一章 結論①
F市には九州でNO1の移植実績のあるN病院がある。
史郎は、そこの病院のHPから、主治医の名前を見つけることは非常に容易だった。不安など微塵もなかった。
『はい。N病院です。』
『恐れ入ります。腎臓移植のK先生をお願いします。』
『どのような件でしょうか。』
『突然、申し訳ありません。受診ではないのです。実は、現在私が身内のドナーになるかどうかを思案しています。レシピエントは神奈川にいます。調べたところ、K先生からお話を伺えないかと思いお電話しました。』
『そうは言われても。。。』
『お願いします。』
『わかりました。少々お待ちください。。。』
『(やっぱり突然は厳しいかな?)』
『・・・はいお電話変わりました。Kです。』
『(お!)K先生お忙しいところ恐れ入ります。急なことで困っています。私の兄が腎不全で移植を希望しています。そのドナーになって欲しいと言われ移植手術について教えて頂きたいと思い。。。お会いできませんか?』
『わかりました。今日の11時にお越しください。』
『ありがとうございます。早速お伺いします。』
驚いたことに、当日アポイントを取ることができた。
想いのすべてを聴いてみよう。
僅かながら肩の荷が下りたような感覚があった。