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森を出たい(泣)

現在、四日目の朝食中、メニューは雑草。俺はある事に悩んでいた。


「・・・そういえば・・・この森にもう四日いるのか・・・」


一日目はゴブリン倒して、二日目は毒でスモールボアの肉ダメにして、三日目は狩り行ったけど結局雑草しか食えなくて・・・


「はぁ・・・この森飽きたわ・・・」

「ゴブッ?」

「だってさ、俺この四日間雑草しか食ってないんだぜ?」


そう、俺は水の中に生えてた雑草しか食べてない。

いい加減飽きたわ!!

その場で転がって子供もように喚く。


「うわあああん!!お米食べたい!!お菓子食べたい!!ポテチがいいんじゃぁ!!」

「ごぶっ!?」

「ホブちゃん!!森を出よう!!一緒に来てくれるか?」


俺が聞くとホブちゃんは元気よく手を挙げ「ゴブッ」と言ってれた。


「うぅ・・・ありがとうホブちゃん」


早速準備を始める。

といってもスマホぐらいしか持ってくもの無いが・・・


◆◇◆数十分後◆◇◆


俺とホブちゃんは川の流れに沿って歩いている。

ほら、川の流れに向かって歩くと村が見えるって言うだろ?

川の流れに向かって歩く道中で魔物が出てくるが難なく倒していく。


「ホブちゃん、一度休憩しよう」

「ゴブッ!!」


俺のおやつ・雑草

ホブちゃんのおやつ・スモールボアの肉


「ゴブ・・・」

「そんな申し訳なさそうな顔すんなよ、俺なら大丈夫だ!!」

「ゴブッ!!」

「雑草しか食えるもん無いしよ・・・」


俺は滝の所に生えている雑草をかなり持ってきている。

他の草は美味しくないし(この草は味がしない分まだマシ)、滝の所にしか生えて無いからだ。


「にしてもこの森広いな〜、結構進んだと思うんだが・・・」

「ゴブッ♪」

「ホブちゃん、いっぱい食べていいんだぞ〜。俺食えないし・・・」


ピコンッ


「ん?なんかスキル覚えたのかな?」


スマホを見るとオッサンの加護の通知だった。


【そこをすぐに離れろ!!今すぐだ!!】


「・・・え?」


そう呟いた時にはもう遅かった。


ガサッ


「ゴブッ!?」

「どうしたホブちゃ・・・」


ホブちゃんが見ている方向には・・・

体長三メートルは越えている大熊がいた。

その大熊の息は荒く、俺達を見ているその目は・・・獲物を見る時の目だ。


「ホブちゃん!!コイツは強いぞ!!逃がしては・・・くれないよな・・・」

「ゴブッ!!」

「戦闘態勢だ!!ファイヤII発動!!」


先手必勝!!


石ころから出た火の玉は大熊に向かって行く。

その火の玉を大熊は・・・


パシュッ


手で受け止めた。


「なんだとぉ!?このチート野郎が!!」

「ゴブッ!!」


ホブちゃんは大熊に向かっていく。

俺も【水圧】で大熊が抵抗しにくくするように援護する。

しかし大熊は水圧を片手で防ぎ、向かってくるホブちゃんを蹴り飛ばした!!


「ホブちゃん!!」

「ゴ、ゴブゥ・・・」


こうなったら・・・


「毒属性!!」


【水圧】に【毒属性】を重ね、状態異常で倒していく。

大熊は唸り声を上げている。

どうやら聞いているようだ。


「よ、よし・・・ホブちゃん!!調合で作った回復ポーションだ・・・飲んでくれ!!」


蹴り飛ばさてた時に何処かに引っ掛けたのか出血している。

息も浅い。このままじゃ・・・死ぬ。

大熊が水圧で唸っている間に回復ポーションを飲ませようとする。


「ホブちゃん、頼む・・・飲んでくれ・・・」

「ゴ、ゴブゥ・・・ゴブッ」


ホブちゃんは口から血を吐いた。


「くそ・・・どうすれば・・・こ、こんな時は!!確かクラスメイトがラノベのシーンで良くウホッとか言ってた奴があった気がする!!えーっと・・・確か・・・」

「ゴ、ゴブゥ・・・」

「・・・口移しか・・・」


でもアレってヒロインが怪我した時のシーンだよな?

もしくはヒロインが怪我をした主人公にした・・・

ホブゴブリンに口移しってアリなのか・・・?

確かに人型だけど・・・最近胸とか膨らんできてるから多分女の子だけど・・・

俺・・・まだキスした事ないんだよな・・・


「あ!!ヤバい!!水圧の効果が切れた!!」


あら、大熊さんがこっちを見てメチャクチャ怒ってらっしゃる。

いやね、ワタクシ毒状態にしただけじゃありませんこと?


「ゴ、ゴ・・・ブ・・・」

「ホブちゃん!!くそぉ!!ファーストキスよりホブちゃんの命だ!!」


俺は回復ポーションを口に含み、ホブちゃんと口付けをした。

そして回復ポーションをホブちゃんの口に流し込んだ。


あ・・・女の子の唇って・・・柔らかいな・・・

ホブゴブリンの女の子だけど・・・


ボブちゃんは回復ポーションを飲むとすぐに元気になり、立ち上がってくれた。


「ホブちゃん!!奴はもう体力が残り少ない!!しかも毒状態だから時間稼ぎだけでいい!!」

「ゴブッ!!」


ホブちゃんは大熊の攻撃を交わしながら時間稼ぎをしている。

俺もなにかしなくちゃな・・・


俺は念動力でそっと大熊の近くに石ころを持っていかせ・・・


「【LEDライト】」


目眩しをする!!

その次に!!


「【ボイスレコーダー】」


背後の声を飛ばし注意を引き付ける。


「今だ!!ホブちゃん!!」

「ゴブッ!!」


ホブちゃんは大熊を斬ろうとする!!

しかし・・・ボロかった剣に限界が来て壊れてしまった・・・


「ホブちゃん!!」


大熊は目が見えるようになり、ホブちゃんの姿を捉えると・・・

ホブちゃんを殺した・・・


「ホブちゃあああああああああん!!」


ホブちゃんが・・・死んだ・・・

嘘だろ?だって・・・ホブちゃんは俺と過ごして・・・ずっといい子で・・・

スモールボアなんか簡単に倒せて・・・

なのに、なのになんで・・・?

嘘だと言ってくれ、そんな残酷な結末は嘘だと言ってくれ・・・


「うわああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」


大熊は毒が体に回り力尽きたのか、その場で死んだ。


「畜生・・・なんで、なんで・・・」


ピコンッ


通知が来る。

このタイミングで何なんだよ・・・

ふざけるな・・・


「空気を読めとは言わない・・・だから・・・今はそっとしてくれ・・・」


スマホのこんなこと言っても無駄な事は知っている。

けれど言わなければこの複雑な気持ちは吐き出せなかった。


ピコンッ


「なんだよ!!」


スマホを怒りながら見る。

するとそこには二つの通知が来ていた。

俺はその通知を見た時・・・意味が理解出来なかった。

けれど、自然に涙が出ていた。


【ホブちゃんのリセットが発動しました。】


【ホブちゃんの新たな種族を選択してください。】

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