ジョブって・・・泣けるね
ビルスさ・・・ビルスについて行くこと数分。
至って普通な宿屋に着いた。
ここに来る途中で見かけた宿屋は豪華な見た目だったり、看板娘のグッズらしきものを売りまくってる等と何かしら宣伝している。
けれどこの宿屋はトコトン普通だ。
どこか安心する木造建築、扉に掛けてある木には【ビルスの宿屋】と書いてある。
他に何も書いておらず、宿屋と気付く人も少ないであろうがその素朴さが逆にこの宿の魅力を引き立てている。
「・・・ここだ」
「あ、やっぱりここなのか・・・」
「ぱぱ、おなかへったー」
中に入り内装も見るがやはりとても素朴で安心できるところがある。
俺はビルスの見た目を見て勝手に釘バットがその辺に転がってるようなヤバいところに連れていかれると思っていたが・・・
「ビルス・・・悪かった・・・」
小声で言ったのでビルスには聞こえていない。
するとビルスはテーブルに座る俺達に近付いてきた。
「・・・定食が出来るまで」
そう言ってビルスは俺にマカロンが入っているバスケットを渡した。
「あの、これは?」
「・・・つくった」
「ビルスが!?」
「おいひい」
俺が驚いているとミーシャは既にマカロンを食べている。
一気に頬張ったせいかハムスターのように頬が膨れいている。
そんなミーシャにほのぼのしている間にビルスは料理場に向かって行った。
◆◇◆数分後◆◇◆
ビルスは料理を持ってくる。
ミーシャの目の前にはお子様ランチを、俺の目の前には生姜焼き定食を置いた。
「・・・領収書」
「あ、はい・・・ん?」
領収書には値段は書かれておらず【この料理は初回サービスです、宿に泊まってくれたら日替わりで定食が出ます】と書いてある。
・・・とんでもなくサービスが良い・・・
とりあえずサービスと言うので食べるか・・・
「いただきます・・・は!!こ、これは!?」
一口生姜焼きを食べると、口の中に溢れ出す肉汁が米を進ませる!!
少し濃いめの味付けだがご飯と合わせることにより程よい味になり次々と食が進む。
添えてある野菜に生姜焼きのタレを染み込ませ食べることにより一つのおかずとして食べることも出来る。
そして気付いた時には・・・
「ごちそう・・・さまでした、宿にとりあえず三泊お願い・・・します」
宿の予約をしていた・・・
ビルスは一瞬ニコッとした。
それを見るとビルスは慌てて言った。
「べ、別に嬉しいとかそんなんじゃ・・・ないんだからな」
「・・・」
「・・・何故、黙る?」
「ツンデレだあああぁぁああぁぁぁ!!」
◆◇◆神殿◆◇◆
今はビルスの事が分かったのでジョブが貰えると言う神殿に来ている。
神殿は神を祭る所だがこの国の人は信仰心が強いのか祈っている人がかなりいる。
もちろんミーシャも連れてきている。
元ホブゴブリンだが今は人間なのでジョブが貰えるはずだと思うのでな。
「すみません、ここでジョブが授かれると聞いて来たのですがどうすれば?」
俺は神殿なので小声で訪れていた人に聞く。
「ははっ、神様は話し声がうるさいとかで怒るような御方じゃないから大丈夫ですよ」
「あ、そうなんですか」
「それでジョブを授かる方法だね?それはジョブを下さいって祈るとすぐに分かるよ」
「?まぁ、やってみます」
何を言っているが分からなかったがとりあえず祈る。
すると頭に文字が浮かんだ気がした。
【力を授かりに来たのですか?】
力・・・とはおそらくジョブの事だろう。
とりあえず「イエース」と念じてみる。
ピコンッ
祈った途端、スマホに通知が来る。
スマホを開き見てみるとやはり予想通り【ジョブを選択してください】と言う通知が来ている。
そしてアプリが二つ追加されている。
アプリ名は【アシュレイ】と【ミーシャ】だ。
「・・・それ偽名なんですけど・・・」
さっそくアプリを開き【ジョブを選択してください】の文字をタップする。
【アシュレイ】
【選択可能ジョブ一覧】
【石ころ投げる人(専用ジョブ)】
【ミーシャ】
【選択可能ジョブ一覧】
【下級剣術士】
【森の愛し子】
【ミーシャ(専用ジョブ)】
【ポイントによる選択可能ジョブ一覧(残りポイント675)】
【魔術師(必要ポイント40)】
【白魔術師(必要ポイント50)】
【黒魔術師(必要ポイント50)】
【付与魔術師(必要ポイント50)】
【死霊術師(必要ポイント50)】
【暗殺者(必要ポイント50)】
【闇騎士(必要ポイント50)】
【聖騎士(必要ポイント50)】
【魔物使い(必要ポイント50)】
「・・・」
「ぱぱ、めがしんでるよ?」
「ミーシャ、パパはね、今泣きたいんだ」
ミーシャがチート過ぎる・・・
俺に選択権があるみたいだけど、これはミーシャのジョブだ。
ミーシャに決めさせよう。
ってか【石ころ投げる人】って舐めてんのか!?
【石ころ投げる人】
【アシュレイだけが授かる事が出来るジョブ、石ころが上手く投げられるように身体能力が上がる。スキルは・・・まぁ、うん、その、あれだ、頑張れよ】
「詳細さえも引くレベルで激弱なの!?」
つ、次だ・・・
ミーシャのポイントで取れるジョブはほとんどゲームで知ってるから大丈夫だ。
とすると・・・【森の愛し子】と【ミーシャ】か。
【森の愛し子】
【野生のスキルを持つものが授かる事が出来るジョブ、自然の力が借りれる。スキルは自然の木々を生やしたりと、戦闘には向かない】
【ミーシャ】
【ミーシャだけが授かる事が出来るジョブ、アシュレイへの愛が増す、愛が増えるとスキルを覚える、そのスキルの数に終わりはない】
「ミーシャ・・・」
「なーに?」
「俺もミーシャが大好きだよ・・・」
俺は感動の余り泣きながらミーシャの頭を撫でる。
そして、ミーシャになれるジョブを全て教えると・・・
「じゃあ、みーしゃはみーしゃになる!!」
「本当にいい子だな、ミーシャは・・・本当に」
即答で言ってくれる・・・
俺には勿体無いぐらいのいい子だ・・・
その日、俺は【石ころ投げる人】にミーシャは【ミーシャ】になったのであった・・・
新ヒロイン・ビルス
四十代男性
趣味・お菓子作り
属性・ツンデレ!?
髪型・スキンヘッド
チャームポイント・海賊が着けてるような眼帯




