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一美のおじいちゃんは基本、奥に引きこもっていることが多く。家族以外とは滅多に話さないらしい。
「松崎さんのこと、知らないってさー」
今回の作業場は、一美の家である。
いつも私の家ばかりでは「刺激が足らないでしょ♪」とよく分かんらない理由ではあるけれど、つまり気分転換ってことだと思う。
「でも、桜川祭りの件って言うか、坂本君に聞かれた件なんだけど、幽霊騒ぎみたいことあった?って聞いたら、特に覚えてないけど、同じくらいの時期に人身事故があったんだって」
「…なるほど」
そう呟いたのは坂本くんだった。
「何が、なるほどなの?」
不思議に思って聞くと、
「…同時期に近くの場所で人身事故があったのなら、それと情報を混合する人が多いだろう。田舎だからニュースになることはない。せいぜい、新聞だが…人づてに聞くことになる、そうなると、情報が錯綜する」
それは今の時代でも言えることだ、私たちは与えられた情報を都合が良いように解釈して、面白おかしく、広めるんだ。
「あーおじいちゃんも言ってたわ。
みんな、近い場所で起きた事故だから、1つの事故のようにしてしまったんじゃないかって」
そう言うことか、でも・・・
「…でも、堀江のおじいさんはなんで混乱せず、覚えてるんだ?」
私も思った疑問を、坂本くんが先に口に出していた。
「あぁ、それは、私のお父さん。
おじいちゃんの息子ね。の、友達が事故にあったから、よく覚えているって言ってた」
一美は意外と侮れない。
私たちは、自宅に帰ってきた一美のお父さんが帰ってくるのを待って、当時の状況を聞いた。
「あぁ。そんな事故があったな」
一美のお父さんは、懐かしそうに呟いた。
「アイツは…高校の部活の後輩だった。俺が3年で、アイツは1年。
事故が起きたのは、夏休みの部活練習の後だった。
その日は、午前中から部活があって、早めに終わったんだ、ちょうど、お盆休みの前の日。
練習とか、すごくキツくて根を上げるヤツが多い中、最後まで食らいつくぐらい、真面目なヤツで。
そんな奴が、なぜか赤信号の道路に飛び出したんだよ」
困ったように私たちに笑いかけた。そんなことしちゃダメだぞ、とでも言うように。
「え、赤信号を!?なんで…」
「さぁ。アイツとはそれっきりだったしな…」
言葉を濁されて、最悪な結果が頭に浮かんだ。
「えっまさか…」
幽霊騒ぎーー心霊事件に繋がるくらいの事故。それは、つまりーーー
「夏休みの間に引っ越してしまった」
無意識に息を詰めていたらしく、空気を吐き出すとともに、肩の力が抜けた
「詳しい理由は分からんが…体裁が悪かったんだろうなぁ。
人の目が気になるようになったら生活はしにくいからな」
困ったような…悲傷な表情を浮かべていた。
「…あの…もし、ご迷惑でなければ写真とか…見せていただくことは可能ですか?」
坂本くんがそう言うと
「写真…学年違ってたし…1年の夏休みでいなくなったし…あるかな」
そう思案して、少ししてから
「あっ…部活の集合写真があるかもな。それなら、我が家のアルバムに…」
立ち上がって、自室に向かっていった。
「ねぇ、二人が調べているのってお祭りのことじゃないよね?」
それを見計らったように一美は聞いてきた。
「えっと…」
「事件とかについてばかり、重点的に調べてる」
ゴクリと喉が鳴った。
「本当は、二人で夏の心霊事件調べてるんでしょ!?」
一美は少しズレている




