される事に気づくんだ・・・ 魔法で熱だけ加えても炭素が無ければ還元されないからな・・・。

それで自然銅だけを採掘して希少な金属だと言っているのか。


「なあ、クジャク石って貴重なのか?」


「いえ、生まれ故郷の鉱山で捨てられているのを見たことがあります。毒だと聞きます。時々絵描きが絵の具に使うのに拾いに来ると聞きました」


「そうか・・・ありがとう。助かったよ」


「いえ」


「ああ、ローズマリー、この銅貨、預かっててよ」


「えっ」


「ん?なんかまずい?」


「いえ。いえしかし、私は・・・ウサギでございます・・・」


「うん。」


「よいのですか?」


「ん?だって買い物するのはメイドさん達だし、その方がいいでしょ。無くさないようにしてね。あまりムダ使いしないようにお願いします」


「はい。肝に銘じます。あの、夕食のご希望などございましたら」


「まだよくわからないから任せるよ。あ、トイレってどこ」


「裏の小さな小屋がそうでございます。ご案内させていただきます」


「いいよ。恥ずかしいから、ひとりで。」


確かに小屋があった。

小屋の中には穴があって、紙代わりの葉っぱが置いてあった。

この文明レベルだと紙は贅沢か・・・というか紙が存在してるかどうか怪しい。











「・・・隊長、逃走資金が手に入りましたね」


「パクチー、黙りなさい」


「冗談です」


挿絵(By みてみん)

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