転移先・・・
新章っぽいの突入しました。
章を分けるのはやり方を覚えてからにさせて下さい
ピコンッ
通知音で目が覚める。
目を覚ますとそこは・・・
「・・・教室?」
自分の元いた学校の教室だった。
地球の、日本の、学校の、教室。
「あれ?ナニコレー」
『アシュレイ様!!聞こえますか!?』
頭にティアの声が響く。
なんで日本で念話が届くんだよ・・・
あ、そういえば距離は関係ないんだっけ。
『あー、聞こえるぞ』
『よ、よかった・・・そ、それで今どこに!?』
『ティアからしたら異世界、俺からしたら故郷って所だな、まぁとりあえずそっちの状況は?』
うん、まずは状況確認しないとな。
それからティアの話をまとめるとこんな感じ。
・転移したあと、ミーシャがキレて二人をフルボッコにした。
・俺を戻せと言ったが、何故か転移が使えなくなっている。
・念話を飛ばしたら返事した(今ここ)
『なるほど、しかし転移が使えなくなってるのか・・・』
『はい・・・』
おそらくアイツは俺を地球に飛ばしてあとは自分達だけで俺TUEEEEをやろうとしてたんだろ。
しかし、転移がつかえない?
「うーん、とりあえずスマホ見るしかないな」
【パートナー】
【オッサンの加護】
【アシュレイ】
【ミーシャ】
【ティア】
「なんかティアが増えてるし・・・まぁとりあえず石ころを見るか、なんか起こった時は大抵この石ころが原因だしな」
【人探しできちゃう石ころ】
【スキル一覧】
【ウォーター】
【水圧】
【調合】
【毒属性】
【猛毒属性】
【骨合成】
【素材鑑定】
【ファイヤ】
【ファイヤII】
【ファイヤIII】
【ロック】
【念動力】
【鍛冶】
【鍛冶II】
【鍛冶III】
【裁縫】
【裁縫II】
【召喚】
【ボイスレコーダー】
【LEDライト】
【ホカホカ】
【ヒエヒエ】
【映像化】
【GPSマップ】
【生命探知】
【付与魔法】
【転移】
「・・・転移」
おいおい、転移が増えちゃったよ。
あの時、魔法陣の中には確かに石ころが入ってた。
と、いう事は・・・
考えられるのは一つしかない。
「スキルを・・・喰ったのか」
確かに【剣術】とか【体術】は自身の能力をあげるスキルだ。
けれど【転移】は魔法陣という形あるものが出てくる。
この石ころは生き物以外は大抵食う。
魔法陣は試したことは無いが【転移】があるという事は出来るのだろう。
「これからどうしようかな・・・」
転移があればもちろん異世界に行けるだろう。
行きたいのは山々なんだが、親も心配してるだろうな・・・
一旦挨拶に行ってから・・・
ってか俺、名前覚えてないのに大丈夫か?
ガラガラッ
「ん?誰かいるのか?・・・て行方不明の生徒!?お、おい、大丈夫か!?」
「あ、大丈夫っす、ただ・・・うーん、やっぱり名前だけは思い出せないか」
「き、記憶喪失!?校長オオオオオオオオオ!!生徒がああああ!!」
先生は校長をダッシュで呼びに行った・・・
なんだあれ・・・
『アシュレイ様、私はどうすれば・・・』
『うーん、俺はいつでも戻れそうだけど、少し親に合わないとな・・・心配かけてるだろうし』
『じゃ、じゃあ私そっちに行きたいです!!』
『え?』
俺の周りに二つ魔法陣が現れる。
これ転移の魔法陣に似てる気が・・・
そして魔法陣から出てきたのは・・・
「あ、ぱぱー」
「アシュレイ様ー!!」
ミーシャとティアだ。
どういう事だ?俺は転移は使ってないが・・・
もしかして・・・
【深まり合う絆】
【ラバーズの能力。
お互いに好意を持ったもの同士に効果が常時発動する(複数人可)。
高いステータスだけを共有する(魔力以外)。
魔力共有が可能。
無条件で自らの付近に対象を転移させることが可能
念話が可能、距離は関係が無い】
あ、はい。
明らかにコレですね。
無条件での転移とか魔力も減ってないじゃん・・・
強すぎだろ。
「とりあえずは合流出来たな」
「それで・・・ここはどこですか?」
「あぁ、ここは俺の故郷で日本って場所だ」
「ぱぱのこきょう?」
「そうだよ」
そんな感じでしばらく説明していると教室に誰かが近付いてくる。
ガラガラ
「校長、行方不明の生徒です!!」
一人はさっきの先生だ。
確か体育の松田剛先生だ。
ジャージでいっつも出歩いており、角刈りの頭。
そして口癖が「本気で来いよぉぉぉぉぉぉ!!」だった気がする。
「松田君、君の話では一人では無かったのかね?」
「え?そうですが・・・ってあれぇ!?」
校長先生はとりあえず、ハゲている男とだけ言っておこう。
ちょび髭で口癖は「今、ハゲって言ったか?」だ。
「どうも」
「まぁ、いい、君達、名前は?」
「私はティアです、こちらはミーシャさん」
「それが・・・名前以外の事は覚えているのですが・・・」
「ふむ、では母親の名前は?」
「芦屋恵子です、あ、俺の名字は芦屋なのか」
今更気付いたが、親の名前が分かるならなんで自分の名前が分からなかったんだろ?
まぁ、異世界いっててそれどころじゃ無かったしな。
・・・ん?ティアとミーシャは異世界なのに言葉がわかるのか?
まぁ、異世界から呼ばれた者は云々とか王様言ってたし。
「なるほど、芦屋君か、では聞くが芦屋君は異能軍か?」
「異能軍?何ですかそれ」
「・・・知らないのかね?」
俺が首を傾げると校長先生はため息をして説明し始めた。
「異能軍はニュースで沢山取り上げられてるじゃないか・・・」
「先生、芦屋は行方不明だった上、名前も忘れているのですよ?他にも忘れていることだってある筈です」
「・・・それもそうだ、じゃあ芦屋君、君は僕達を殺す気はあるかい?」
「え?何でいきなりそんな人の命を奪うかどうかになるんですか?」
「・・・本当に何も知らないのかね?」
「まぁ、はい」
「じゃあ、説明しよう・・・事の発端は君達が消えた直後に起こった・・・その日、世界の人口の半分が【異能】に目覚めた、異能の種類は様々だ。火を起こせたり、水を出せたり、物を加工して武器を作ったり・・・」
「ほうほう、それなら俺にも出来ますね」
俺がそう言うと、いきなり校長先生と松田先生が「なん・・・だと?」と言ってきた。
日本でも魔法みたいのが出て来たんだな・・・
まぁ、その異能でどうなったんだろ?
「芦屋君、今・・・異能が使えると?」
「あぁ、はい。使えますけど?」
「ど、どんな力なんだ?」
「どうしたんですか?いきなりそんな怖いものを見る目で見て、それで話の続きを教えてくださいよ、異能とか、日常生活で凄く役に立ちそうじゃないですか」
俺は興味津々で聞くと、安堵した表情を浮かべた。
「驚かないで聞いてくれ・・・今、世界は異能を持った人間と異能を持たない人間で戦争が起きている・・・」
「・・・え?」
「戦争・・・ですか?」
「せんそーってなに?」
戦争って・・・何があったんだよ。
俺なんかウォーターをウォシュレットに使ってたぐらい魔法の扱い酷いのに・・・
「奴らは異能軍を名乗っている、自分達は異能が使えるから神に選ばれたとか言って異能を持たない人間を狩っているんだ・・・、奴らは異能以外は身体能力も何もかもが普通だから見分けが付かない・・・」
「え?身体能力が普通?ステータスとかも普通なんですか?」
「ステータス?」
少し不安になりステータスを見る。
【アシュレイ】
【人族(笑)】
【Lv.72(固定)】
【ジョブ・石ころ投げる人】
【jobLv.58】
【スキルポイント1740】
【生命力・B】
【攻撃力・B】
【防御力・B】
【魔法力・B】
【精神力・A】
【俊敏力・A】
【魔力14561084/14561084】
【スキル一覧】
【ロックショット(笑)】
【植物喰らい】
【スキル共有(石ころ固定使用)】
【痛覚耐性V】
【愚者の書】
【タイムリープ】
【深まり合う絆】
【ギフト】
【パートナー】
【オッサンの加護】
【アシュレイ】
【ミーシャ】
【ティア】
レベルが固定になっているが、別にステータスに変化はない。
よかった・・・
しかし、そう考えると異能持ちと言っても全員レベル一なのかな?
「それでは芦屋君に聞く、君は我々の味方か?それとも敵か?」
「ってかなんで学校の先生を殺さなくちゃいけないんですか、神だかなんだか知りませんが、俺は母さんと親父にあったらどっか行きますから、それでいいでしょ?」
どっか、と言うのもちろん異世界だ。
少しこっちにいてもいいかな、なんて思ってたけど戦争なんてゴメンだな。
ってかさり気なく校長先生、銃持ってるじゃん、危ないな。
「・・・芦屋君の親御さんは体育館にいる」
「じゃあ俺はこれで、ミーシャ、ティア、行くぞ」
「はい!!」
「うん!!」
◆◇◆体育館◆◇◆
体育館に行くと、まず目に入ったのは避難所として使っている近所の民間人。
本当に戦争が起こっているようだ。
みんな元気が無い。
とりあえず母さんと親父を探すか。
「あれは・・・零じゃないか?母さん」
「あ、いたいた」
「あれがアシュレイ様の親御さんですか?」
「ぱぱのぱぱ?」
俺達は近付いてとりあえず「ただいまー」と言ってみる。
「あなた・・・悪ふざけは止めてっていつも・・・!!」
母さんは親父の話を信じていなかったようだが、俺の顔を見た途端、酷く驚いていた様子だ。
いや、俺が死んだとでも思ってたのかよ。
「えっと・・・親父、母さんが固まってるんだが・・・」
「いや、行方不明の息子見たら普通そうなるだろ」
「親父は驚かないのな」
「いや、俺はお前の後ろの子供をどっから攫ってきたのかが気になってな」
「えっと、初めまして!!ティアです!!こっちがミーシャさんです」
「ぱぱのぱぱ?」
「グハァ!!ぜ、零 、お前、その年で十歳ほどの娘って・・・」
なるほど、俺の名前が零って言うのか。
なんか凄い実感湧くな。
何でだろ?
芦屋零、アシヤゼロ、アシヤ0、アシヤレイ、アシュレイ・・・
俺、結構似てる名前付けてたんだな。
「しかも、ぱぱのぱぱって・・・俺か?」
「あ、あの!!」
「どうした?えっと・・・ティアちゃんか」
「お義父さんと呼んでいいですか!?」
「ダブルショック!!零、お前こんな小さな子に・・・」
「待ってくれ!!違う!!これ誤解!!」
親父に必死に説明をしようとしてると、体育館の入口から叫び声が聞こえる。
「うわあああああ!!異能軍が来たぞ!!」