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霊感微少女の夏  作者: 慶
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 今のご時世は、家に1台の電話でなく。1人に1台の携帯があるという便利な時代だし、顔を見たければテレビ電話というのもあるから、個々作業であれば直接会う必要はないのだ。


 夕食を済ましてから「桜川祭り」について、調査をはじめる。

 桜川祭りに触れらている記事は、約20年前の記事であった。

 ブログを書いていた人は、写真が趣味であったようで「桜川祭り」に触れたのは後にも先にもこの記事だけであった。祭りの詳細はわからなかったけど、夕暮れ時に桜川で、灯篭とうろうを流すという催しがあり「その風景を写真で撮りたかった」ということらしい。

 今から20年前というと、ネットの普及が一般的に広まって来た初期ということだよね。

 うーん。こういう風に記事を書いている人が少ないし、田舎でネットを利用する人がいるとは思えない。

 ただ、それでも「桜川祭り」という祭り自体が、それ以降に開催されたような記録が見当たらなかったのが不自然であった。

 確かに”事故があって中止する”というのがあっても、翌年には開催していたりと、年単位になるかもしれないが開催されるのがフツーのようにも思うけども、この「桜川祭り」は、ずっと開催されていない。

 となると・・・それほど重大な事故があった場合が考えられる。

 だけど、坂本くんと一緒に図書館で記事検索をした際に、そのような大事故の記録があったような記憶はない。


「坂本くん、図書館で探していた時、そんな大きい事件見たような記憶ある?」

 スピーカー通話にしながら、紙に書き出した箇条書きをシャーペンで叩く。

「…そうだな。記憶にはないな」

「だよねー…無関係なのかなぁ…でも、なんか引っかかるだよね…」

 なんとも言えない引っかかりを感じながら唸る。

「……もう少し、この事件について調べてみよう」

 坂本くんも気になるのか、引き続き、調べることに決定した。


「そう言えば…神崎、夢に変化はあるか?」

「あんまり変わってない。視点が変わるぐらいで…せめて、今見ている、もっと前か、後の場面でも出てくればなぁ」

 唯一の情報源である彼女が現れる夢は、今でも見ていて、毎日というワケではないが、時たま見れる。

 しかし、あまり場面も変わらず。今もなお、彼女は私に憑いているし、私が会いたいと思っている彼を探しているのはわかるはずなのだから、もう少しヒントをくれないのかなぁ。

「…基本的にその時の強い思念に縛れている霊が多いし、会話ができる霊なんて滅多にいない…」

 まるで私の心を読んだかのような坂本くんの言葉に、私の声がジレンマ混じりであったのかもしれないと気付いた。

「ごめん…」

「何がだ?」

「私の思いつきみたいのに付き合わせているのに、なんかイヤな感じだったなぁと反省した」

「ふっ…」

 かすかに笑ったような声が聞こえた。

「えっ」

「いや…神崎って真っ直ぐで勢いで動く癖に…意外と人に対して気遣いだよな…」

 なぜだかジワジワと頬が熱くなってきた。

 なんか恥ずかしいというか、なんかなんか、弱気な自分出た!

「い、意外とって失礼じゃない!?」

 そんな自分を誤魔化すように非難の声を上げるけども。

「そうか? 別に悪い意味じゃない…」

 本音とも取れる真面目なトーン・・・返り討ちにあいました。

 あーもぅ余計恥ずかしくなるわっ!と心の中で叫んだ。

 なんか、一美のようにツッコミがなんとなく入れらない!てか、坂本くんって天然タラシっぽいところあるよね。

「そ、そっか…」

 顔が火照るのを感じながら「顔が見えるテレビ電話じゃなくて良かった」と思った。

 それなりにクーラーが効いている部屋の中で、なんとなく火照った顔を冷ますべく手でパタパタと風を当てる。


「・・・」


 そして、さっきまで気にならなかった無言の時間が、今は気まずい。


「じゃ、じゃあ。その、また、調べて連絡するね」

 そう言えば、と、話し合うべきことは終わっていたことに気づいたので、今日の電話会議は終了することにした。

「あぁ…了解。 神崎、おやすみ」

「うん、おやすみ」


 携帯の画面表示がOFFオフになるのを見届けて


「…てっ!『オヤスミ』を言い合うって恋人カップルか!!!

 いやいや、友人同士でもある挨拶だよ。そうだよ、ね、ちょっと冷静になろうか?私」


 声に出して、自分で自分を突っ込むことをしてしまった。

 

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