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「うーん」
普段なら布団に転がっている時間ではあるが、先ほどの電話で目が冴えてしまった私は、眠くなるまで、ネットを中心に調べることにした。
と言っても、情報が少ないのは変わりがないので「桜川祭り」の開催場所などや時期から、事故など情報が拾えないか?という考えからである。
ブログ自体、今は更新がされておらず、数年前にやめてしまったようだった。おかげでと言うか、記事を調べるのにはそんなに大変な作業ではなかった。桜川祭りに関する記述はなかったが、灯篭流しを撮影するにあたり準備をしている記事があり、そこから場所を割り出す。車移動になるためか、祭り周辺に駐車可能とする場所が少ないなどと零していたので、大方の場所の目星はついた。
結果として、彼女の家と桜川祭りの場所は離れていた。
彼女の家は市内でも外れの方にあり、川に近いというか、むしろ山に近い。
桜川祭りの場所は、やはりと言うか、市内の中心部に近い場所で開催されていて、その前後か祭りの途中に灯篭流しのイベントがあったようだ。
私の住む市は、数十年前にいくつかの町が合併してできた市なので、市内と言っても、それなりに広いのである。
それで言うと、彼女の家は旧町内で、桜川祭りは町外、と言った方が分かりやすいのかもしれない。
そう考えると辻褄が合わないような…でも気にかかる。
・・・なんだろう。
なんとも言えない消化不良な内に抱えながらも、眠気が襲ってきたので、そのまま逆らわずに寝ることにした。
ーーーー鈴虫の鳴き声が聞こえる。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
彼女は泣いていた。
どうして泣いているのかを聞こうとしたけど、体が動かない。
目の前に彼女はいる、けど、声を出すこともできない。
私は、ただ、見えているだけ。
「私はーーーもうーーーー」
ハッと目が醒めた。
扇風機から送られる穏やかな風が波のように肌に触れる。
「・・・何を謝っていたのかな」
自然と漏れていた言葉。起きてもなお、彼女の悲痛な表情が浮かんでくる。
だって彼女は、彼のことを好いているようにしか見えなかった。
なのに「ごめんなさい」という”告白を断るような言葉”が出るなんて思えない。
それなら、違う意味の「ごめんなさい」である可能性が高い。
ならば、なんの謝罪なのであろうか。
その時、ピリリと音声アプリが着信を知らせる。
表示名は坂本くん。すぐさま、通話ボタンを押す。
「もしもし」
「神崎、おはよう…寝てた?」
「おはよう。んんっ、起きてたよ、どうしたの?」
寝起きがバレたのが少し恥ずかしくて、咳払いをしたあと、用事を促した。
「あぁ…”桜川祭り”の方じゃなくて、神崎に憑いている彼女について、手がかりになるかもしれないことが見つかった」
「ほんと!?」
手がかりが見つかったという良いお知らせの割に、坂本くんの空気は明るくない。
「まぁ…とりあえず、この後、情報送るから見てくれ」
そう言って、通話が切れてから数分後、送られてきた情報は彼女の、心霊スポットについて、まことしやかに囁かれている噂をまとめたモノで。その中で、共通するワードを指摘していた。
ーーー””40年前”そして”一家全員死亡”ーー




