一章結論
食事が終わると史郎はネットで「移植」について調べ始めた。
調べてみると、移植は比較的安全性が高く、提供者にリスクが少ないように書いてあった。
しかし、恐さは残った。
同じ兄弟がかかった病気にならないだろうか?
恐さ、不安が60%残った感じだ。
翌日に父親に話をしてみた。
父の反応は意外だった。
即答ではないが、答えは
『やらなくていい。』
理由を聞いてみると
『お前の人生。これから結婚もある。嫁さんに申し訳ないだろ。それに、伸郎の人生もそういうことだったんだ。史郎のこれからの人生とそれぞれの道がある。
だから、臓器をあげる必要はない。』
『おれの人生。。。』
『そうだ。お前はこれからいろんなことがある。これがきっかけで、二人の仲よりもお嫁さんに失礼じゃないかと思う。だから、今はする必要はない。』
『わかった。(今はか。。。)』
本当はして欲しいのかもしれない。手術をすることで楽になるのは明らかだ。
しかし。。。
わからない。。。
宗教的な考えだとどうなんだろう。
ふと、史郎は考えてみた。
死というものをどのように受け止めているのか、確かそういうこともあるはずだ。
気持ちはやりたくない理由探しになっていたようだ。
F県で執刀実績が最多の病院が就業先の近くにあり、史郎は尋ねてみることにした。
よし、S医師と連絡を取ってみよう。